検査・告知・手術・仕事復帰・これからのこと・・誰かのお役に立てればと綴ります。
10月21日の放送を御覧いただいたみなさま、ありがとうございました。多くの方に御覧いただき、感想も寄せていただいて感謝しています。短い時間かつすっ飛ばした説明もあり、体調、病状含めてどうなのよ?と疑問点もいただいているので今後、お答えできる限りお答えしていきたいと思います。
前回は手術前日に人工乳房が世界中で自主回収となり、同時一次再建ができなくなったお話をしました。日本では一つのメーカーのたった一つのものしか保険承認がされていませんでした。せっかく再建するために病院も移動したし、なんでだよ、と。しかも手術の前日に出荷停止ってなんだ!と。
乳房を再建する際は、皮膚を広げるためにまず、拡張器・ティッシュエキスパンダーを入れるのですがそれすらも自主回収されてしまっては手も足も出ず、前日にして、涙であきらめるしかなかったのです。
今、ティッシュエキスパンダーだけが入っていて、インプラントを待っている患者さんは3000人を超えています。2003年から保険適用になり、その前からも自費で入れられている方も多くいます。その数、年間6000人。その方々の不安を考えるといたたまれません。非常に低率であるが、別のがんができる。これはこれで問題ですし、どうして1つしか認可されていないのか。
再建は治療ではないのですが、ココロは支えると思うのです。胸って大事です。温泉が好きな方、お風呂に入れないとか、スポーツクラブで着替えるときも周りの目が気になります。ブラもレースとかかわいいのはチクチクするし、ワイヤーも痛いし、パッドもいれられるものじゃないと難しい。スカスカしているので洋服もえりの深いものはもう着られません。
私は両側なのでバランスは崩れませんでしたが、母は片側だったので術後、バランスが崩れる、なんか肩が張る、腰が痛い、と訴えておりました。身体のバランス、ココロのバランスをとるために余計なことをしなくてはいけないのです。
7月25日に自主回収となってから3か月、つるつるしたインプラントが緊急的に厚生労働省の認可がおりました。一か月のスピード審査だったそうです。
がんの位置によっては乳頭が温存できない方もいます。再建のときに自分の皮膚からつくることもできますし、シールのように貼れるものもあり、患者さんの気持ちによりそう様々なものはできてきています。ただ、まずは安全に自分の胸のふくらみを取り戻さないといけない、新たなハードルができたままなのです。もうこのようなことがないような安全性、複数認可などまだまだ課題は尽きません。
両胸を一気に失ってしまった私。術後、落ち着けば、今後も再建はもちろん可能です。(それも考えて、先生は胸の傷の位置を調整してくれています。)
でも今あの手術をもう一度する気持ちになれず、落ち着いたら考えてみようかな、と思っています。
がんとともに、、、。
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