有名シェフらがおにぎりで医療従事者を激励 サウナの縁が生んだ十勝でのプロジェクト

 敬老の日の9月20日、北海道の十勝で有名シェフやサウナーら約30人がおにぎりづくりに汗をかきました。

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これは食で地域に貢献する「おにぎりプロジェクト」の一環です。水・米・塩でつくるシンプルな料理「おにぎり」を全国の酒蔵で地域の人と一緒につくり、医療従事者にふるまおうという活動です。

2人の有名シェフが企画


8回目となるプロジェクトに選んだのは帯広畜産大学のキャンバスにある酒蔵「碧雲蔵(へきうんぐら)」。上川大雪酒造(上川管内上川町)が酒造りをしています。

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企画したのはこのお二人。国内外で和牛事業を手掛ける「WAGYUMAFIA」の浜田寿人オーナーシェフ(44)。

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『WAGYUMAFIA』HPから

そして2019年シンガポールで開催された「世界のベストレストラン50」に選ばれた東京・南青山の名店『NARISAWA』の成澤由浩オーナーシェフ(52)です。

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『NARISAWA』オーナーシェフ 成澤 由浩さん

今年2月から毎月、富山・福島・鹿児島など全国7カ所でこのプロジェクトを実施しています。その8回目が北海道・帯広というわけです。

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サウナがつないだ縁

 今回なぜ北海道の十勝で行ったのか?実はWAGYUMAFIAの浜田シェフ、大のサウナ好き「サウナー」なんです。ここ北海道・十勝はサウナ検索サイト『サウナイキタイ』で帯広の『北海道ホテル』がサウナーが選ぶイキタイランキングで殿堂入りするなど、魅力的なサウナがあるエリアとして今注目を集めています。さらに十勝は畑作や酪農が盛んな一大農業地帯。食材にも事欠きません。そこで浜田シェフはサウナー仲間である北海道ホテル・林克彦社長におにぎりプロジェクトについて相談しました。

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北海道ホテル 取締役社長 林 克彦さん

林社長と浜田シェフにはご縁がありました。来年1月十勝の新得町で開催予定の氷点下の中で「湖の水風呂」に飛び込むサウナイベント『AVANTO37』。こちらで提供される「サウナ飯」の開発を浜田シェフに依頼していたのです。こうしてサウナを軸に交流を深めてきました。

「湖の水風呂」に飛び込んだ浜田さん

趣旨に共感した林社長は仲間らに呼びかけると、サウナ好きの経営者や生産者ら約30人が賛同。早朝6時から3時間、300個のおにぎりをにぎりました。サウナブームを牽引する「ととのえ親方」こと松尾大さんも札幌から駆けつけ、初めてのおにぎりづくりに汗をかきました。

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「ととのえ親方」 松尾 大さん

道産食材100%のおにぎりとは?

 参加者が握ったのはこちらの2種類のおにぎり。食材はすべて北海道産にこだわりました。

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 酒蔵の水で炊くのは北海道産のコメ。赤飯は十勝産の小豆を混ぜて炊きました。味付けには広尾産の塩。具材には幕別町産のとうもろこし。マッシュルーム。道産昆布の佃煮。極めつけは豆の卸「丸勝」が日本で唯一生産する高級豚・マンガリッツァ豚のベーコンを贅沢に使いました。

『NARISAWA』成澤由浩オーナーシェフ

「親しみのある食材ですけど、一味も二味も違った感じで仕上がっています」。

「食で人を元気にしたい」

午前10時半。300個のおにぎりは帯広の介護老人保健施設『アメニティ帯広』に無償で提供されました。コロナ禍で緊張を強いられている職員は心待ちにしていたといいます。

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アメニティ帯広・北畑良子施設長

「職員も職場だけじゃなく私生活の部分でもすごく慎重に生活してストレスが溜まっています。こういうねぎらいをいただけることが一番うれしいかなと思っております」

“食のプロが心を込めてつくるおにぎりを通して、医療従事者の方に感謝の気持ちを伝えたい。” 「おにぎりプロジェクト」の目的です。

WAGYUMAFIA浜田寿一オーナーシェフ

「少しでも僕らができることというのは。食を通じて人々を元気にすることだと思うんですよね。食づくり、おにぎりを握るという行為もそうですし。食材のすばらしさであるとか。握った人たちのキモチというものが少しでも伝わって。また世の中がカラフルな時代が戻ってくればいいと思っています」。

「おにぎりプロジェクト」の活動は#onigiriforloveでチェックできます。香港などASIAを中心に世界のシェフが運動に参加。その輪は世界に拡がり始めています。

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

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