次の誰かのためにと綴っています。
久しぶりに会った方に必ず聞かれる言葉。『体調どう?』。
心遣いはとてもうれしいのですが、実は答えに悩みます。どうとられるか、、を自分の中で無意識に考えてしまうから。
取引先や上席には『全然大丈夫ですう。。。ありがとうございます』。
近しい友人には『関節痛結構あったり、頭がぼーっとすることもあるけど大丈夫』。
親には心配かけたくないので『問題ない、大丈夫。想定の範囲内。』
夫には・・・『眠い。だるい。先に寝る(笑)。』
同病の友人には『(事細かに・・・グチ。)タモキシフェンのせいか、ホットフラッシュとコールドフラッシュが交互にくるよ。関節にもエストロゲンってあるので、エストロゲンブロックしていれば、それは痛いはずだわ。最近、眠りが浅いけど、なんか方法ある?』などなど。
あんまり心配かけると何かに響くかもしれない、と思ってしまう。自分だけで抱えると、過剰に疲れますし、自分だけじゃないかと不安にさいなまれます。なのでだれかに言える、ということが大事なのかもしれないなあと思うのです。
みなさんからの声届いています
49歳女性
『今週で50歳になります。昨年、乳癌と診断され、今はパクリタキセルという抗がん剤治療中です。 先日、休薬中は職場へ復帰させてほしいと話しました。答えはNo。
理由はコロナ禍もあるので先ずは病気を治して、そんな感じでした。癌はいつ治りましたって言えるのだろう?病気の人と共存してはもらえないのでしょうか?今は職場との間に分厚い壁が出来てしまったと感じています。
もし復帰できたとしても、私の方にわだかまりが残り、辛くなる気がします。乳癌の私でも新たな職場を探す事は出来るでしょうか。不安ばかりです。』
ご自身で抗がん剤のサイクルに慣れられて、復帰したいのに、というところですね。先日も友人たちといつ治りましたなんだろうね、という話をしたばかり。がんについての理解が低いとこうした回答になりがち、です。
抗がん剤治療がひと段落ついたら、可能なのか?と目安を聞いてみることをお勧めします。そして、可能ならば、自分の体調のぺースを書いた紙などを提示して、このスパンならいけるんだ、と伝えてみてはと思います。友人もこれで理解をしてもらったそうです。伝えても理解してくださらないようであれば、次を探すのも選択肢。自分だけで悩んでしまうとつらくなるので、周りの方にも考えてもらうことがいいかなと思います。(とても大変な作業であるとは思いますが応援しています。)最後は辞めても、逃げてもいいと思うんです。でも自分だけで悩んで落ち込むのは辞めて、爪痕、、といいますがその問題に直面する『関係人口』を増やすことが次につながるのではないかと考えています。敵もいますが、味方もいらっしゃると思います。
逆もまた、ある・・・
47歳女性
『昨年末乳がん手術しました。職場では乳がんになった方がいなくて、情報もほとんどなく、手術したら1ヶ月で職場に戻れるだろうと言われました。
私も勉強して情報収集して、会社へ説明しています。これから放射線治療ですがやはり、理解が今ひとつで仕事しながら通ってほしいとか、痛みは続くから我慢しろとか、精神的に参ってます。
本当にやめて治療に専念したい。うつになりそうです。病院のがん相談センターに話しても聞いてくれるだけ。あとは自分の意志次第。
40代の働き世代では我慢して、仕事をしないといけないかと思うと悲しいです。もっと会社でも理解してほしいです。』
こちらの例は配慮不足、、ですよね。放射線治療の場合は1か月間通いますが、照射は5分から10分で仕事をしながらも可能だと言われています。でもその後の副作用などはその方によって違いますので働きたい、と思える方とそうでない方がいらっしゃいます。仕事を続けることも、治療に専念することもどちらも選択肢です。ただすぐ辞めてしまわずに、雇用保険や制度など利用できるものは活用していただきたいなと思います。
働きたい人は働ける、休みたいと思う人はきちんと守られる。
乳がんもひとりひとりタイプも治療法も違いますし、副作用も人によって出方が違います。だからこそ、その人にあわせた対応が必要。社会の理解がやはり、必要です。事業者側も悩んでいるとよく聞きます。知らないから判断もできないし、前例がない・・・。どうしたらいいのかわからないから、対応が進まないのが現状。これではいつまでたっても解決しません。
更新されたばかりの厚生労働省が作成した、がんなどの病と向き合う方の両立支援のためのガイドラインです。ぜひ事業者の方に届いてほしい。
今回、メールをいただいたお二人の事業者の方にぜひ、読んでいただきたい、そしてよりよい解決に向かってほしい、そう心から思います。
事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(全体版)令和4年3月改訂版
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000912019.pdf
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