46歳、両胸乳がんになりました⑳ 泣き虫で・・・

検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。

 HTBノンフィクション、テレメンタリー、御覧いただいたみなさまありがとうございました。

 かなーり揺れる船でしたけれど、一緒に患者の旅を始めてくれた、出会った患者の皆さんに感謝しています。
 様々な感想を頂戴しています。ありがとうございます。同病の方だったり、ご家族だったり・・・。医師の方だったり。
 みなさん、抱える心のうちをお話いただいてありがたいと感じています。ひとつずつお返事を書きたいところなのですが、これからしばらく、時間をかけさせてください。
 今回はいろいろ思う方もいらっしゃると思いますので、無理に最後までお読みにならないでくださいませ。

★★★

まずは同病の方から(Aさんとお呼びします)
『私も2月に乳癌の手術と、その後、放射線治療、今はホルモン剤を服用しています。番組を見て、違和感を感じました。母親の闘病を見守っていたのなら、もっと冷静に受け止めることができるのでは。まして、取材で乳癌を知っているならば、先を見通すことができたのではないかと思い、番組として作りすぎではと感じました。私は、2年前に、親友を乳癌で失いました。彼女の闘病を側で見てきました。だからこそ、見通しをもって闘病できていると思っています。なんだか心に違和感を感じたので、メールを送ります。人の感じかた、受け止め方は違いがあっても、盛ったところはなかったか、番組を見直してもらえたらと思っています。』というご意見を頂戴しました。

 そう思った方がいらしたことは私自身の未熟度です。最初は冷静に受け止めていたはず、でした。両側だったことでいわゆる、初発と再発が一気に来ちゃったという事実、さらに自分が思い描いていた、同時再建ができなくなったころから心の中は右往左往になってしまいました。これまでの知識が選択肢を増やし、不安を増やしていたのかもしれません。母の初発の時期と今はまったく違うと感じています。母とは閉経後と閉経前の治療の違いもありますし、ここから生きていく年数も違う。母のホルモン治療の副作用も見てきたのでこのあたりも冷静になれなかった理由かもしれません。同じようなホルモン治療の方が副作用などで治療を断念されていく姿も見ているのでかえって知っていくと選択肢も増え、悩みも勝手に増やしていたのかもしれません。

 Aさんもご友人を見送られたのですね。それを見て今、ご自身として受け止めておられることも簡単ではなかったのではないかと思います。冷静に向き合っておられることは私も参考にさせていただかなくてはなりません。

 私も大切な友人を手術後すぐ、去年8月に亡くしました。診断された去年の5月に一番最初に乳がんであることを伝えた4つ年上の友人でした。
 5年間、乳がんと生きた彼女は立派でした。同病の方を不安にさせるのは本意ではないのですがステージ1のルミナールタイプの方でした。

 最初に伝えた時、初期からスタートしてもあとは運だ、人間はどうやって死んでいくのか、知っておいた方がいい、できることは今のうちに、やれることは悔いなく、と私に諭すように話してくれました。これまでお父さんを見送り、お母さんや友達を見てきたゆきちゃんだからこそ言ってもいいよね、と言ってくれたストレートパンチ、でした。

(なのでみなさんまで巻き添えすいません)

 私は泣き虫なので、泣きながら聞いていました。冷静ではいられませんでした。その後、彼女はいろいろな整理をしてギリギリまで人と関わりたいと入院せず、入院後はあっという間に旅立ちました。

 もっといろいろ聞きたかった・・・彼女の残した言葉を振り返り、母が14年、私も取材を始めてから20年近くになりますが、知識で知ったことと、実体験がこんなに違うんだと。わかっていてもゆらいでしまう、自分の弱さをかみしめています。まだまだ学びが必要です。

 11人に一人。これだけかかる方がいるからこそ、研究・治療法の革新は日進月歩です。それを信じて、少しでもバタつかないように歩みを進めます。

 本当にご意見感謝しています。まだ編集している時間の夢を見て夜中に起きている、、ほどビビリです(笑)。すいません。

 今後もみなさんから寄せられたご意見にお応えしつつ、
乳がんについて学びを続けたいと思っています。私も遺伝子検査が先延ばしになってます。次はそのお話を。。。

1時間版は未定ですが、30分版はAbemaTVでいつでも御覧いただけるようになっています。AbemaTV内、ビデオのテレメンタリーで検索してみてくださいませ。

がんとともに、、、。

番組、SODANEへのご感想、ご意見お聞かせください。
番組制作、今後のイベント、SODANEなどで活用させていただきます。
がんとともに生きる方、ご家族を持つ方、そうでなくても、もちろん、どんなことでも、構いません。
決して1人ではありません。

メッセージはこちらから
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この記事を書いたのは

阿久津友紀

テレワーク×治療ということで・・・登壇します。
第3回に登壇します!

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「子育て」「介護」「治療」の3つのテーマについて、仕事を両立するためのテレワークについて、
中小企業でも実現可能な実施方法や労務管理を、専門家を交えながら、わかりやすく解説します。

[第1回]2月 7日(水)子育て 13:00~15:00
[第2回]2月14日(水)介護  13:00~15:00
[第3回]2月21日(水)治療 13:00~15:00 ★
※詳細は「チラシ」及び「テレワークポータルサイト」をご参照下さい。

【お申込み】
https://telework.mhlw.go.jp/support/seminer/


引き続きこちらも配信で2月3日より見ることができます!
お申込みお待ちしています。

Next Ribbon2024
「がんとともに生きる、寄り添う」

1月17日(水)

第2部 プログラム
司会:原元 美紀 氏(フリーアナウンサー)

18:30-18:35 挨拶
18:35-18:55 「自分らしく生きる~肺がんステージ4からの独立、出産~」
清水 公一 氏 (社会保険労務士事務所 Cancer Work-Life Balance代表)
18:55-19:15 「がんで働いちゃダメですか?~取材者から当事者に」
阿久津 友紀 氏 (北海道テレビ 東京支社編成業務部長)
19:15-19:35 「新たな患者サポートへの挑戦~治療後の生活も支えたい」
松浦 成昭 氏 (大阪国際がんセンター総長)
19:35-19:55 「 不妊治療か、がん治療か 46歳で出産した私の選択」
だいた ひかる 氏 (お笑い芸人)

オンライン配信 申し込みフォーム

https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11012609

『おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える(北海道新聞社刊)10月6日発売

おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える

日本癌治療学会 市民公開講座 9月23日(土)

https://www.jsco.or.jp/public/public_seminar/upcoming_seminar.html


「LINE特集 「失われる自分らしさ」。乳がんになった私たちの3年間。例え、心が折れそうでも…」
https://news.line.me/detail/oa-htbnews/bt2o2l9r6cfc

YouTubeで乳がんについて配信しています!

ピンクリボントーク【ホルモン治療の副作用と簡単ヨガ】 
https://youtu.be/gOOiLPH-n2I

温泉ソムリエも取得しました!

『アピアランスケアを考える』
https://youtu.be/3qVd1xXFvaU

ピンクリボントーク 患者と家族と社会 ~生きてくのに必要なコト~
アーカイブ配信:無料
https://youtu.be/PS4eJMy4GcY

第4弾の”がん患者さんとココロ” 北海道の斗南病院の精神科長で登録精神腫瘍医の上村先生に伺いました。アーカイブは
https://youtu.be/D-j4RrGSgkw

これまでの動画は・・・
【乳がん】おっぱい2つとってみた

HTBノンフィクション おっぱい2つとってみた
【2020年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組優秀賞受賞】
【2020年ギャラクシー賞 奨励賞】

HTBonデマンドで無料配信中!
https://www.hod.htb.co.jp/pg_nf/pg_id_nf006

テレメンタリー2020『おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~』年間最優秀賞 
ギャラクシー賞・選奨(報道活動部門)/民放連 放送と公共性 優秀賞
活動の一部は・・・
youtubeLIVEでピンクリボントーク① 見逃し配信中!
https://sciencefestival.jp/event/breast-cancer/

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