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星野源「創造」にワクワクが止まらない! <独創>へのリスペクトが生んだ最高のポップミュージック

 冒頭からテンションが高く申し訳ないが、星野源から届いた最新曲「創造」が兎にも角にも素晴らしい! まずはMVと共に楽しんで欲しい。

1、「こんなにも最⾼傑作だと⾔いたくなる曲は初めてです」

 上記は、星野源本人からのコメントから抜粋したものだが、その言葉にまったく違わない作品が誕生した。
 今作「創造」は、任天堂のゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』の35周年テーマソングとして制作されたものだ。既に本人が出演するTVCMでは楽曲の一部がオンエアされており、その短い時間の中でも最高のポップネスを放つメロディに加え、郷愁を掻き立てるゲームサウンドが!……この時点で胸が高鳴っていた。

2、星野源×任天堂=??

 多くのリスナーが待ち望む中、YouTubeにてプレミア公開された「創造」のMVは奥山由之監督を迎えて制作。スーパーマリオの世界とも同期するかのように、極彩色に場面をコロコロと変えながら、印象的なイエローの衣装を中心に、様々な表情とカラーを身に纏った星野が動き回る痛快な仕上がりとなっていた。
 そしてやはり楽曲が素晴らしい。世界に影響を与え続ける任天堂とのタッグということも影響したのか、英語詞から始まる同曲は「トップギアで爆⾛する、ヤバく楽しい曲を作りたい」という彼のコメント通り、目まぐるしく表情を変えながら約4分間を走り抜ける。
 昨今の80’sリバイバルを汲んだ、アフロビートを再解釈したようなリズムを基調に小気味よく進む中、随所に散りばめられた任天堂が生んだゲームのサウンドエフェクトにも耳が奪われる。ゲームキューブの起動音、歴代マリオシリーズのBGM……挙げればキリがないほどのオマージュとトリックの連続に、まるでゲームのステージを進める時のように好奇心が刺激され続けるのだ(是非、細かく耳を傾けて自分の原体験と結びつけてみて欲しい)。
 緻密に構築されたサウンドの上で自由自在に泳ぐのは、星野源だからこそ生み出せる全編フックの塊のようなメロディライン。楽曲のどこをどう切り取っても、世界基準かつ初体験のポップミュージックが鳴り響いている。まさに、圧巻の出来だ。

3、<独創>から「創造」へ

 星野源本人からのコメントの中にもあるように、今作の歌詞には彼の「ものづくりへの想い」が綴られている。

何か創り出そうぜ 非常識の提案

誰もいない場所から 直接に

独を創り出そうぜ そうさ YELLOW MAGIC

色褪せぬ 遊びを繰り返して

(星野源「創造」の歌詞より抜粋)

 任天堂という会社の根底にある<独創>という精神や、2015年まで代表取締役社長を務めた故・岩田聡氏のトレードマークでもあった<直接>というキーワードが垣間見えるサビの歌詞ーーこれは単なる受け売りなどではまったくなく、噓偽りのない星野源自身のものづくりに対する想いと、任天堂の根底にある精神が抜群のシナジーを生んだ結果、生まれた言葉に違いない。 
 直近の彼の歴史だけを紐解いても、世界レベルの音楽体験を日本中にもたらした『POP VIRUS』は間違いなく<独創>に溢れたものであり、コロナ禍に人々の心を温めた「うちで踊ろう」の発表は<直接>リスナーに寄り添う中で生まれたものであったはずだ。こんなにも、幸せな形のタイアップは過去に類を見ないだろう。新たな星野源の代表曲であり、世界に誇ることができる“YELLOW MAGIC”に是非貴方も出逢って欲しい。

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星野源 『創造』 2.17 OUT
(スーパーマリオブラザーズ35周年テーマソング)
各種プラットフォームにて配信中
https://jvcmusic.lnk.to/Souzou

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この記事を書いたのは

黒澤圭介

音専誌『MUSICA』/MASH A&Rなどを経て、現在は札幌在住。某メディアに所属しつつ、ライターも気ままに継続中。
音楽・映画(特にSF)・小説・珈琲・特定のラジオを好みます。
情報発信はこちらより。