抗がん剤治療に通う私にタクシーの運転手『それって子供産めないんでしょ』 両側乳がんになりました128

大腸がんサバイバーさん、うさこさんと乳がん患者のまどーんさんと一緒にアピアランスケア、見た目問題を皆で考えましょうということでYouTubeライブを行いました。
その模様をお届けします。

https://youtu.be/3qVd1xXFvaU

うさこさんは、2019年に大腸がんステージ4と診断。3度の手術を得て患部の摘出に成功されて、いま経過観察中。

抗がん剤の治療されているときにベッドの上にいてもどこでもいけるという風に思いたち、メタバースの世界に興味をもたれて2年。アバターでの参加です。

今までのピンクリボントークは乳がん患者さんとお話することがすごく多かったのですが、他のがん患者さんと話したいと思い立ちました。もちろんその部位によっても違うのですが共通の悩みがあることに気づいたこともあります。再発とか転移への不安もそうですが、見た目問題もその一つです。

まずは大腸がんについても聞きました。

(大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。早期の段階では自覚症状はほとんどなく、進行すると症状が出ることが多くなります。症状としては、血便(便に血が混じる)、下血(腸からの出血により赤または赤黒い便が出る、便の表面に血液が付着する)、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少などがあります。*がん情報サービスより)

大腸がんの兆候は・・下血で気づいた

うさこさん『体調がずっと悪かったんです。病院にいくつかいったのですが、すでに下血してたんですけど見過ごされていて。血液検査上も問題はないと。私ぐらいの年齢だったらがんはまずないよって言われて。その後、体調大きく崩して札幌に帰って精密検査してみたらと言われたら、まあ、見事なまでにもうすでに進んでいたっていうのを告知されたという形でした。』

自覚症状がありながらの見つからず、という中、突然の告知は驚いた、といいます。
北海道がんセンターの方に即日入院して、手術。

手術前に、ストーマ(人工肛門)をつけるかつけないかは手術してみないとわからない、半分半分。念のためにストーマのルートやストーマの扱いなどについての説明を受けました。ペンで場所やルートを書かれたそうです。乳がんもペンで切る位置を書かれますが同じ、ですね。

一回目の手術。起きたらストーマがついていなかったことに感謝したといいます。しかし、病理検査後に転移していることがわかりました。ステージ4ということになります。転移場所は肝臓、でした。がんは肝臓全体に広がっていました。

先生からは、抗がん剤後の手術を勧められました。

うさこさん『ワンチャンス、ワンチャンあれば、患部を片方ずつ切ればもしかしたらっていうことで・・・。抗がん剤の治療を限界までやるっていう選択肢を先生が選ばれたのでそれについていって、まずは患部を小さくするのを狙いました。』

2回目の手術は抗がん剤用のポートの埋め込み。その後は2週間に一回の抗がん剤治療に通うことに。抗がん剤治療は通院が基本になっています。

うさこさん『びっくりしたのが、抗がん剤治療を始めると歩けなくなるんですよね。体力・脚力が落ちて、私の家って今、4階にあるんですけどエレベーターなしの4階。上がるのに10分ぐらいかかることも平気であった。タクシー呼んでタクシーじゃないと通えないって感じになったので、運転手さんにはお世話になりました。』

手伝ってくださる、おもんぱかってくださる運転手さんもいる中で心無い言葉をかけられたことも。

うさこさん『 若いのに大変だねえ、は枕詞のように当たり前に言われるんですけど、すごい優しい言葉で、頑張ってねって言ってくださる方もいらっしゃるんですけど。それだともう子供産めなくなるんでしょとか言われたりとか普通にありました。』

『さらにそのぐらいの時期から、自分の見た目の変化にかなり絶望しました。私の場合は顔とか皮膚とかに全部ブツブツとか出るタイプで赤くなっちゃったりとか、色素沈着もあったんで体真っ黒になっちゃったりとか。もうそれで髪の毛も抜けました。外に出るのがとにかく嫌になっちゃって親戚に会うのももうちょっと憚られるかなーみたいな。身近な人にもお見舞いはなるべく控えてほしいという旨を伝えて。』

『人と話す機会がほぼゼロになったんでそれが一番凹んで、孤独感は強かったですね。まあ、やっぱ私だけなんでっていうふうに思っちゃうときは正直ありました。色々考えてた時に外の人と話す手段の一つとしてこうやってアバターっていうのがあるらしいということを知ったんですよね。ここからでした。』

メタバース・VRな世界に入ってみた

肩書・性別・年齢・国籍いずれも問わないメタバースの世界。
うさこさん最初は、病気のことは何も伝えずVTuberとしてアバターでお話したりしていました。

しかし、最終的に自分がまた再発して何かあったとしたら、その存在が生きた証しとしてキャラクターを残せるのではないかという考えが至ったそうです。

唯一無二に近い体験。VTuberの業界を知らない人にも、逆にVTuberの業界の若い人が多いから若くて無理しちゃう人のためにそういう話をした方がいいよと知り合った人にアドバイスを受けたことからYouTube配信で話すことに。その配信はかなり再生されています。


現実社会でも結局そのメタバースの社会でも基本的に言いづらいことはある。全部言う必要もなし、そうする必要もない。でも本当のところを聞きたいと思っている人はいらっしゃる。

自分は言えないんだけど誰かの体験を聞くことでプラスになると思っているかたもたくさんいると私も思います。

助かったのは院内の薬剤師さんだった

家族の助けもありましたが、抗がん剤などでメンタルも苦しく、皮膚などの副作用も厳しいおり、話を聞いてくれたのが院内の薬剤師さん。薬の知識も豊富でよく相談にのってもらっていたそうです。皮膚が乾燥しないように乾燥ケア用保湿クリームの塗り方からステロイドの使用法などのアドバイスまで。うまくそういった医療者に頼る、ということも大事なことではないかと思います。

特に手のしびれや末端神経への副作用が強くでる抗がん剤のとき、目が見えなくなる、という体験もされました。抗がん剤をなんとか乗り越え、3回目に肝臓を半分切除、その再生を待って、4回目でもう半分を切除し、現在は経過観察をしているうさこさん。

うさこさん『元に戻ったとは思ってないですね、まったく。その元になる前と後ではものの考え方とかそれこそ生きること死ぬことっていうものに対しての捉え方は全然変わったので。生まれ変わってるという認識です。』

『髪が伸びてきて、顔のブツブツがだんだん引いてきてギリギリメイクで隠せるかぐらいになった時がターニングポイントでした。』

即手術、即抗がん剤、という治療であらかじめウイッグを用意する準備ができなかったうさこさん。そんな余裕がなかったと振り返ります。

うさこさん『私のお友達で難病指定された病気でずっと治療されていらっしゃる方がいて医療用のウィック譲ってくれてその気の回らなかった部分に、対応策があるって言うのを知り始めてからちょっと気が楽になりました。がん保険入ってた人と入ってなかった人でウィッグの差があったりしますよね・・・。』

まどーんさん『患者仲間の情報交換で、あのメーカーいいよ、とか前髪だけのウイッグだったら自分の髪で作れるのがとかあったりとかみんないろいろ情報を持ってたり、ウイッグのケアの仕方もうすごく結構大変だったりするしいろいろ聞きますねー。ウィッグの話は盛り上がってますね。』

一方でどこに髪を切りにいったらいいかわからない。普通の美容室いったらびっくりされるのではないか。患者さんの思いは複雑なのです。

うさこさん『伸びてきて抗がん剤の影響で、髪の毛ってちゃんとした髪の毛じゃなくてかなりチリチリの変な髪の毛で伸びてくるじゃないですか。この髪の毛の状態をちゃんと笑わないで切ってくれるとこはどこなんだろうと思って・・・。普通のところに行くことがもうノーマルな生活に戻る一番、自分のやれることだっていうふうに思って』

まどーんさん『アピアランスケアの資格を持ってたりとかアピアランスケアに対応する美容室の検索をできるサイトがあってそこを当たって見てみたんですけど札幌には1軒あるかないかぐらいで。』

うさこさん『ツイッターで知り合った美容師さんがいらっしゃったんですけどその店はすごく良くして下さったんですよ。でも行くのにちょっと足を伸ばさなきゃいけなかったんで家の近くでないかなと行ってみたんですけど・・・思うような対応をしていただけなかったんで ”ああそっかごめんね、困らせたねー”ってことはありました。』

私たちは困らしたねって思わなくていいと思うのですが、やはり気遣っちゃう、私たち。なんとなく後ろめたいというか変な気分になるんです。

(※アピアランスケアに重きを置くご紹介した小樽の美容室はこちら

https://sodane.hokkaido.jp/column/202111261127001579.html )

そう思わない安らげる場所、存在が必要です。

ぶっちゃけ死んでもいいと思っていた

うさこさん『口内炎がすごかった。それの対策で一応塩水でうがいする薬ももらってたんですけど、それでもできるからしゃべれないしご飯食べれないし。食べられるのはそうめんですよね、素麺。豆腐とかスープとか固形物入ってないスープとかなら飲めたんで。

そもそも大腸が完全につながって胃腸の機能が元に戻るまではあんまりご飯って食べちゃいけなくてかなり言われてたんで食べるものも制限かかっていました。その時は病院から処方されてた栄養剤を飲んで生きながらえるみたいな。

いよいろ体重もガッツリ落ちちゃったんでええやろうと思って、家族と相談して、看護師さんとも相談してもう食べたくないっていうときにカロリーとらなきゃない時って、もうお菓子とか食べていいですかって聞いたんですよ。”もういいです、何でも食べましょう”って言われて。食べなさいって言われてわかりましたって言ってポテチ食べました。。』

うさこさん『私、その病気になる前は正直ぶっちゃけた話、まあいつ死んでもいいかなって思ってたんですよ。今生きてても楽しくないしいいあって思ってたんですよ。家族もちょっとバラバラになったり、恋愛もうまくいかないし、仕事もしんどいし、もう嫌やと思ってたんですけど、死ぬかもしれないっていう現実を目の前にバンって突きつけられた瞬間に死にたくないって思っちゃったんですよ。

ああ、私、生きたいたいんかと思って・・・。それで生きるって言うことに対してちょっと前向きに捉えられるようにはなりました。』

まどーんさん『全く同じです。なんで私はそんなこと言ってたんだろうっていう、、もう生きるんだ、生きれてラッキーみたいな風に変わったんで周りの人も何か突然吹っ切れて何か楽しそうになったよねーと言われます。乳がん手術して目覚めた時。麻酔から覚めたとき、めちゃくちゃ気持ちよくって』

私の場合は翌朝の一口目のおかゆだったんですが、生きてるなと思った瞬間。みなそれぞれです。

うさこさん『私は病院から治療終わったって言われた時かなぁ。治療が完全に終わるとは知らず、常に再発の恐怖とが完治しなそうと最初から言われてたんで、1回目の手術とか2回目の手術でもね、全然なんかがんばれる気がしなかったんですよ。最後に数値が(腫瘍マーカー)いい感じになって、正常値になった瞬間です。』


『それこそ一番最初の時にあなたは若いから大丈夫よとがんなどありえないとか言われたけどでもそのときにもうちょっと詳しく調べてくれる人がいたらとかもっと早くわかってればうまくいったかもしれないし、でも札幌に帰ってきたからこその今の先生方に会えたのかもしれないし、それはもうわからないって感じです。』


うさこさんのその考え方、すごい大事な考え方です。治療してるときにこれが正しいのか正しくないのかっていうのをやっぱり迷うことがたくさんあってその時にも今がタイミングなんだからっていうのを私の主治医はよくいいます。

両側見つかった、でも1年前に見つかったら、もしかすると左だけ見つかって、右は見つからなかったかもしれないじゃないかとか。右にもできてきている運命だったわけだから、それでも誰にも予見できないし、避けられないわけで。同時両側って、初発と再発一緒に来てるじゃん、と重苦しくなる気持ちをなんとか納得させて腹落ちさせてその治療に向かうのが重要でした。

うさこさんもとてもたくさんの量の抗がん剤のパンフレットを医師から渡されました。しんどいけど確率が上がる治療法、楽だけどとても時間がかかる可能性がある治療法。今までのエビデンスから考えると治療しても効果がない可能性もある、と緩和に入る道もある、と。

専門知識がないから選べない。それでもこれがよさそうな気がする、と話したところ、医師もそう思っていた、と治療が決まったそうです。

一緒にお母さんもいらしたそうですが、ああいう風にして逆によかったのかもしれないと話したといいます。

うさこさん『先生に決められたことをしたのではなくて、自分で選んだ目でこれをしたんだよっていうのがあるから、あれでよかったんじゃないって話すときはあります。』

そのためにやっぱり患者力って大事です。

メタバースな世界で生きてみた

『自分の世界とリンクするとは思ってなかったんですけど治療の後半・抗がん剤終わりぐらいの頃からVRゴーグルをかぶると知らんとこに行けるらしいぞ。ファンタジーな空間に行けるぞっていうのを知ってもしかしたらこの世でなくなってしまうかもしれないから、寝たまま旅したいなぁみたいな感じだったんですよね。』


がん患者さんに限らず何かの事情があって移動がしづらい
障害を持っておられたりとかそういう方にとっても、自分が旅したい場所に旅できる。

そこにいるかのような疑似体験できるっていう未来あるなと思います。うさこさんもこの世界に期待しています。

うさこさん『寝たきりになって働けなくなってしまった人を救済する、分身ロボットもあります。OriHimeって名前だったと思います。カフェでロボットのまま、寝たきりの人が接客できるっていうもの。あのVRの世界でもコントローラーで移動はできるので、ちゃんとお話ができればアバターの姿のまんまでVR上でお仕事ができるっていう世界が今できつつあるんです。バーチャルの世界でお仕事をして、変わらないお給料をもらえる世界もすぐだと思う。』


がんや障害を持つ方にとって大切なのはやはり、社会との接点。きちんと自分が社会の一員だよと思えること。がんになっても別に旅行も何も諦めなくてもいい、なりたい自分になろうと思っていいのです。


うさこさん『外見の変化が本当に大きいですね。自分の中でやっぱり自分の姿って100%好きではなくて当然で嫌いなところの方が多い自分だったので。抗がん剤治療しても、身体の変化がある。そういった意味でもテンションは上がりますよね。』

見た目も何も気にしなくても傷つかない社会が一番だけれども、それを前提にしなくていい社会もある。新しい選択肢。リアルとバーチャルを組み合わせてみんなが生きやすい社会になるためには、、を深く考えさせられました。

次回はVRの世界に入って、バーチャルの世界の中の温泉宿に旅して・・・うさこさんにご案内いただいて、入浴してみようと思います。

【参加者】

★まどーんさん 42歳

札幌市在住のベース弾き。音楽活動の傍ら、札幌市琴似地区をはじめ道内のまちづくりプロジェクトに関わる。また、NPOの事務局長として雪氷冷熱エネルギーの理解促進に励む。2017年妊活中であった37歳の時に乳がんが発覚。左乳房部分切除、放射線治療を経て現在はホルモン治療をしながら夫・猫1匹と暮らす。サバイバーの生きにくさに疑問を感じ、世の中のがんに対するイメージを変えることをテーマに地道に活動を続ける。 http://muneco.jp/

★うさこさん 

マルチメディアクリエイター&占い師。 Vtuber 華月エアリの運営も行っている。 https://youtu.be/OGO8FJSCSBA

Twitter https://twitter.com/bluemoonairy​​

2019年に大腸がんステージ4と診断され、3度の手術を経て奇跡的に患部摘出に成功し、現在経過観察中。抗がん剤治療時に体が全く動かなくなったのを機に、ベッドの上でも旅行が出来ると聞いてメタバース世界に興味を持つ。 現在はメタバース内でのアバターワークやイベント出演等精力的に活動を行っている。

がんとともに、、、。

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決して1人ではありません。

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この記事を書いたのは

阿久津友紀

ピンクリボントーク 『アピアランスケアを考える』

https://youtu.be/3qVd1xXFvaU

ピンクリボントーク 患者と家族と社会 ~生きてくのに必要なコト~
アーカイブ配信:無料
https://youtu.be/PS4eJMy4GcY

第4弾の”がん患者さんとココロ” 北海道の斗南病院の精神科長で登録精神腫瘍医の上村先生に伺いました。アーカイブは
https://youtu.be/D-j4RrGSgkw

テレメンタリー2020『おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~』年間最優秀賞 
ギャラクシー賞・選奨(報道活動部門)/民放連 放送と公共性 優秀賞

これまでの動画は・・・
【乳がん】おっぱい2つとってみた

”まま・ここっと”さんの連載、”伝えたい、乳がんのはなし。”
https://chuco.co.jp/modules/mama/index.php?content_id=8


HTBノンフィクション おっぱい2つとってみた
【2020年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組優秀賞受賞】
【2020年ギャラクシー賞 奨励賞】
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