検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。
3月14日~1週間はAYAウィーク。その初日に
AYA世代で乳がんにり患した方々と友人・会社の同僚でもある森さやかアナウンサー(ワークライフバランスコンサルタント)と一緒にお届けしたピンクリボントーク。
https://www.htb.co.jp/event/online_theater/program/20210216070107/
お聞き・ご覧いただいたみなさま、参加いただいたみなさんありがとうございました。
数回に分けて、その内容をお届けしようと思っています。
まず、皆さんはAYA世代という言葉皆さんご存知でしょうか?40歳未満でがんを患う方は年間2万人ほどおられます。白血病など乳がんに限りません。この世代に対する社会的、経済的な支援が非常に乏しいというのが問題になっています。
学生さんであれば学校。その後は、仕事そして、結婚、育児など女性にとっても色々なライフイベント等とちょうど重なる世代ともいえます。
詳しくは・・・https://ayaweek.jp/
(イベントでの資料も使用許可をいただきました)
今回のメンバーは
佐藤恵理さん、41歳
39歳でトリプルネガティブ乳癌と診断。
入院した病院で出会いました。シングルマザーで2人の男の子を育てながら抗がん剤治療。
ちょうどコロナの時期などとも重なり、抗がん剤期間は仕事を休んでいましたが、現在は仕事にも復帰しています。
沙希さん、33歳
30歳の時に乳がんと診断。
右乳房を全摘した後、太ももからの脂肪移植とインプラントで乳房を再建しています。
患者になった後、一念発起して乳がん患者向けヨガのインストラクターになりました
小学生の女の子のママです。
働けるがん患者が認知されておらず
就職活動で分厚い壁を感じた経験もお持ちです。
まどーんさん41歳
若年性乳がん患者のコミュニティ、ピンクリングのスタッフです。4年前、妊活中だった37歳の時に乳がんが発覚。ベースを弾くなど音楽活動の傍ら札幌の琴似地区などまちづくりプロジェクトに関わっています。温存手術のあと、放射線治療現在はホルモン治療をしながら、夫と猫一匹で暮らしています。
さらに、札幌フィメールクリニックの矢嶋彰子先生にもご参加いただきました。
矢嶋先生:『AYA世代だけが増えているわけではなく、がんにかかる方がとにかく増えている。AYA世代と言われているのは15歳から30代いっぱいの方なんですけどもそもそも学業を続けられるのか、あるいは仕事を続けられるのかそして今後のお子さんを持つことができるのか、たくさんのその世代特有の悩みがあると思うんですよね。』
皆さんも沢山あったんじゃないかなと思います。それぞれがそれぞれの状況で社会の壁を感じることが非常に多かったと聞いています。
恵理さん『私はやっぱりシングルマザーなので、やはりお金と入院中と治療中の子供のことがすごく不安でした。こういうたくさんの方が聞いているところで話すのは初めてなんですが
長男は ADHD 多動性衝動性障害というのを持っております。そういう障害を持っているのでさらに精神的な面でもすごく心配でした。
あとは、お金の面だったんですけども、手術して退院したあと、やっぱりお金の不安とかもあって、1週間で仕事復帰したんですね。時短ではあったんですけれども。(抗がん剤治療をしていたので)インフルエンザが流行りだす頃に何が怖いって、感染症にかかると肺炎などを起こしてしまう危険性があると言われ、その後コロナも流行り始めて結局6か月間仕事お休みしました。
私の働いている会社は福利厚生面がしっかりしていて、たまに耳にするような解雇などはなかったのですが、やはり6か月休むと収入はどんどん減っていって最終的には片手ほどのお金しか手元に来なかったんですよね。やっぱりそれでは生活できないという状況だったので、貯金をどんどん切り崩さなくてはいけない状態でした。
仕事と子育ての両立だけでもすごく大変なんですけれども、やっぱり治療をしながら仕事、
子育て中にやっぱり介護をしながら治療をされている方もいらっしゃいまして、私は家族のサポートがあったのでまだいい方なんですがそれでもやっぱり大変なんです。』
森『企業に聞きに行っても企業としてもどんな風にサポートしていいのかわからないということだったり、またがんといってもさまざまな種類があったり人によって、症状が異なるのでどんなサポートが必要なのか、多分会社側もよくわかっていない。
なので今恵理さんがお話しいただいたような
実際にどんなことで苦しんでいるのかどんなサポートが必要なのかっていうのもお互いにもっともっと話し合っていけたらより良くなっていくのかなと思います。それでもご苦労されてる方がとても多いのが現状ですよね。』
阿久津:『恵理さんはどんなサポートがあったらよかったなっていうふうに思いますか。今も必要だと思いますが。』
恵理さん:『やっぱりがんって言われるのはシングルマザーの方とか乳がんだけじゃないんですけど、シングルファーザーの方とかいっぱいいらっしゃると思う。
その時に、子供のことを相談できる場所だったりとか、例えば一時的に預かっていただいたりとか、一日じゃなくても数時間とかでも預かっていただけるような場所があったら。すごく寝ることすらができないこともあったんですよね。やっぱりそういうところがあったらちょっと気持ちがラクだったりとか、ちょっと体を休めたりなどできたのかなと思いますね。』
娘さんと一緒に参加してくださった、沙希さん。釧路から札幌にやってきて、ちょうど働き始めようというときに乳がんが発覚しました。
沙希さん:『働き始めて、そんな時に、”初めまして”と”自分ががんになりました”っていうことを両方伝えながら、ご挨拶をしなければいけない状況でそれが本当につらかったっていう思い出があります。』
『その時に周りのみんな、戸惑いますよね。やっぱりいきなりそんなことを言われたらどういう風に接していいんだろうっていう風に思わせてしまったと思いますし、自分も初めてのことだったので何ができますっていうことと言えなくて。どのように仕事をしていったらいいかっていうのがわからなくなってしまって。
しばらくは働かせていただいていましたがやっぱり初めての手術とか、その後の治療とか
副作用その付き合い方とか、自分の体が変わっていくのかっていうのもあって。
そうするとやっぱり周りも気付きますし、周りもどうしていいかわからないっていうところで自分で潰れていってしまった。
やっぱり一回辞めてみようっていうことでちょっとシングルマザーだったんですけれど、1回働くっていうこと自体を全部手放してみて自分の身体と子どもの状態とゆっくり向き合ってみようっていうチャレンジをしたんです。
その後、働きながら治療ができる仕事を探したんですが、面接を何回か受けてみて、やっぱり自分のこのがんっていうことを隠したほうがうまくいくのか、隠さずにオープンに伝えたほうがいいか迷いながら・・・。
やはり伝えるほうを選んだんですけどやはり皆さんちょっと迷うような表情されたり、何ができて何ができないのかっていうことをお伝えしても、やっぱり不安要素があるなというふうに扱われるのは仕方がないことだと思うんですよね。こちらとしては治療をしながらでも体調が良い時には元気で働けるよっていうことをお伝えしたかったんですけれど。』
『最終的には(リラクゼーションセラピスト)個人事業主の仕事を選択したんですけれども働きつつ、子供とも一緒に過ごす時間を持てているので今はいいのですが、やっぱり企業の方にもうちょっと理解してもらえる所があったらいいなって思いは持っています。』
一方、社長さんが退職を止めてくれたのがまどーんさんです。
まどーんさん:『当時、会社に所属しながらあの独立に向けて準備をしていてステップアップの時期にちょうど乳がんと言われまして。
たまたま私が入った組織があまり大きくなかったのも良かったのかもしれないんですけど退職するのをちょっと一回辞めて収入の面も、ちょっと怖かったのでそういう方向に。社長が話を聞いてくれたっていう経験がありますので、もしかしたら成功例なのかもしれないんですけど・・・。私は温存手術だったので放射線治療があって、手術の後に6週間、月から金まで通わなくてはいけなかったんですけども、それで朝は30分遅刻して会社に入って業務するっていうような形をとらなければいけなかったのです。
言わざるを得ないというような状況でそれで会社の中ではみんなに話していたんですけど、人によってはあの身内にがんを経験された方はいたとしても、やっぱり若いから進行が早いんじゃないかとか、私に直接言ってきたりですとか、やっぱりみんなに偏見みたいなのがまだあったりとかして、正しい情報が行き渡ってなくて。
あとは一緒にお仕事する社外の仲間の皆さんにも迷惑をおかけすると思ったので、先に言ったんですけどやっぱりそうなった場合に軽く空気が変わってしまったりとかするので、もう無理して隠していつも以上に元気に働いちゃうみたいなところが当時ありまして。
なので自分のキャリアアップの時期とも重なる、働く世代にガンになったりするとちょっと周りに隠して私のように無理をしがちな人がもしかしたら多いのかなぁと思ったりしています。』
【がんサバイバーの就労状況】
・がんと診断される人の3人に1人が、20歳から64歳までの就労可能年齢でがんを発症していて、がんを治療しながら働いている人は、およそ32.5万人いる。
・そのうち、8割の人が「がんと診断された後も働きたい」という意向があるという
調査結果もある。
・しかし、体力低下や勤務調整が難しいことなどを理由に依願退職・または解雇された人の割合が3割(これは、10年前と数字が同じ)
・現状では、まだまだ支援が十分であるとは言えない、ということ。
などが森アナウンサーから説明がありました。
なのでこれだけワークライフバランスだとか
ダイバーシティという言葉が叫ばれるようになった現場でもまだまだその支援というのが十分ではないというのがこうしたデータからも分かってきています。
解決策のひとつは声をあげる、こと。
YouTubeでアーカイブも配信しています。31日までは患者さんの声で生まれた温泉用のロングタオルも発売中です。
https://www.htb.co.jp/event/online_theater/program/20210216070107/
がんとともに、、、。
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決して1人ではありません。