大谷翔平選手に行った過去のインタビューから
世界のスーパースター“オオタニサーン”になる前の若き日々を振り返るこのコラム。
2016年、HTBで放送した特別番組「道なき道を-大谷翔平の現在地-」を制作した際にまとめてファイルの中から、
エピソードを紹介します。
今回は、ファイターズに在籍していた頃、チームメイトが大谷翔平の存在をどう捉えていたのか、を振り返ります。
まずは、一番近くで接してきたと言っても過言ではない、キャッチャーの大野奨太選手(現・中日)。
ファイターズ時代、大谷選手が登板する試合ではほぼスタメンマスクを被り、
2015年には最優秀バッテリー賞も受賞した大野選手からみた大谷翔平とは。
「野球、辞めようかなと思う。一人で野球やってるから。同じ舞台に立って野球やっているのが惨めになってくる(笑)」
「あまりに凄すぎて『こいつ凄いな』って思っちゃいます。一人で投げて、一人で打って、一人で走っているっていう感じが
目に見えるっていうのが、なんかすげーなーって思います」
と、ただただ感嘆したあと、“投手・大谷”については。
「あの阪神戦(2016年6月12日。7回を投げて被安打3、8奪三振の無失点)は物凄かったですね。
ほんとにもう…、やばいと思いました。
特にまっすぐ。球の質と、受けた感覚がすごかった。投げた瞬間に(ミットに)入ってくる感じ」
続いては、日本一に輝いた2016年、3番大谷のあとを打ち続けた4番バッター、中田翔選手。
「歳はだいぶ下(中田選手が5歳上)ですけど、かっこいいなと思いますし、
これが本当のプロ野球選手なんだなって思います」
「バッターとしても超一流ですよね。率も残せる、長打も打てる。その中でチームバッティングだったり、
色んなことにも対応効きますから。もうちょっとチャンスメイクしてもらいたかったっていうのはありますけどね。
そうしたらもう少し打点増えたんじゃないかと思いますけど」
最後のコメントは、冗談と本音が半分ずつ、といったところでしょうか。
ちなみにこのシーズン、中田選手は110打点をマークし、パ・リーグ打点王に輝いています。
“投手・大谷”を指導していた2016年当時の投手コーチ、吉井理人さんから見ると、
投げる技術は、まだまだ低かったようです。
「本当はこうしたいっていうフォームが彼の中にあって、それが10だとしたら半分も来ていないんじゃないですかね。
4ぐらいじゃないですか。まだまだいくと思いますよ。スピードとかそういうんじゃなくて、バッターをやっつける人として」
「投げる方はほんと、下手くそなんですけど、速い球を投げるっていう技術、関節の柔らかさであったり、
体重を前に乗せていくとか、そういうのはアマチュア時代から身に着けているので、
今度は、変化球をストライクからボールに投げたり、速い球を狙ったところに投げたり、
そういう所を鍛えていけば、もっともっと凄いピッチャーになると思います」
担当コーチからこれだけ未完成な部分を指摘されながらも、
このシーズン、投手としてベストナインに輝いているところに、
選手としてのスケールの大きさ、伸びしろの大きさを感じます。
最後は、打撃担当だった城石憲之コーチ。
ファイターズに在籍していた当時、どのくらいの練習量だったのかというと。
「ピッチャーの登板が入ってくると、週にバッティング練習をするのは…、投げる前日はないので、
3日ぐらいですかね。他の選手の半分ぐらいです」
そんな環境の中で、2016年は打率.322、ホームラン22本を記録し、
投手部門と同時に、指名打者部門でもベストナインを獲得しました。
「練習を見ていても、正直、あれだけの練習であれだけのバッティングをする選手は見たことがないですし、
それが全てじゃないですかね。(打者としての凄さは)スウィングのスピード、インパクトの強さ。
スウィングのスピードをボールに力としてちゃんと伝えるという意味では、日本に来たどんな外国人選手よりも凄いと思います」
「プロ野球に入ってくる選手ってみんなねぇ、アマチュアから素晴らしい選手が入ってきて、
そんな選手たちがどんだけの努力をして、どんだけの練習をしても到達できない所にあまり練習をしない翔平がいるっていう(笑)
正直ね、本当にそういうレベルなので。うちのバッターが翔平のバッティング練習を見て羨ましがっちゃうぐらいなので」
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