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小野江医師の提案【新型コロナ:なんのための臨時休校、緊急事態宣言でしょう?】

 先週の北海道は実に慌ただしかった。新型コロナウイルス感染症の患者数が増え続ける中、水曜日に鈴木道知事が全道の小中学校を臨時休校にしますと発表。翌木曜日には札幌市教委も札幌市立の小中学校を臨時休校にする旨発表しました。そうしたら今度は金曜日に鈴木道知事が緊急事態宣言、週末の外出自粛を広く全道民に呼びかけました。さらに土曜には安倍首相が会見をひらき、全国の小中高校へ臨時休校を要請。もはや日本全国大騒ぎです。
 ところでなぜ臨時休校にしたのかをここで再確認します。新型コロナウイルス感染症がこれ以上蔓延するのを少しでも食い止めるためです。子供はかかりにくい、かかっても重症化しにくいと言われている感染症ですが、子供を介してハイリスクな持病のある人や中高齢者に感染が及ぶのを防ぐためです。緊急事態宣言で外出自粛を呼びかけたのも同じ理由、不要不急な外出を控えることで、ヒトからヒトにうつるこの感染症の拡がりを止めるためです。
 屋内で空気の入れ換えが不充分な環境に長時間たくさんの人がいるのは、感染管理の観点からみるととてもリスクが高いです。もしその中に新型コロナウイルスに感染している人がいると、その他大勢にもうつってしまう危険性が高いです。
 最近話題になったのはスポーツジムやライブハウスですが、その他にもパチンコ屋やカラオケ、スーパー銭湯などは不特定多数が集まり、ものに触れたり飛沫がとぶのでかなりハイリスクです(ということは今回以外でも、普通の風邪やインフルエンザをうつしあっている可能性が高いということでもあります)。

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画像提供:ピクスタ

 ところで緊急事態宣言直後の土日、ドラッグストアや大手量販店に人が大挙して押しかけ、レジに長蛇の列が出来たニュース、ご覧になりましたか?別に感染症が蔓延したからといって直ちになくなるわけでもないトイレットペーパーなどを買い求める人が朝から店に殺到、ちょっとしたパニックになりました。
 客観的には必要性の乏しい場面で、わざわざ屋内に不特定多数が集まりました。レジ前は特に買い物客が密集していたと思います。感染症をおそれるあまり、その感染症を蔓延させかねない行動にでたわけです。
 道はこういった事態を予測して、緊急事態宣言を出す際に、ものが買えなくなる心配はないから慌てて買い物に出かけるなどしないよう呼びかける必要があったように思います。テレビや新聞も、患者数を逐一報道するよりも感染症から身を守る心がけやパニックに陥らないための呼びかけをしっかり行えば良かったと思います。もし次にまたこういう事態が予測される場面がありましたら、是非お願いしたいところです。
 そしてもちろん個人レベル。自分の身を守る・他人にうつさないためにはどうするべきか、少しでいいので調べたり備えたりしてみることを強くお勧めします。とにかくしっかり手洗い(鼻をかんだ後やくしゃみをうっかり手でおさえた後など特に!)、外出中は自分の顔や眼鏡、髪の毛、マスクなどを触らないこと、電車やバスの手すりつり革には要注意(出来れば手袋をはめたままつかむ)、換気の悪い屋内に不特定多数で長時間滞在しないことなどですね。

 がんばって乗り切りましょう。絶対に乗り切れます。

(2020/3/10追記)※1:米中の共同研究で、子供も大人と同じくらい罹患する(けど重症化はしない)というデータが発表されました。続報待ちですが、若年層が感染の蔓延に与える影響は思った以上に大きそうです。

この記事を書いたのは

小野江 和之

医師、医学博士。札幌南高校卒、北大医学部卒。1971年生まれ。 札幌白石記念病院勤務。 2004年愛知県の某大学病院へ赴任。医療を取り巻く情勢の変化や様々な体験から一念発起、2007年北大ロースクールへ進学。子連れ学生であったため、修習期間中の資金確保目的で2009年休学して外務省へ入省、中米ホンジュラスへ赴任。2011年帰国を果たすもロースクールを自主退学、2020年6月より現職場。道外からみた北海道、業界外からみた医療業界、海外からみた日本。視点の多様性がいかに重要であるかひしひしと感じます。弁護士さん方とともに、医療と法律にまたがる各種問題解決についても携わっています。