いまだ”がん検診”受診率戻らず
コロナ渦のがん受診者の減少について、日本対がん協会の発表がありました。
全国の42支部中32支部に調査。(主に自治体検診)胃・肺・大腸・乳・子宮頸がん 各検診について調べたものです。
2018年・2019年・2020年で比較すると2020年は31%受診者減と顕著でした。2021年の上半期と比べるともちろん、回復しているのがわかります。しかし、2019年の水準までは17%減でまだ回復には遠い状況。ましてや早期発見のために受診率の向上も望まれる中ですので、心配なデータです。
次にどのくらいの方のがんが見つかっていないか、を推察します。
2017年のがんの診断人数をがん登録をもとに考えると5つのがん(胃・肺・大腸・乳・子宮頸がん)に絞ると57万7千人。このうち検診で見つかっているのががん種によって違いはありますが、だいたい20%とすると、11万5千人程度は見つかっている計算。
そこで、仮に今年前半のように受診が1~2割減っているとすると1万~2万人の人が本来見つかるはずなのにがんが見つかっていない人、という試算となります。
実際にコロナ渦の影響はどうなのかは現在、全国の500の病院に2019年から2020年度の比較をがんの進行期など含め、がん診療への影響を調査中だということです。
すでに、英国やオーストラリアでは影響が出ているというデータがあります。いずれにしても進行して見つかる可能性も高いことから、検診は先延ばししないようにしていただければと思います。
お便りです。
40代の女性から
『乳がんを宣告されたばかりです。まだ受け入れることが出来ず様々な悪い事ばかりが頭から離れません。家族、お金、仕事、次から次へとマイナスな事しか頭に浮かばず告知されてから楽しくありません。どこかで前向きに切り替わるのでしょうか?』
心中お察し申し上げます。告知された瞬間から手術までの間が一番精神的にしんどかった、と私も振り返るとそう思います。今も前向きになれているわけではないのですが、歩けるようになったというところでしょうか。
精神科医の先生にお話を伺った回があります。https://sodane.hokkaido.jp/column/202108052015001231.html
がん患者さんのこころのつらさは2つにわけられると斗南病院の上村先生はおっしゃいます。
『不安』と『気持ちの落ち込み』です。
上村先生『”不安”は基本的にはこれからどうなるかってことに対する不安で”気持ちの落ち込み”とは何かを失ったことによって起きる気持ちの落ち込みのこと。この二つを上手く解消していくことが、不安とうまく対処するための方法という風に思っています。』
不安や落ち込みは自然な反応でがんだとわかって、心が不安や恐れでいっぱいになってしまう人は多いと思います。それで何もやる気が出なかったり、踏み出せなかったり、生活に支障が出るケースも珍しくありません。がんにかかった時の不安や落ち込みは、とくに心が弱いから生じるというものではないそうです。自然な心の反応として多くの人にあらわれるもの。だからこそ、すぐに頑張らないことも大事。一つ一つ、慣れていくことが一歩なのではないかと思います。これからを知ることも大事な一歩かもしれません。
ココロがつらいときはつらいというだけで専門医に吐露するだけでも違うかもしれません。告知の瞬間から緩和ケアも始められます。想像以上に選ばねばならないことが多い私たち・・・。ひとりではありません。
25日(土)午後6時からは『ピンクリボントーク ”がん防災”』です。
"乳がん経験者が語る『やっておけばよかった』こと日本人では2人にひとりががんになる時代。
しかもその3人にひとりは現役・就労世代なのです。もしものために備えたい!”がん防災”検診・保険・仕事・そしてココロの問題 考えます!乳腺外科の先生に心の持ちようも含めてお尋ねします。
https://www.htb.co.jp/matsuri/
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決して1人ではありません。