次の誰かのためにと綴っています。
乳がんって遺伝なの?よく聞くものです。
がんと診断された人のうち、10人にひとりくらいは『生まれつき』がんに関連する遺伝子に病的な変化を持っているといわれています。がん細胞そのものが遺伝するのではなく、病的な変化、病的バリアントが受け継がれます。持つ人はそうではない人よりもがんになりやすいので、がんになりやすい体質ということが言えます。しかし、発症するかどうかはわかりませんし、いつ発症するかの予測もできません。
遺伝性のがんの種類はたくさんあり、発症しやすいがんの種類も違います。その中のひとつが遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)です。乳がん・卵巣がん・膵がん・前立腺がんの組み合わせでなりやすいことがわかっています。なので女性だけのものではまったくありません。
私の知っている患者さんでは、お父様も乳がん。ご自身は30代で乳がんにり患。遺伝性だということは、保険適用になり、治療選択の過程でわかった方もいます。どういった方がリスクが高いのか、などを知っておく必要があると思います。HBOCと診断された場合、専用の分子標的薬”PARP阻害薬”の効果が期待できます。
私はこの検査を受けて、1度目は『インコンクルーシブ』(あるようにみえるけれども現在の検査技術の限界により、明らかにならないだけなのか、またあるように見えているだけで実際にはないのか、わからないあいまいな状態)となり、1年後、再検査となった2度目は『陰性』が確定しました。
遺伝ってなんだろう、がんって何だろう、というボワっとした疑問に応えてくれるわかりやすい本が出版されました。
遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!みんなのためのガイドブック 2022年版
https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307204620
患者会の方も協力し、市民参加型のQ&A方式の本です。小さ目で持ち歩きも可能。情報サイト一覧などもあるのでいざというときのために役立つと思います。最近よく”遺伝子検査”をWEBなどでも見かけると思います。これについてもどのようなサービスなのか、という点もわかりやすく解説されています。
乳がんだけではなく、卵巣がんの方、そして未病の方にも是非読んでいただきたいと思います。間違った知識や知らないといざというときにジャッジもチョイスもできないと思います。
正しい知識をとまとめ、発信されている先生方、関係のみなさんに敬意をこめて。
がんとともに、、、。
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