畑でととのう!「トラックのサウナ」
畑のど真ん中にあるそのサウナは…野菜の実りを感じてととのう「トラックのサウナ」だったっす!
昔畑作で活躍したトラックの荷台に完成したサ室は…わずかな木漏れ日とストーブの火だけが灯る漆黒のサウナで。
ドアを開ければ…でっかい太陽がお出迎え!
歴史を感じる五右衛門風呂の水風呂で体を冷やして、リクライニングで休憩すれば…山並みが観音像に見える!?
大地の恵みでととのったっす!パンダ・リーっす。
北海道「十勝とやま農場」
お邪魔したサウナがあるのは、北海道帯広市美栄(びえい)地区の『十勝とやま農場』っす。
(🄫十勝とやま農場)
敷地の大きさは東京ドームの7.5倍の35ヘクタール。「健康な土づくり」にこだわりながら、じゃがいも、かぼちゃ、豆、小麦などを生産されていやす。
(©十勝とやま農場)
100年続く十勝とやま農場の農場主は外山隆祥(たかよし)さん。
(©十勝とやま農場)
4代目の外山さんは本業の傍ら、2016年にゲストハウスを開業。ファームステイ(農泊)を通して国内外から訪れる人たちに農業の魅力を伝えてきやした。
「ファームトラック サウナプロジェクト」
十勝の「農家さん」はサウナ愛がハンパないっす!牧場や農場で、極上の「ファームサウナ」が続々誕生していやす。2年前の2020年にテントサウナを購入した外山さんもその一人。農泊事業の延長で、畑と山脈を臨むテントサウナ体験を「ファームサウナ」として夏と冬に試験的に実施。さすれば利用者から「ポテンシャルあると思うよ」など賞賛の声が続々上がりやした。
(©十勝とやま農場)
「ここでサウナを展開することで拡がる可能性は高い!」
自身のサウナ愛も高まる中で、好きが高じて、本格的なサウナをつくろうとプロジェクトを立ち上げたっす。その名は「ファームトラック サウナプロジェクト」。農業の魅力を伝えようと《1970年代の十勝の農場の雰囲気を復刻させたサウナづくり》をしようと思い立ちやす。
舞台は畑。主役は50年前に収穫した小麦などを積むのに活躍し“Vキャンター”の愛称で親しまれたトラック『三菱ふそうキャンター』。1973年から78年まで製造された3代目っす。
(©十勝とやま農場)
この旧車のトラックを往年の姿に戻すレストアに着手。外山家の新たな挑戦が始まりやした。
(©十勝とやま農場)
さらに木の柱を設けて、段々形にしていきました。
(©十勝とやま農場)
手掛けたのは、大樹町で箕輪厚介編集長が主催した『サウナランドフェスin大樹町』でもテントサウナを提供した弟の晶浩さん。無茶苦茶器用っすよねぇ~。
(©十勝とやま農場)
そして、その壮大な夢の完成予定図はこちら!
(©十勝とやま農場)
左から「宿泊棟」。真ん中の「休憩棟」はダイニングスペース、シャワー、トイレに脱衣室などがあり。真ん中にはこれは…水風呂にととのいスペースっすねぇ。
そして右にはすでに完成して今回体験する「Vキャンターのトラックサウナ」!
(©十勝とやま農場)
その中は、とってもプリミティブな雰囲気のサウナっす。
(©十勝とやま農場)
そして外気浴で眺める景色は…こんな感じ!
(©十勝とやま農場)
Woh!You’re naked and so TOTONOTTA!! 全裸で畑でととのう~~~♪ じ、実際は水着着用っす(笑)
あわせてサウナの華・白樺の苗木の植樹をスタート。畑の淵を流れる川沿いに560メートルの白樺並木をつくる試みっす。完成予定は30年後の2050年!夢のプロジェクトはいよいよサクラダファミリアばりの大きな話になってきやした。
クラファンに挑戦!
壮大な夢を実現するにはどうすればいいか…。外山さんはクラファンに挑戦することを決めます。
さすれば!ガチサウナーや地域のあとおしで、見事に目標額を上回る約230万円を募ることに成功しやした。
(©十勝とやま農場)
「カンノンサウナ」を体験!
外山さんの想いが詰まった夢のファームトラックサウナの名前は「カンノンサウナ」。畑の向こうの山並み『日高山脈』の姿が観音像に似ていることから、外山さんの母上らは「十勝観音」と呼んでいたことが由来だそうっす。サウナでととのったあとに見れば…ありがたさが増すこと間違いないとか!
夏至の「炎つなぎ」
ということで、早速カンノンサウナを体験させていただきやした。お邪魔したのは夏至の頃。「炎(ほむら)つなぎ」と題したイベントに参加しやした。早朝4時から晩まで守人(ゲスト)が薪をくべて炎をつなぎ、一年で日が一番長い夏至に感謝して豊穣を祈るイベントっす。
(©十勝とやま農場)
パンダ・リーは3番目午前8時の回に、サウナ友達のカズピロパイセンとカズ―トラベルのお二人と3人での参戦ざんす。
そしてこちらがファームサウナの柱、「Vキャンターのトラックサウナ」!こ、この幌の中がサウナっすか??
いやぁ、斬新ざんす。そのそばには年代もののトラクターがありますねぇ~。米国製『マッセイファーガソン135』というそうっす。製造は1971年。きれいにお色直しされていやす♪
さぁさぁ、まずは前の回の方とエールを交換。
(©十勝とやま農場)
ワクワクしながら、いざサウナへ♪
極上「Vキャンターのサウナ」
そのサウナの入り口はVキャンターの荷台の上にありやした。
では、失礼しやす~。お~、立派!立派なサ室ざんす!
(©十勝とやま農場)
画像では撮影のためにドアを開けた状態なので明るいですが。実際の灯りはドアの上のほうに設けられた小さな丸窓からの木漏れ日とストーブの炎だけ。おのずと心が落ち着きます…。ひな壇は二段。二段目に座りやす。
で、想像していたより熱いっ!湿度もしっかり♪その熱源はエストニア製『HUUM(フーム)』社製の薪ストーブ。
(©十勝とやま農場)
石がストーブを囲む独特な曲線美。座りで4人、熱波師入れたら5人程度のサ室にはやや大き目のサウナ専用ストーブざんす。外山さんがロウリュを施してくれやした。
♪ジュジュジュジュジュジュ
ア、アチッ!HUUMのストーブ、パワフルざんすね~。サ室の板もいい匂いっす。たぶん温度は80℃前後。ロウリュの熱波をじっくり味わえるタイプの贅沢なサ室ざんす。暗がりで、10分程度じっくりじっくり蒸されやした。
では、いざ下界へ…。お~、生き返った!!十勝のでっかい太陽がお出迎え!!く~っ、なんだろうこの感覚w
なんだか山奥の洞穴で長きに渡り座禅修行してから下界に戻ったよな充実感!まさにマインドフルネス(笑)
(©十勝とやま農場)
五右衛門風呂の水風呂
で、サウナ横の水シャワーへ。キモチイイっす♪からのその横には年代ものの「五右衛門風呂」。
では失礼して…。壺のような五右衛門風呂から顔だけ出しやす。お~、爽やか♪目の前の景色は畑とでっかい空!なんだかキモチが満たされてきやすね~。
畑と十勝観音でととのう!
からの、Vキャンターの荷台かステップを足早に降りると…インフィニティチェアがばっちり完備!わがままボディに滴る水を拭き拭き。おもむろにインフィニティに身をゆだねやす…。
ん~、おだやかなひととき♪目を開ければ…目の前はグリーンのタペストリーのようなじゃがいも畑。
空を見上げると青い空と…おぉ、た、たしかに山並みが観音像っぽく見えるざんす!
野菜を元気に育む畑は、人も元気にするありがた~い「カンノンサウナ」だったっす~。
最後は次の組に炎をつないで。2時間あまりのサ活を満喫ざんす!
(©十勝とやま農場)
体験者の感想
カズピロパイセン
「気軽に海外に行けない昨今、タイバンコクのワットポーの涅槃仏にも似た山脈を眺めながらととのうと、気分はニルヴァーナ(笑)」
カズ―トラベルさん
最高でした♪ 最初はトラックの中?コンテナ?なんて 思って入りましたが、入るとびっくり! 音のない素晴らしい空間でした! サウナストーンにロウリュウすると ジワーと音と共に蒸気がサ室内に広がりました!長ーく入れるサウナでした! 水シャワーからの日高山脈•観音ビュー、そして土の匂いを感じながらまったりゆったり十勝を感じられるサウナです!
外山さんインタビュー
―サ室のコンセプトは?
「最初はパノラマの景観を楽しんでもらうために色々考えていたんですけど。どうも窓が熱欠損を起こす。『熱のロスを結構起こすよ。温度上がらないよ。』ということを聞いたりしたんで。窓を最小限にして。サウナの中ではロウリュの音とか。蒸気の包まれる感じとかを体感してもらって汗をかいてと」
(©十勝とやま農場)
―木のいい匂いは?
「中はカラマツの木材を使ったんです。十勝産の。カラマツは吸湿が大きいのであんまりサウナ向きでは…。成長が早いわりに歪んじゃったりして結構扱いずらいんですよね。サウナ室向けではないんですけど。道産の木材を使いたいなっていうことでカラマツの木材を使いました」
(©十勝とやま農場)
―とても立派な「ファームトラックサウナ」っす
「ここまでの施設まで進むとは最初は思ってなかったんですけど。多くのゲストが夕方来て、泊まって朝に帰る。夕方の前に来て過ごすこととか。朝起きてサウナ入ってレイトチェックアウトするみたいな。もうちょっと滞在型にしてあげたら。十勝の見方がまた少し変わるんじゃないかなと思ってですね。それでまあ『やろうか』という感じになりました」
―日高山脈、たしかに「カンノン」に見えたっす!
「この微妙な角度でそれっぽく見えるという感じです。この辺の人たちが呼んでて。『日高おろし』といわれるぐらいすごい強い風が吹いてきたり。恩恵も受けるし、自然の脅威も感じるみたいな。やっぱり仏さんみたいな存在ではあるんですけど(笑)
ここから見えるそのアタマと。胸、おなかみたいに見えるねってことで。うちの母親が勝手に十勝観音ということで広めてたんですよね。箱としてそれをもうちょっとPRしたら。日高の国立公園化も進んでいるので。行って楽しむというか、見て楽しむ日高山脈という感じで。ここからの農村風景を楽しんでいただければと」
(©十勝とやま農場)
―「頭」はどのあたりっすか?
「頭のところが岩内岳ですね。十勝ポロシリ岳と山が並んでいるんです。観音様を今回あらためて調べたんですけど。観音様は仏様というより『悟りを開こうとしている者たち』『修行している身の方』を観音というらしくて。じゃぁサウナで汗をかいて。苦行をして(笑)まぁ悟りを開けるように皆で頑張ろうみたいな(笑)」
―今回の「炎つなぎ」は?
「今回夏至の炎つなぎということで。ゲストが2時間ずつ交代でサウナに入って蒸されて。またバトンタッチして。夕暮れまでサウナの火が熱され続けると言った感じなんですけど。太陽の恵みというかですね。農業に欠かせない要因ですね。水なり、太陽の熱なり光なりがないと作物はとれませんので。夏至という日が長い日にこういうのがあったらと。思い付きですね。
建設中の休憩棟を見てもらう事で、泊りにきてもらったり。体験をしてもらう事でSNS等の画面上で見たよりも印象が変わるのかなぁと。来やすい場所に変わるのかなぁと。次回は冬至にもやったら面白いかな。ミッドナイトサウナ。逆ヴァージョンをやったら面白いかと思っています」
―ここまでのサウナを作られた。やはり農業の魅力を広めたいと?
「食に関心のある方はみずから足を運んで来られたりしますけど。様々な意識の方がいますよね。消費者の方と言っても農業や農村の事は全然知らないとか。食料も値上げ値上げとなっていますけど、サ旅でたまたま来たところで。食とか農業とか、十勝のことに触れる。サウナに来たはずなのにこういうところがあるんだって知ってもらう。関心を持ち始めてほしいなと。農場見学もやっているので。もっと深く知りたい方はそういう案内をしています。入口として、宿泊だったりサウナを考えてます」
『カンノンサウナ』は8月のグランドオープンに向けて「休憩棟」などを絶賛建築中っす。
(©十勝とやま農場)
今月の土日はすでに宿泊予約が一杯で。クラファン参加者を中心に8月以降も予約が土日に集中するようざんす。畑の様子は秋より今が見頃かも!ぜひ~。
ちなみに旧車好きとしてちょっち気になってたんすけど…。1971年製造の米『マッセイファーガソン135』のエンジンはまだ動くそうっす!さらに、サウナ完備のファームトラック『三菱ふそうキャンター』通称“Vキャンター”。こちらもエンジンは…バリバリ動くそうざんす‼これサウナFESに登場したらヤバイいっすねぇ~。逆にファームトラックの展示会にサウナトラックとして登場するのもおもしろいかもっ(笑)。
『カンノンサウナ』(十勝とやま農場)
〇住所:北海道 帯広市 美栄町西6線128番地
〇アクセス:帯広駅から車で30分 とかち帯広空港から車で20分
〇営業時間:前日までの完全予約制。10時〜、13時〜、16時〜の2.5時間
〇料金 日帰り2.5時間 1名様3300円。※ビエイ宿泊者は1名様8100円。夕方・朝方のいずれか3時間程度
〇定休日:事前予約制。宿泊者がいる場合は宿泊者優先。まずはお気軽にインスタやTwitterのDMでご相談を。
☆Instagram『カンノンサウナ』
https://www.instagram.com/kannon_sauna/
☆Twitter『カンノンサウナ』
https://twitter.com/BieiandRoute55
☆『十勝とやま農場」HP