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小野江医師の思いつき【とりあえず進む】

 三年くらい前、ジムに通い始めたころの話です。最初はほとんど負荷もかけずにフォーム作り、それからだんだんバーベルやダンベルを使い始め、徐々に重くしていきました。
 トレーナーさんには、スクワットやベンチプレスのウェイトを可能な範囲でどんどん増やすよう勧められました。自分ではフォームがまだまだしっかりしていない、たとえばスクワットだとしっかり腰が落ちていない気がしていたので、まず今の重さでちゃんと出来るようになってからにしようと思うと言ったんですが、トレーナーさん曰く「積極的に増やすのがいいよ」と。重いのをとりあえずこなせるようになれば、それより軽いのはかなり楽に出来るはず。どんどん増やしながらその手前のをしっかりやりなさいと。実際そうなんです。なるほどと思いました。

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重いです・・・120㎏

 子供の勉強の話も同じようなところがありますよね。とにかく進む。進んで振り返ると以前やっていたことがとても簡単に感じられるってみなさんあると思うんですよ。高校に上がってから中学の教科書をみたら随分簡単に思えたなんて経験、きっとあるはずです。それを「しっかりきっちりやってから・・」って考えちゃうと、とにかく時間がかかるんですよね。時間が無尽蔵にあるのであればともかく、時間が限られていてその中で効率良く勉強を進める観点であれば、やはり「とにかく進む」が正解だと思います。

 たとえばとりあえず簡単な参考書でいいので一回通読してから本格的な勉強をはじめるとか(私自身、研修医時代や法律の勉強で随分お世話になったやり方です)、学校の勉強でもまず教科書を一周してからわからないところに戻って潰していくような発想も似たようなことのように思います。全体に見渡した状態で各部分を学ぶと頭に入ってきやすいですし、それ以前に「とにかく一周した達成感」が大事なようにも思うので、ちょっと違いますかね。

 こなさねばならないルーチンワークのような物事にはちょっと当てはまらないかもしれませんが、ここで示したトレーニングや勉強のような「成長発展を目指す行為」については前向きな発想でとりあえず進むのが良いと思います。なんて書きながら、「前向きな気分」こそが一番の核心なのかもとだんだん思えてきました。発展するから前向きな気分、前向きな気分だからさらに発展する、いい循環です。

 こういうことをたまに考えながら取り組むと、何も考えずにこなすよりはずっといいのではないかな・・なんて。この文章をだーっと書いてみたことで私自身の頭の中身も整理された気がします。考えてみる、書いてみる、意識してみる。大事ですよね。これからも精進致します。

この記事を書いたのは

小野江 和之

医師、医学博士。札幌南高校卒、北大医学部卒。1971年生まれ。 札幌白石記念病院勤務。 2004年愛知県の某大学病院へ赴任。医療を取り巻く情勢の変化や様々な体験から一念発起、2007年北大ロースクールへ進学。子連れ学生であったため、修習期間中の資金確保目的で2009年休学して外務省へ入省、中米ホンジュラスへ赴任。2011年帰国を果たすもロースクールを自主退学、2020年6月より現職場。道外からみた北海道、業界外からみた医療業界、海外からみた日本。視点の多様性がいかに重要であるかひしひしと感じます。弁護士さん方とともに、医療と法律にまたがる各種問題解決についても携わっています。