報道記者が作るニュース生配信番組

HTB報道部では、4月から金曜日の夜に不定期で「北海道ニュース24weekend」という番組を始めました。これは「HTBニュース」のYouTubeチャンネルを活用した生配信番組で、普段の放送では伝えきれなかった取材の裏話や記者の解説はもちろん、最近では専門家に生解説いただくなど独自コンテンツをお届けしています。7月15日の配信には、埼玉県出身で趣味が乗馬の土屋まりアナウンサーと、旭川出身で日本酒大好きな立田祥久記者が出演。なんとフルマラソンの自己ベストが2時間38分だという立田記者は、この日直前まで取材活動に…放送開始5分前ギリギリに走ってスタジオに駆け付けてくれました

上がり続ける物価　一体いつまで続くの？？

今回のテーマは終わったばかりの参議院議員選挙でも大きな争点となった物価高についてです。北海学園大学経済学部の大貝健二准教授とリモート中継を結び、物価高が一体いつまで続くのか、給料はなぜ上がらないのかについて議論しました。

北海学園大学経済学部・大貝健二准教授：研究テーマは「地域経済の活性化」

毎日お弁当を作ってきているという立田記者。この日の美味しそうなお弁当も値上げの嵐。のりにハムにマヨネーズ、ハンバーグの豚肉や牛肉、豆腐などの大豆製品もあらゆるものが値上がりしています。大貝准教授は様々な物の値段が値上がりしている背景には、ロシアによるウクライナ侵攻と円安が大きな要因だと分析。「日本は食料だけでなく肥料や家畜のエサなど多くを輸入に依存していて、その結果輸入価格が上昇すると最終的な価格にも全て影響している」と語っています。参院選取材では農家の取材にも行った立田記者。1年間の肥料代が600万円から1000万円に上がったという農家の現状を目の当たりにしたといいます。

ある日の立田記者のお弁当

参院選でも大きな争点に　補助金？減税？？

参院選でも大きな争点になった物価高への対策。北海道選挙区で当選した3人も補助金や減税など様々な対策を訴えていました。しかし、訴えるだけはなく、本当にそれが実現するのか、そして意味のある対策なのかが重要になってきます。大貝准教授は「物価上昇が短期で終わるのかどうかを考えると非常に怪しい。補助金や減税をやっても一過性の効果しかないことも考えられる。円安がいつまで続くかも分からず、今後も長期的目線を持っておくことが必要なのでは」と解説しました。本当にこういった政策が実現可能なのかという土屋アナウンサーの問いかけには、「実現可能かどうかと言えば実現してほしいなとは思う。一市民としても去年の冬から電気代も高く、札幌市内はドカ雪でガソリン代・灯油代も上乗せになったので実情に見合う形で実現してほしい」と語りました。

北海道選挙区　当選者の訴え

そして、つい先日札幌市が物価高対策として打ち出した「18歳までの子供がいる世帯に対して1人あたり1万円支給」と「全ての家庭の２か月分の上水道の基本料金およそ２９００円を減額」という2つの方針についても話が及びました。これらの対策について5人のお子さんを育てる大貝准教授は、「ありがたいが、やっぱり短期的でその場しのぎのような動きに見えるのが本音」と語り、来年の春に予定されている市長選挙に３期連続の就任を目指して出馬する意向が報じられた秋元市長のパフォーマンスに見えなくもないと鋭く解説しました。

給料はなんで上がらないの？？

10年前から給料の水準が上がらないと言われている日本。主要国と日本の平均年収を比較してみても、日本だけが横ばいで上がっていないことが分かります。さらに北海道は日本の中でも給料が安いというデータもあります。ボーナスを含む年収について全国平均が４８９万３１００円のところ、北海道は４２９万６６００円で、その差は約６０万円にも…

物価が上がっているのに、なぜ給料は上がらないのか…その真相とは。

北海道ニュース24weekendで大貝准教授がズバリ解説しています。アーカイブ配信でご覧ください！