「最高やった!!」パラリンピック‐パラスノーボーダー・岡本圭司-
北京で開催されているパラリンピック、
スノーボードクロスで8位入賞を果たした、岡本圭司選手。40歳。
■世界を舞台に活躍
22歳でスノーボードを始めた岡本選手は、すぐに、その魅力にとりつかれます。
特に、大きなジャンプ台を滑り降り、空中での技を競う「ビッグエア」という競技では
世界のトップライダーが集まる大会で入賞を果たすなど、
日本を代表するスノーボーダーとして活躍。
20年以上の歴史を持つHTB(北海道テレビ)のスノーボード番組「ノーマターボード」では
MCも務めていました。
■人生を変えたアクシデント
アクシデントが岡本選手を襲ったのは、33歳の時。
動画の撮影中に崖から転落。脊髄を損傷。
医師からは「一生、車いすの生活になる」と宣告されました。
それでも、妻・純子さんの支え。
懸命なリハビリ。
「もう一度スノーボードがしたい」という強い気持ちが
岡本選手の足を回復させていきました。
事故から1年以上が経った、2016年。
岡本選手の姿は、雪山にありました。
ふらつく足元。
それでも確かに、
一度はあきらめかけた雪の上に、もう一度立つことができました。
岡本選手 「滑ったー!気持ちいい!最高!」
妻・純子さん「涙でたわ久しぶりに…」
■新たな競技に打ち込む
岡本選手の下半身には、いまだマヒが残っています。
そんな中で出会ったのが「スノーボードクロス」という競技でした。
複数の選手が同時に、障害物があるコースを滑って順位を競う
「スノーボードクロス」。
接触や転倒は日常茶飯事で「雪上の格闘技」とも呼ばれています。
岡本選手 「完全になめてましたね、最初は。いい勝負できるかなとか勝てるかなとか思ってたん
ですけど、全然そんな甘いもんじゃなくて、全敗しました。
負けたくないっていう気持ちが、ほんとに怪我をしてから初めて感じられたので、勝負
の楽しさを思い出させてくれた」
「障がい者でも活躍できる場があることにすごく感謝してて、気が付いたらパラリンピッ
クを目指したいっていうところまで来ていた」
本格的に競技に打ち込んだ岡本選手は、
昨シーズン(2020-2021)W杯で総合チャンピオンに輝くなど成長を遂げ、
初めてのパラリンピック代表の座をつかみました。
岡本選手「自分が脊髄を損傷して人生が変わったときから7年が経つんですけど、ここに至るまで
凄く辛いことであったり、色んな大変なことがあったので、それをいい思い出にという
か、これが明るい未来につながるように、精一杯いい滑りが出来たらなと思ってます」
■レースを終えて
スノーボードクロス、準決勝1組目のレースを4位で終えた岡本選手。
決勝進出はならなかったが、
インタビューエリアでは終始笑顔。5分間という短い時間で、一つの言葉を10回も繰り返した。
岡本選手 「最高!最高や!最高やったすねー!」
そこには確かに、岡本選手が語っていた通りの“明るい未来”を感じさせる
言葉と笑顔があふれていた。
12日にはもう1種目、バンクドスラロームが控えている。
そのレースを終えた後も、岡本選手はきっと同じ言葉を繰り返すだろうと思う。
「最高!最高やったすねー!」
岡本圭司の復帰までを追った『NO MATTER BOARD 2015-2016 season #23「Back On The Snowboard」』はこちらから!
https://www.hod.htb.co.jp/pg_nb/pg_en_nb005