口に含んだら「これ小樽だね!」という日本酒を目指したい | 北海道内の造り酒屋協働プロジェクト「北酒」に参加した田中酒造の思い

北海道の造り酒屋が横断的に参加する画期的な「北酒」という取り組み。

参加する各社が知恵や技術を持ち寄り、それぞれの個性や特徴に磨きをかけていこうという協働プロジェクトです。

この「北酒」に参加する小樽の老舗「田中酒造」さんが、このプロジェクトにかける思いを語ってくれました。

ついに動き出した「北酒」のプロジェクト。一番はじめにわたしども田中酒造がトライさせて頂きましたので少しその辺りのお話をさせていただきます。

今回の「北酒」のコンセプトであるミズナラ樽で熟成させた日本酒づくりに賛同したのは2点。

ひとつは田中酒造が目指している社会貢献・地域貢献という目線を意識して、地域の方々に寄り添いながら酒づくりをいかに進めて行くか、地域の特産品がいかに地元のチカラになれるかを長いあいだ、追い求めてきたという想い。

もう一つが、ご縁があって幌延町のミズナラの木樽で熟成させた新たな日本酒造りの機会に恵まれ、結果「スモーキー」というお酒を誕生させた経験。

この2つがあり、わたしどもの企業理念ともいえる地域貢献、地域活性に少しでもお役立てられればという考えから「北酒」づくりにトライしました。

田中酒造亀甲蔵_外観(1.43M).jpg

幌延町のミズナラの木樽と出会った時はどんな日本酒が出来るのだろう、ウヰスキーやワインとは違い日本酒をミズナラの木樽で熟成するという概念など無い中、試行錯誤を繰り返しました。

しかし「確信」は無かったのですが「自信」はありました。

鏡開き等に登場する「菰樽(こもだる)」。菰樽から飲む日本酒は何故かいつもより美味しいという話をよく聞きます。

芳醇な木の香りがお酒と一緒に口に入るあの幸福感…そこにピンと来ました。

ただ「自信」を「確信」に変えるには多くの時間を費やすことになります。ウヰスキーやワインのように「長期間」の熟成が日本酒には必要は無いのでは?純米原酒にどうやって、またどれくらいの時間、木の香りを移していけばよいのか?

その塩梅がポイントでした。

試行錯誤の結果、木の香ばしさがふわりと漂う日本酒が誕生、出来上がった「スモーキー」を口にして、今まで望んでいた理念に少し近づけた気がしました。

そう、全国に数えきれない程ある日本酒の中で、口に入れた瞬間「あ~これは、あのお酒だ」とはっきりわかるお酒はどれくらいあるでしょう。

一つの蔵の銘柄や造り酒屋自身のブランドアップという観点の話ではなく、お酒から北海道の米や水、そして地域の文化を感じるものがどれくらいあるのだろうと長年持ち続けてきた漠然とした理想が現実になった瞬間でもありました。

亀甲蔵試飲.jpg

少しスモーキーな日本酒は、うちのお酒だと誰もがわかってくれる。

うちも沢山の種類の日本酒を造っていますのでこのスモーキーを主流にしていくという話ではありません。わたしの「想い描く理想」がひとつわかりやすい形で具現化されたのだと考えています。

話題の「北酒」づくりにも「スモーキー」の経験が大きく活きています。

田中酒造が取り組んだ「北酒」は北海道のお米と小樽の水でできた純米酒の「北酒」です。道産のミズナラ木樽で熟成させた「北酒」は間違いなく独自性が強く、誰もが他の日本酒との違いを実感できます。

DSC_4861.JPG

多くの日本酒を試して頂いて、その中で自分に合ったお酒のファンになる。

日本酒全体の消費のためにもきっかけを作ることは大変大事な観点であり「北酒」の話題性もその大きな役割を担って行くと思います。

「北酒」のように口にしたお酒が田中酒造のものだとわかる酒づくりは永遠のテーマでありとても大事なピースです。

現状に決して満足することなく、引き続き小樽や北海道をさらに感じてもらえる美味しい日本酒を造っていきたいと思います。

田中酒造株式会社  代表取締役社長 田中 一良

「真の北海道テロワール」を目指し、世界を見据える「北酒」プロジェクト。

「北酒」プロジェクトは現在、第二蔵目として国稀酒造さんの製品販売中。

さらに三蔵目は旭川の高砂酒造さんが取り組みを進めています。

北酒のお求めは、お問合せはサビーナプレミアムショップまで

SABINA premium shop (STORES)

https://sabina-premium.stores.jp/

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

SODANE編集部です。
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