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北海道が誇る究極の"珍"土産――「ジンギスカンキャラメル」を食べてみた

北海道には、美味しいものがあふれている。

当然旅行に来る人々は、美食大国・北海道ならではの美味しいお土産を買って帰るだろう。

美味しいお土産はたくさんありすぎて、そのすべてをここで紹介することは到底できない。

だからこそ、あえて「味が想像できないお土産」を紹介してみようじゃないか。

そんな思いつきで出した企画が通ってしまったため、この「北海道"珍"土産シリーズ」を始める。

シリーズ初回は、北海道の珍土産として名高いあの商品をピックアップした。

「まずい」をコンセプトに開発された、キャラメル界の異端者

今回紹介する北海道珍土産は、株式会社札幌グルメフーズが販売する「ジンギスカンキャラメル」だ。

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......いやいやいや。おかしい。絶対におかしい。

ジンギスカンは、羊肉を専用の鉄板鍋で焼いて野菜と一緒に食べる、北海道では馴染み深い料理だ。

羊肉特有の旨みと程よく火の通った野菜、そして甘辛いタレのコラボレーションがたまらない。

そんなジンギスカンに合わせるべきは、白米もしくはビールである。異論は認めない。

それなのに。あろうことか、ジンギスカンとキャラメルを組み合わせた......?どういうことだ。

札幌グルメフーズのご担当者様に話をうかがったところ、ジンギスカンキャラメルを企画したのは、現社長の長屋功一氏だという。

なぜ社長自ら、ジンギスカンキャラメルといういかにもまずそうな商品を企画してしまったのだろうか。

同社は1989年の創業以来、北海道で美味しいキャラメルを製造・販売し続けている。

そしてあるとき、「まずい」をモットーにした新商品の発売を決めたそうだ。

そのとき社長が北海道らしい食べ物としてキャラメル化候補に挙げたのは、ラーメン・蟹・ジンギスカンだったという。そして、最終的に残ったのがジンギスカンだったというわけだ。

無事(?)企画が通ったジンギスカンキャラメルは、2004年に発売された。

その圧倒的なまずさが話題となり、テレビ番組や新聞、雑誌などで取り上げられ、月間販売数60万個という驚異的な記録を打ち立てた。

発売から10年以上経つが、いまだに新千歳空港や道内各地のお土産店では当たり前のように販売されている。

中途半端にまずいだけなら、伝説的なヒットはしなかっただろう。つまり、ジンギスカンキャラメルは相当まずいのだ。

体験させてもらおうじゃないか、その伝説級のまずさを。

口内投入、即地獄。勇気がある猛者に試してもらいたい1

今回は、札幌駅内のアンテナショップ「どさんこプラザ札幌店」にてジンギスカンキャラメルを購入した。

我こそは北海道珍土産のレジェンドなり」と言わんばかりの貫禄で、棚に陳列されていた。

さて、購入したものの、このキャラメルを口に運ぶ決心がなかなかつかない。

だって、製造した会社が自ら「まずい」と宣言しているのだ。

最初からまずいとわかっているものを口に運ぶのは、なかなか勇気がいることではないだろうか。

しかし、「味が想像できないお土産を紹介しよう」と決めたのは、他でもないこの私である(本当は同時期に企画した「札幌のシメパフェ紹介記事」が書きたかったというのは、こっそりアピールしておきたい)。

覚悟を決め、ジンギスカンキャラメルを食してみよう。

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個包装されている状態で鼻を近づけたところ、明らかにキャラメルではない香りがした。

羊肉っぽさはないものの、炒めた玉ねぎを思わせるような、ほんのり香ばしく若干苦味のある香り。

これが、ジンギスカンをイメージした香料なのだろう。

包装紙を外せば、先ほどのジンギスカンをイメージした香りに加えて、キャラメルらしいミルク感のある甘い香りが漂ってくる。

これは何だ?おかずなのか、お菓子なのか?脳が混乱する。

正直、嗅ぐだけで若干気持ち悪くなるくらいキツい香りだ。

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皿に乗せて写真を撮ったものの、どうしてもこれを口に運ぶ勇気が出ない。

ジンギスカンキャラメルと見つめ合うこと、十数分。覚悟を決め、口に入れた。

その瞬間、ジンギスカンの香りが鼻から抜ける。キャラメルを口に入れたとは到底思えない、おかず感の強い香りだ。

しかしひとたび歯を立てると、ミルクの味が噴出する。

あぁ、私が口に入れたのは、やはりキャラメルだったのだ。そう思わせる甘い味わい。

口内で溶けていくキャラメルは、徐々にジンギスカンとミルクという本来決して出会うことのないふたつの味が混ざり合い、抱きしめ合う。

端的に言うと、相当まずい。

口に入れた瞬間まずくて、噛んでもやっぱりまずい。

ジンギスカンとキャラメルが、口内で不協和音を奏で続けている。

迂闊に口を動かそうものなら、次々とまずいエキスがあふれてくる。

積極的に口を動かしたくない、でも早く食べ切ってしまいたい。相反する願いの間で葛藤する。

これは、いけない。体がそう叫び、飲み込むのを拒否する。

結局根性で飲み込んだが、食べている間ずっと止まらなかった悪寒は、口内からジンギスカンキャラメルが消え去ったあとも続いた。

口内投入、即地獄。とんでもない北海道土産が存在したものだ。

しかし、この強烈にまずいジンギスカンキャラメルを、美味しいと言って食べる猛者もいるんだとか。

にわかには信じがたい話だが、どうやら事実のようだ。

どんな味か試してみたい好奇心旺盛な方や、罰ゲーム用に強烈な1品を用意したい方には、全力で本品をおすすめしたい。

ただし、間違っても友好関係を保ちたい相手に、「北海道のお土産を買ってきたよ!」と言って本品を渡してはいけない。

また、このジンギスカンキャラメルを会社で配るのもおすすめしない。

会社で配った結果査定に響くような事態に発展しても、私は一切の責任を負わないのでご注意を。

自らの味覚を試すべく食す。もしくはここぞというときに、特定の相手に食べさせる。

ジンギスカンキャラメルは、猛者中の猛者が買うべき至高の珍土産である。

北海道らしさを感じられる美味キャラメルたち

さて、ジンギスカンキャラメルというとんでもない1品を生み出した札幌グルメフーズは、もともと美味しいキャラメルを販売するメーカーである。

今回は同社が製造・販売する北海道らしい1品、「夕張メロンキャラメル」をおまけとして紹介しよう。

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これはもう、名前からして美味しそうである。

夕張メロンキャラメルは、発売後28年間ずっと高い売上を記録し続けているという、これまた伝説級の商品だ。

ジンギスカンキャラメルで瀕死状態まで追い込まれた口内をリセットしたところで、口に運ぶのを躊躇って十数分見つめ合うこともなく、夕張メロンキャラメルをいただく。

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包装紙を開けた途端、メロンの豊潤な香りが強く感じられる。

そして一噛みした瞬間、濃厚な甘さが口いっぱいに広がる。

あとからキャラメルのミルク感が追いかけてきて、メロンと共鳴し口内に優しい甘みをもたらしてくれる。

美味しい。とても美味しい。

「もっともっと」と言わんばかりに口内が忙しなく動き、夕張メロンキャラメルはあっという間に溶けてなくなった。

先ほどジンギスカンキャラメルを食べたときは、口を動かすたび激しさを増すジンギスカンとミルクの主張合戦にやられたが、それとは大違いの穏やかな口溶けだった。

たかがキャラメルと、侮るなかれ。

北海道感満載で、かつ完成度の高い素晴らしいお土産である。

友好関係を保ちたい相手に北海道の美味しいお土産を渡したいのであれば、夕張メロンキャラメルは非常におすすめできる。

ちなみに同社は、寒冷地でみられる果物・ハスカップのパウダーを使用した「ハスカップキャラメル」も販売している。

こちらも爽やかな酸味とミルクのまろやかさが楽しめる美味しい北海道土産なので、チェックしてみてほしい。

シーンに合わせた最適なキャラメルを選ぼう

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今回は、ジンギスカンキャラメルと夕張メロンキャラメル、そしてハスカップキャラメルの3品を紹介した。

思わず突っ込まずにはいられない奇想天外なジンギスカンキャラメルと、とても美味しい夕張メロンやハスカップのキャラメルが同じ会社から販売されているのは、非常におもしろい。

まずいとわかっているジンギスカンキャラメルを札幌グルメフーズが10年以上も販売できているのは、商品自体の話題性もさることながら、他のキャラメルたちがものすごく美味しいからなのだろう。

本当に美味しいキャラメルを製造しているからこそ、本当にまずいキャラメルの味も的確に表現できるのだ。

今回紹介したキャラメルは、いずれも1箱18粒入りで150〜200円程度である。

お土産にする場合は、渡したい相手との信頼関係や仕事への影響などを考慮し、適切なキャラメルを選ぶことをおすすめする。

選択を誤らなければ、盛り上がること間違いなしのお土産となるだろう。

シリーズ初回にして、北海道珍土産の頂点ともいえる商品を選んでしまった感は否めない。

果たして次回は、どんな珍土産を紹介しようか。乞うご期待。

この記事を書いたのは

相良海琴

札幌在住のライター。 珍土産実食レポートやインタビュー音源記事化など、引きこもり型執筆スタイルを貫く。
人や商品の魅力を伝える記事を多数執筆。
写真が趣味で、撮影と記事執筆を同時に担当することも。
好奇心旺盛で食の冒険をすることが多く、不思議な食べ物を見つけたらとりあえず口にしてみる。