職場にがんと伝えられない・・・46歳、両側乳がんになりました54

検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。

 いつもお読みいただきありがとうございます。放送から時間もたっていますが、メールをいただいております。ありがとうございます。

同世代の女性からのメールです。

 『こんにちは。両側乳がんで全摘、抗がん剤治療ののちハーセプチン投与中、タモキシフェンを飲み始めました。今は再建をインプラントにするか、保険のきかない脂肪注入にするか悩んでいます。胸の存在って曖昧にしてきたけど、次々と選択肢が出てきて決めきれないものです。独り身で親が高齢、相談できる人もいない私のような人には大変ありがたいサイトです。

 私は仕事をしていましたが、ガン入院後、復帰してから仕事のやる気もなく、抗がん剤治療中、出来ないことも多く、できないと言ったら、雑用的なものばかり仕事をふられようになり、さらにやる気をなくしてます。ガンも職場で公表もしていない状況。そんな時、このサイトを発見しました。番組まで作っている人がいる!という驚きと、もっと早く出会いたかったと思いました!悩む人たちのために是非続けて下さい。』

 ありがとうございました。実は同じような業種の方でして、職場で公表せずに働いておられることにまず驚きました。なかなかこれは私が同じであればと思うとよく頑張られているなあと。抗がん剤や分子標的薬に、ホルモン治療のトリプルポジティブのフルコースを受けながら働かれていることに感動しています。相当のプレッシャーの中だと思います。やめるとこれまで歯を食いしばってこられた努力がゼロになるので、会社に言って理解してくれるひとが増えることを切に祈っております。

 周りにお話しになっていない理由のひとつに信用していない、というお話がありました。あとはかわいそうだと思われたくない。非常によくわかります。もしも心配してくれているにしてもかけられる言葉がやさしく思えなかったり、腹がたったり、イライラしたりすることもあると思うからです。わかってるんですよ、自分もウジウジしてるって、でもそんなときもあるのです。

 例えば『よく公表する勇気がありましたね』は誉め言葉かもしれませんが、受け取り方によってはそれはお世辞であって、そんな恥ずかしいことよく公表するよね、公表されるとこちらも落ち込んで気分が悪くなる、公表したことでえらくなったつもりか、目立ちたいのか?心配アピールか!など思う方もやはりいます。

 手術が終わって、『いのちあればこそだから治療を頑張って』と言われても、がんばれないよ、という。励ましてくれているのだよね、わかってますよ、と。

 ネガティブゾーンでぐるぐるします。朝起きたくないし、人としゃべるのも面倒だったりする日ももちろんある。そんなのの繰り返し。ひとりじゃないです、みんな少なからずそうだと思う。

 自分にいいように解釈するのが楽ではないかなというのが私の結論です。がんで十分苦しんでいるのに他の人から言われることでさらに苦しんだら、つらい、です。いい方にとって、悪い方は気にしない、という。下向いてもいいことあんまりないです。どんどんつらくなるので、できるだけいい方に、そう考えています。

 そして、乳房再建・・・。これも大問題ですよね。インプラントは10年で入れ替えだし、合わない人も一定数います。私の場合は、乳頭温存で、脂肪をある程度うっすら残して切除されたので超”板”になっただけということで、なんとかギリギリ精神的に保てたので先生に感謝。さらに残せそうな位置にあるがんだったこともありますが、乳頭がのこすという選択はそれなりのリスクは理解せねばならず、あとは暴れるなよ、と祈る次第。

 いずれにしても両側は、、手術費用も倍なのでそう簡単にジャッジできないですよね。とにかくお金かかるので、自分の生活の中で優先順位をつけないとそのお金の工面もなかなか難しい。”ふつう”の状態になれば働けるのに、働けないのはもったいない。妊孕性などとともにアピアランスケアも補助金などないものか、と思う今日この頃、です。

 脂肪注入の再建、保険適用になってもいい気がします。身体の負担が少ないのが一番だと感じています。安全性などを鑑み、自分が自分らしくいられるのが一番いいですよね。

 

 

がんとともに、、、。

番組、SODANEへのご感想、ご意見お聞かせください。
番組制作、今後のイベント、SODANEなどで活用させていただきます。
がんとともに生きる方、ご家族を持つ方、そうでなくても、もちろん、どんなことでも、構いません。
決して1人ではありません。

メッセージはこちらから
1

この記事を書いたのは

阿久津友紀

乳がん患者さんが治療中に被災したら? 『防災の心がまえ』をもとに『女性の病と防災』を考える おっぱい2つとってみた作者とHTB森アナウンサーが本音トーク 
https://youtu.be/AO8Xzebt0Ys

『おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える(北海道新聞社刊)10月6日発売

おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える

「LINE特集 「失われる自分らしさ」。乳がんになった私たちの3年間。例え、心が折れそうでも…」
https://news.line.me/detail/oa-htbnews/bt2o2l9r6cfc

YouTubeで乳がんについて配信しています!

ピンクリボントーク【ホルモン治療の副作用と簡単ヨガ】 
https://youtu.be/gOOiLPH-n2I

温泉ソムリエも取得しました!

『アピアランスケアを考える』
https://youtu.be/3qVd1xXFvaU

ピンクリボントーク 患者と家族と社会 ~生きてくのに必要なコト~
アーカイブ配信:無料
https://youtu.be/PS4eJMy4GcY

第4弾の”がん患者さんとココロ” 北海道の斗南病院の精神科長で登録精神腫瘍医の上村先生に伺いました。アーカイブは
https://youtu.be/D-j4RrGSgkw

これまでの動画は・・・
【乳がん】おっぱい2つとってみた

HTBノンフィクション おっぱい2つとってみた
【2020年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組優秀賞受賞】
【2020年ギャラクシー賞 奨励賞】

HTBonデマンドで無料配信中!
https://www.hod.htb.co.jp/pg_nf/pg_id_nf006

テレメンタリー2020『おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~』年間最優秀賞 
ギャラクシー賞・選奨(報道活動部門)/民放連 放送と公共性 優秀賞
活動の一部は・・・
youtubeLIVEでピンクリボントーク① 見逃し配信中!
https://sciencefestival.jp/event/breast-cancer/

合わせて読みたい