日本初!大学構内の酒蔵が2年目の“挑戦” 十勝『碧雲蔵』で酒の仕込み開始

北海道十勝の『帯広畜産大学』には日本で唯一、大学の構内に酒蔵があります。『上川大雪酒造』(上川管内上川町)が運営する『碧雲蔵(へきうんぐら)』です。昨年、食の宝庫・十勝での地酒造りと日本酒文化を担う人材育成を目的にオープンしました。

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今月2日、酒蔵2年目としては初めての酒の仕込みが始まりました。

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原料の酒米は北海道名寄産の酒米『彗星(すいせい)』。この日は264キロの蒸米を、発酵タンクに投入。酒造り一筋25年・帯広畜産大の客員教授でもある川端慎治総杜氏(そうとうじ)の指導の元、女性スタッフ6人が丁寧に黙々と仕込み作業を行っていました。

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タンクは2千リットル。酒蔵の地下水と麹(こうじ)と酒米を、酒造りの職人「蔵人」になって2年目の女性スタッフが、温度が約8℃になるように慎重にかつ力強くまぜていきます。

720ml換算で2000本の日本酒がこの樽で出来上がります。20日以上発酵させて、まずは絞りたての純米酒が11月下旬には完成。その後、本醸造、純米吟醸、純米大吟醸、大吟醸と5種類の地酒が出そろう予定だそうです。

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上川大雪酒造・川端慎治総杜氏

「お酒が飲めない人でも『美味しい』と思ってもらえるお酒づくりをしています。日本酒は原材料がデリケートなので。それに合わせたデリケートな作業になります。2シーズン目なので色々(成果と課題が)見えてきました」

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「デリケートな原料を丁寧に扱う」

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蒸された酒米を試食させていただきました。その印象は…できたてのお米のいい香り、やや硬めに炊いた食感。ご飯としてもそのままままいただける旨みに大変驚きました。原料はたしかに、デリケートです。

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上川大雪酒造は小規模な酒蔵で、丁寧な酒造りが信条です。蔵人(くらびと)の採用を始めたところ。残ったのがたまたま女性ばかりになったそうです。デリケートな原料を相手に丁寧な作業を粘り強く続ける素養が必要なことと、無関係ではなさそうです。

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酒づくりは「人づくり」から!

酒造りは特殊な業種でかつては「男の仕事」とされてきたと川端総杜氏は昔を振り返ります。蒸米の重い桶を自力で発酵タンクに運ぶ、仕込みの間の半年は無休で週半分は泊まりが当たり前、技術は見て盗むものだと教えられてきたそうなんです。

川端慎治総杜氏

「根性論が通じない時代。華奢な女性でも力仕事ができるように機械を買ったり。限られた人数の中、2人のスタッフで分業ができるようにするなど工夫はしています」

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小規模のメリットを活かし、『碧雲蔵』ではどの価格帯のお酒も同じように力を入れてつくっています。飲む人を選ばないその味わいは、酒づくりを担う若手の育成にも時間を惜しまぬ川端総杜氏の「人づくり」に対する情熱にも支えられているんだなぁと感じました。

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

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