「休んでほしい」「治療しながらフルで働いて」どっちでも悩むがん患者 両側乳がんになりました141

次の誰かのためにと綴っています。

久しぶりに会った方に必ず聞かれる言葉。『体調どう?』。

心遣いはとてもうれしいのですが、実は答えに悩みます。どうとられるか、、を自分の中で無意識に考えてしまうから。

取引先や上席には『全然大丈夫ですう。。。ありがとうございます』。

近しい友人には『関節痛結構あったり、頭がぼーっとすることもあるけど大丈夫』。

親には心配かけたくないので『問題ない、大丈夫。想定の範囲内。』

夫には・・・『眠い。だるい。先に寝る(笑)。』

同病の友人には『(事細かに・・・グチ。)タモキシフェンのせいか、ホットフラッシュとコールドフラッシュが交互にくるよ。関節にもエストロゲンってあるので、エストロゲンブロックしていれば、それは痛いはずだわ。最近、眠りが浅いけど、なんか方法ある?』などなど。

あんまり心配かけると何かに響くかもしれない、と思ってしまう。自分だけで抱えると、過剰に疲れますし、自分だけじゃないかと不安にさいなまれます。なのでだれかに言える、ということが大事なのかもしれないなあと思うのです。

みなさんからの声届いています

49歳女性
『今週で50歳になります。昨年、乳癌と診断され、今はパクリタキセルという抗がん剤治療中です。 先日、休薬中は職場へ復帰させてほしいと話しました。答えはNo。

理由はコロナ禍もあるので先ずは病気を治して、そんな感じでした。癌はいつ治りましたって言えるのだろう?病気の人と共存してはもらえないのでしょうか?今は職場との間に分厚い壁が出来てしまったと感じています。

もし復帰できたとしても、私の方にわだかまりが残り、辛くなる気がします。乳癌の私でも新たな職場を探す事は出来るでしょうか。不安ばかりです。』

ご自身で抗がん剤のサイクルに慣れられて、復帰したいのに、というところですね。先日も友人たちといつ治りましたなんだろうね、という話をしたばかり。がんについての理解が低いとこうした回答になりがち、です。

抗がん剤治療がひと段落ついたら、可能なのか?と目安を聞いてみることをお勧めします。そして、可能ならば、自分の体調のぺースを書いた紙などを提示して、このスパンならいけるんだ、と伝えてみてはと思います。友人もこれで理解をしてもらったそうです。伝えても理解してくださらないようであれば、次を探すのも選択肢。自分だけで悩んでしまうとつらくなるので、周りの方にも考えてもらうことがいいかなと思います。(とても大変な作業であるとは思いますが応援しています。)最後は辞めても、逃げてもいいと思うんです。でも自分だけで悩んで落ち込むのは辞めて、爪痕、、といいますがその問題に直面する『関係人口』を増やすことが次につながるのではないかと考えています。敵もいますが、味方もいらっしゃると思います。

逆もまた、ある・・・

47歳女性

『昨年末乳がん手術しました。職場では乳がんになった方がいなくて、情報もほとんどなく、手術したら1ヶ月で職場に戻れるだろうと言われました。

私も勉強して情報収集して、会社へ説明しています。これから放射線治療ですがやはり、理解が今ひとつで仕事しながら通ってほしいとか、痛みは続くから我慢しろとか、精神的に参ってます。

本当にやめて治療に専念したい。うつになりそうです。病院のがん相談センターに話しても聞いてくれるだけ。あとは自分の意志次第。

40代の働き世代では我慢して、仕事をしないといけないかと思うと悲しいです。もっと会社でも理解してほしいです。』

こちらの例は配慮不足、、ですよね。放射線治療の場合は1か月間通いますが、照射は5分から10分で仕事をしながらも可能だと言われています。でもその後の副作用などはその方によって違いますので働きたい、と思える方とそうでない方がいらっしゃいます。仕事を続けることも、治療に専念することもどちらも選択肢です。ただすぐ辞めてしまわずに、雇用保険や制度など利用できるものは活用していただきたいなと思います。

働きたい人は働ける、休みたいと思う人はきちんと守られる。

乳がんもひとりひとりタイプも治療法も違いますし、副作用も人によって出方が違います。だからこそ、その人にあわせた対応が必要。社会の理解がやはり、必要です。事業者側も悩んでいるとよく聞きます。知らないから判断もできないし、前例がない・・・。どうしたらいいのかわからないから、対応が進まないのが現状。これではいつまでたっても解決しません。

更新されたばかりの厚生労働省が作成した、がんなどの病と向き合う方の両立支援のためのガイドラインです。ぜひ事業者の方に届いてほしい。

今回、メールをいただいたお二人の事業者の方にぜひ、読んでいただきたい、そしてよりよい解決に向かってほしい、そう心から思います。

事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(全体版)令和4年3月改訂版

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000912019.pdf

がんとともに、、、。

番組、SODANEへのご感想、ご意見お聞かせください。
番組制作、今後のイベント、SODANEなどで活用させていただきます。
がんとともに生きる方、ご家族を持つ方、そうでなくても、もちろん、どんなことでも、構いません。
決して1人ではありません。

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この記事を書いたのは

阿久津友紀

テレワーク×治療ということで・・・登壇します。
第3回に登壇します!

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「子育て」「介護」「治療」の3つのテーマについて、仕事を両立するためのテレワークについて、
中小企業でも実現可能な実施方法や労務管理を、専門家を交えながら、わかりやすく解説します。

[第1回]2月 7日(水)子育て 13:00~15:00
[第2回]2月14日(水)介護  13:00~15:00
[第3回]2月21日(水)治療 13:00~15:00 ★
※詳細は「チラシ」及び「テレワークポータルサイト」をご参照下さい。

【お申込み】
https://telework.mhlw.go.jp/support/seminer/


引き続きこちらも配信で2月3日より見ることができます!
お申込みお待ちしています。

Next Ribbon2024
「がんとともに生きる、寄り添う」

1月17日(水)

第2部 プログラム
司会:原元 美紀 氏(フリーアナウンサー)

18:30-18:35 挨拶
18:35-18:55 「自分らしく生きる~肺がんステージ4からの独立、出産~」
清水 公一 氏 (社会保険労務士事務所 Cancer Work-Life Balance代表)
18:55-19:15 「がんで働いちゃダメですか?~取材者から当事者に」
阿久津 友紀 氏 (北海道テレビ 東京支社編成業務部長)
19:15-19:35 「新たな患者サポートへの挑戦~治療後の生活も支えたい」
松浦 成昭 氏 (大阪国際がんセンター総長)
19:35-19:55 「 不妊治療か、がん治療か 46歳で出産した私の選択」
だいた ひかる 氏 (お笑い芸人)

オンライン配信 申し込みフォーム

https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11012609

『おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える(北海道新聞社刊)10月6日発売

おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える

日本癌治療学会 市民公開講座 9月23日(土)

https://www.jsco.or.jp/public/public_seminar/upcoming_seminar.html


「LINE特集 「失われる自分らしさ」。乳がんになった私たちの3年間。例え、心が折れそうでも…」
https://news.line.me/detail/oa-htbnews/bt2o2l9r6cfc

YouTubeで乳がんについて配信しています!

ピンクリボントーク【ホルモン治療の副作用と簡単ヨガ】 
https://youtu.be/gOOiLPH-n2I

温泉ソムリエも取得しました!

『アピアランスケアを考える』
https://youtu.be/3qVd1xXFvaU

ピンクリボントーク 患者と家族と社会 ~生きてくのに必要なコト~
アーカイブ配信:無料
https://youtu.be/PS4eJMy4GcY

第4弾の”がん患者さんとココロ” 北海道の斗南病院の精神科長で登録精神腫瘍医の上村先生に伺いました。アーカイブは
https://youtu.be/D-j4RrGSgkw

これまでの動画は・・・
【乳がん】おっぱい2つとってみた

HTBノンフィクション おっぱい2つとってみた
【2020年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組優秀賞受賞】
【2020年ギャラクシー賞 奨励賞】

HTBonデマンドで無料配信中!
https://www.hod.htb.co.jp/pg_nf/pg_id_nf006

テレメンタリー2020『おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~』年間最優秀賞 
ギャラクシー賞・選奨(報道活動部門)/民放連 放送と公共性 優秀賞
活動の一部は・・・
youtubeLIVEでピンクリボントーク① 見逃し配信中!
https://sciencefestival.jp/event/breast-cancer/

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