思い起こしてみてください。
雲なき漆黒の夜空に広がる、満天の星を。
人生で記憶に残る"星空" がいくつかあって、
そのうちのひとつは北海道の占冠村(しむかっぷむら)で出会いました。
今も、目を閉じると、まぶたの裏に
あの日の光景がくっきり浮かびあがってきます。
もう何年も前の夏の夜のこと。
親友と2人で、近くにコンビニも民家もない、古い木造の宿に滞在。
そこで見つけた"星空を観るツアー"に参加したんです。
客は私たち2人だけ。
ガイドさんの運転でガタガタした一本道を通り、
ほどなくして車が停止しました。
街灯ひとつなく、あたり一面真っ暗です。
懐中電灯の明かりだけを頼りに笹藪の中を歩いていきます。
ガサガサ、ガサガサガサ。
かすかな物音にさえビクビクとしながら
ガイドさんにいざなわれる方向へとゆっくり進みました。
「こちらです」
立ち止まって、懐中電灯のスイッチを消し、見上げるとー
たくさんの星がまたたいていました。
天の川まで、くっきりと。
静寂の中、星々がぽろぽろとこぼれ落ちてきそうで、
手を伸ばせば届くと錯覚したほど近く感じました。
一体、どれくらいの時間、眺めていたことでしょう。
そんな美しい"星空" を頭に浮かべながら
こちら の作品を朗読&歌唱をしました。
HTBアナウンサーによる、Youtubeの朗読企画 聴く名作
絵本セラピストでもある森さやかアナ が
それぞれのアナウンサーに合うと思う作品を選んでくれています。
多くの歌手や俳優のみなさんに歌い継がれている星めぐりの歌は
音楽好きな宮沢賢治が作詞・作曲しました。
歌詞には星座の名前がいくつも散りばめられています。
故郷・岩手県花巻市の夜空から着想して紡いだのかもしれませんね。
もしよければ、眠れない夜や、穏やかな気持ちになりたい時に。
ゆったりと聴いてもらえると嬉しいです。
(歌は、情景を浮かべながら歌いましたが、緊張しました~ ><)
この収録を終えた帰り道。
買い物をしようと家の近所のお店に立ち寄ると。
あっ、これは・・・!!
歌手・元ちとせさんバージョンの
"星めぐりの歌"が流れていたんです。なんという偶然!!!
奄美民謡ならではの節に心地よさを感じながら
しみじみと聴き入っていたのでした。