ケモブレイン・タモブレイン 忘れっぽい、だるい・・・アフターキャンサー 矢方美紀さんも葛藤中  46歳、両側乳がんになりました68

検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。

 いつもお読みいただきありがとうございます。今回も前回に続きhttps://sodane.hokkaido.jp/column/202102020935000607.html

 CancerX の取材記です。After Cancer ~ 聞かせて!みんなの「がん、その後」~と題されたウェビナー。”アフターキャンサー”のテーマを取り入れるのは初めての試みだそうです。非常にいいなあと感じたセッションです。

登壇者決定告知スライドWCW2021_AfterCancer.jpg

 治療がひと段落しても後遺症が残り、リハビリが知られるようになってきた昨今。
リハビリ分野は人材育成もされているそうです。これからの分野、非常に期待したいです。

ケモブレイン・タモブレイン・・・あります!

 栗原 幸江さん(認定NPO法人マギーズ東京 理事/がん・感染症センター都立駒込病院緩和ケア科 公認心理士/心理療法士)
辻 哲也さん(慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室 教授/慶應義塾大学病院 腫瘍センター リハビリテーション部門 部門長)
矢方 美紀さん(タレント/声優)というメンバー。

 中でも心理療法士として緩和ケアの領域の声も聞いておられる女性、栗原さんのご発言がとても心に刺さりました。ご自身も10年前に子宮頸がんを患っておられるそうで医療者としても患者としても理解が深い方なんだと思いました。(お話してみたい、です。)ご存知の方も多いと思います、乳がんサバイバーの矢方美紀さんは『AYA世代を知ってほしい』と啓発の活動もしています。ご本人曰く、『薬飲んでるのを忘れがちになってしまうくらい生活が普通になってきているが、それでいいのか。いつ再発するかもわからないし、そことの葛藤をしつつ生活している。』と明かしていました。まさにアフターキャンサーを感じておられました。患者さんのインタビューからの事例共有があり、専門家のアドバイスを得られたのも今回のセッションのよい部分。

 私も悩んでいる、ホットフラッシュ、さらに抗がん剤治療をしている方はケモブレインなども大変だったとの多くの声。(最近はホルモン治療のタモキシフェンから、”タモブレイン”、、という言葉もあるようです。私もそうかも、、、)副作用・ホットフラッシュやケモブレインは先生によっては『気のせい』と流されることもあります。”あるんだよ”、ということを知ってもらうことが大切だなと感じました。
 リハビリの辻先生からのアドバイスは『タオルを持ち歩いたり、体重増えてしまうと汗が出やすくなるので体重維持を心掛けて、運動取り入れて』とのこと。『ストレスため込まないのも大事。心理状態が影響する。リラックスしたり、専門家に相談も必要。』『ケモブラインに限らず、がんにおける認知機能障害も、物忘れ、注意集中できないことも最近言われている。まれではないので私だけ、ではなくてみんなそう、と思っていい。あんまり認知されていないので。対処していく必要がある。』とお話が出ました。

 矢方さんが『治療始めた当時の当初は知識もなく、わからない。もともと強がりな性格で、強がっていた。自分が思っている不安、助けてほしいといわなくてはいけないと気持ちの変化があった。自分から語る、と癖がついてきた。ため込むことがなくなった。重い空気が楽になった。』と話されると栗原さんは大きくうなずいておられました。

 栗原さんの『この場なら話せるなという場所があると、楽になるもんだとなると。
着るものを調整したり、経験値が増えているのも自信になる。ペースは人それぞれ。』というアドバイスに肩の荷が下りてきた方もいたのではと思います。

CancerX AfterCancer_20210201.png

 同感だったのはだれしもが抱える『再発への不安』。1年後、2年後の不安。経過観察になったが、アフターじゃないと伝えたいという声が多く寄せられたそうです。

 栗原さんは『そこが周りと、自分との認識のギャップが出る。治療なくなってよかったね、と一番ギャップ。さらに、長丁場になってきてやっと終わったところで治療をしているうちは医療者との関わりもあって、常に”大丈夫感”を確認できるけれど
経過観察で”間があく”と調子がわからないときに不安になる。』さらに、他人だけではなく、自分自身も回復のイメージをよく描きがち。戻っていくには、自分の期待値とのギャップも含めて、『現実とのすり合わせをしつつ、経験を一つひとつ積み重ねていくこと』という言葉に共感しました。

 さらに、ズキっとした声は”公表して、周りの応援を得たりしている人がいると焦りと孤独を感じる。意味のあることをしたいのにできていないことが苦しい。
元気な人と比べると悲しい。” ここでも栗原さんが即答!『これがアフターキャンサーの大しけが出る領域。ありたい自分とのギャップを感じる。いつ嵐が来るかわからない!自分の大事なもの、優先順位これでよかったのか?と。嵐がいつ出るかは人による。3年目とかのひともいる。生きづらさを楽にするのも身体とココロはつながっているから、身体が楽になる何かをみつけて、楽だなと思うと余裕が生まれてきて、気持ちもよくなる。少し、充電ができたら、できることが生まれてきて、工夫次第。』というアドバイス。

 周囲の理解と伝え方も難しいという声には自分なりの工夫、この人だったらいえる、から伝える練習するのがよいそうです。私もそうですが、誰かに話していくうちに、あれ、想像以上にしんどかったんだ、と気が付いたり、誰にどう伝えたら応援団になってもらえるのか。職場環境をより仕事しやすくするために誰を動かせばいいのか。自分でコントロールできるといいんでしょう。

 『全部話す必要はないし、どの部分なら伝えられるか、は自分次第で全部言わなくてもいい』ので自分なりの方法を見つけるのが大事なことになりそうです。

 これらを受けて矢方さんは『かわいそう、つらかったでしょうと言われるが、言われることがつらい。価値観が違うと感じている。(再建なども調べた上でやらない選択をされています)自分が決めて、自分で考えて行動しなくてはと思った。』と話し、信念を通されたんだなと。

 栗原さんの言葉ですが、『弱音を吐いたり、SOSを出すことは勇気がいる。でもその勇気が他の人に届く。支えると支えられるが循環する』これはそうなるといいなあと思いました。

 ご紹介されたのは栗原さんがいらっしゃるマギーズ東京。私もものすごく興味があって、北海道にもあったらいいのにねと思っているのがこの”マギーズ東京”。
最後に電話・メールやオンラインでも相談を受け付けているそうです。
https://maggiestokyo.org/

 栗原さんの『影響を受けた人はどなたでも、どうぞご利用ください、という場所。出てくること、そのものも勇気ある一歩。ココロのマスクが外せる場所。感染対策でもオンラインで個別対応もしているのでお気軽に。』とおっしゃっていました。ちょっとつらいな、と思っている方はつながる場所で情報を取り入れていってほしいなと。

https://cancerx.jp/summit/wcw2021/

#CancerX #wcw2021 #WorldCancerWeek2021

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この記事を書いたのは

阿久津友紀

テレワーク×治療ということで・・・登壇します。
第3回に登壇します!

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「子育て」「介護」「治療」の3つのテーマについて、仕事を両立するためのテレワークについて、
中小企業でも実現可能な実施方法や労務管理を、専門家を交えながら、わかりやすく解説します。

[第1回]2月 7日(水)子育て 13:00~15:00
[第2回]2月14日(水)介護  13:00~15:00
[第3回]2月21日(水)治療 13:00~15:00 ★
※詳細は「チラシ」及び「テレワークポータルサイト」をご参照下さい。

【お申込み】
https://telework.mhlw.go.jp/support/seminer/


引き続きこちらも配信で2月3日より見ることができます!
お申込みお待ちしています。

Next Ribbon2024
「がんとともに生きる、寄り添う」

1月17日(水)

第2部 プログラム
司会:原元 美紀 氏(フリーアナウンサー)

18:30-18:35 挨拶
18:35-18:55 「自分らしく生きる~肺がんステージ4からの独立、出産~」
清水 公一 氏 (社会保険労務士事務所 Cancer Work-Life Balance代表)
18:55-19:15 「がんで働いちゃダメですか?~取材者から当事者に」
阿久津 友紀 氏 (北海道テレビ 東京支社編成業務部長)
19:15-19:35 「新たな患者サポートへの挑戦~治療後の生活も支えたい」
松浦 成昭 氏 (大阪国際がんセンター総長)
19:35-19:55 「 不妊治療か、がん治療か 46歳で出産した私の選択」
だいた ひかる 氏 (お笑い芸人)

オンライン配信 申し込みフォーム

https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11012609

『おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える(北海道新聞社刊)10月6日発売

おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える

日本癌治療学会 市民公開講座 9月23日(土)

https://www.jsco.or.jp/public/public_seminar/upcoming_seminar.html


「LINE特集 「失われる自分らしさ」。乳がんになった私たちの3年間。例え、心が折れそうでも…」
https://news.line.me/detail/oa-htbnews/bt2o2l9r6cfc

YouTubeで乳がんについて配信しています!

ピンクリボントーク【ホルモン治療の副作用と簡単ヨガ】 
https://youtu.be/gOOiLPH-n2I

温泉ソムリエも取得しました!

『アピアランスケアを考える』
https://youtu.be/3qVd1xXFvaU

ピンクリボントーク 患者と家族と社会 ~生きてくのに必要なコト~
アーカイブ配信:無料
https://youtu.be/PS4eJMy4GcY

第4弾の”がん患者さんとココロ” 北海道の斗南病院の精神科長で登録精神腫瘍医の上村先生に伺いました。アーカイブは
https://youtu.be/D-j4RrGSgkw

これまでの動画は・・・
【乳がん】おっぱい2つとってみた

HTBノンフィクション おっぱい2つとってみた
【2020年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組優秀賞受賞】
【2020年ギャラクシー賞 奨励賞】

HTBonデマンドで無料配信中!
https://www.hod.htb.co.jp/pg_nf/pg_id_nf006

テレメンタリー2020『おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~』年間最優秀賞 
ギャラクシー賞・選奨(報道活動部門)/民放連 放送と公共性 優秀賞
活動の一部は・・・
youtubeLIVEでピンクリボントーク① 見逃し配信中!
https://sciencefestival.jp/event/breast-cancer/

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