メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が、きょうの試合に2番ピッチャーで先発出場。
打席でヒットを打つことは出来なかったが、
投手としては、6イニングを投げて6奪三振。被安打4の1失点に抑え、
自己最多を更新する6勝目を挙げた。
6月から5連勝をマークし、まだおぼろげではあるが、二けた勝利も見えてきた。
というわけで、今回もこちら。
2016年、HTBで放送した特別番組「道なき道を-大谷翔平の現在地-」を制作した際にまとめてファイルの中から、
大谷選手がピッチャーについて語っていた部分を振り返る。
大谷選手がプロ4年目を終えた2016年オフのインタビュー。
ここまでのキャリアで一番思い出に残る試合を聞いてみた。
「思い出に残る試合ですか。それはやっぱり、リーグ優勝じゃないですか。
あれは一番、やっぱり嬉しかったですね」
大谷選手が挙げたのは、2016年9月28日のライオンズ戦。
この時、ファイターズは2試合を残して、優勝へのマジックを1としていた。
大谷にとっては、シーズン21試合目のマウンド。
しかし、それまでの20試合とは全く違う重圧を感じていた。
「(他の試合とは)全く違いましたね。140試合以上やってきて、そのラスト…。ホークスも競っていましたし、
ラスト10試合でいくつ勝つかで、130何試合やってきた結果が覆るかどうかっていうふうになると、
相当、先発ピッチャーにかかってきますし、最悪ゲームを作らなくてはいけないと誰しもがなるので、全然違いますね」
「出来ることなら投げたくなかったですけどね。投げたくない気持ちと、投げて決めたいっていう気持ち…半々くらいですね。
常に投げたくないですよ、先発の日は。3日前くらいからみんな、『先発の日くる…』みたいな感じです。ロッカーで」
「常に投げたくない」という程プレッシャーがかかる先発投手。そこに、優勝へのプレッシャーまで上乗せされた試合で、
大谷選手は、9回を僅か1安打に抑え、完封勝利でリーグ優勝を決めてみせた。
「シチュエーションがシチュエーションでしたしね、やっぱり。自分の投げる番で優勝決定試合が回ってきて、
高校の先輩(菊池雄星投手)が相手ピッチャーで、きょう勝てば優勝が決まりっていう。
それはやっぱり、決めないといけないなっていう感じでしたね」
「プレッシャーは、まぁまぁありましたけど、まだ逃げ道があったので。まだ次の試合に勝てば…。
残り2試合でうちが1個勝てば優勝だったので。
変な話、きょう負けてもあしたがある状態で、100分の1くらいの逃げ道を自分で作っていた。残りの99はプレッシャーでしたけど」
そしてこのマウンドは、“気持ちのコントロール”というそれまでの課題をクリアするきっかけにもなった。
「(気持ちのコントロールは)上手ではないんじゃないですか。勝ってきていないですし、去年(2015年)のプレミアとか。
僕自身、凄くプレッシャーのかかるマウンドだったので、
そこで結果を出すことで違って来るんじゃないかなというのもありましたし、そういう所での自信はついたんじゃないかなと思う」
完封で優勝を決めた試合を振り返って、当時の投手コーチ・吉井理人さん(現マリーンズ投手コーチ)はこんな言葉を残している。
「『すごいな』と思いました。一流のアスリートっていうのは、大きな舞台で力を発揮するんだなって。
マウンドでの気持ちのコントロールが上手いっていうか、『すごいな』と思いました。
集中とリラックスのバランスが良くて、いわゆるフロー状態、“ゾーン”っていうんですかね。
それを意識的に自分で出来ていたように見えたので、いやこれ『すごいな』っと。
火事場の馬鹿力ではなくって、意識的にそういう風にできてるんじゃないかなって見えたんで、『すごい』と思いました」
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