夏の積丹名物といえば甘くて濃厚な味のウニ。
実は大量のウニの殻の処分に地元は頭を悩ませてきたのですが、その殻を活用して新たな海の幸と美味しいお肉が生まれました。
■皆川公信さん:「おーい」
羊「メー」
積丹町の草原を走る羊たち。
羊飼いの皆川公信さんがエサとしてあげていたのは…
■皆川公信さん:「食べて食べて」
なんと積丹の海で採れた養殖コンブです。
コンブをおいしそうに食べるヒツジたち
羊たちがバクバクと食べているこのコンブ、ただのコンブではありません。
実はウニと深~い関わりが…
羊が食べているコンブの秘密は「ウニの殻」を活用
皆川公信さん:「ウニを獲る時に【ウニ殻】がめっちゃめちゃ出てくるんですよね。それを毎回捨てるのはもったいないということでそれを【肥料】として使ったんですよね」
青く透き通った海が広がる積丹町。
この海で獲れる新鮮なウニが特産品となっていますがその一方で年間100トンものウニの殻が捨てられています。
そこで積丹町ではやっかいもののウニの殻を肥料にしたコンブの養殖に7年前から取り組んできました。
その結果、コンブの量が3.7倍に増えたという報告も。
「ウニ殻肥料」の生育で収穫量が3.7倍の報告も
コンブが増えたことでそれをエサにするウニの品質も良くなりいい循環が生まれたそうです。
「食べたものを長く吸収してくれる」…肉質に変化、畜産品のウニに「好影響」も
酪農学園大学に在学中この牧場のオーナーと出会い羊飼いになろうと積丹町に移住してきた皆川さん。
皆川公信さん:「(養殖コンブを)羊に食べさせられないかなと思って。そしたら国内にさとうみファーム(宮城県)というワカメを食べさせる羊がいたんですよね。視察に行って、話を聞けば聞くほど海藻は食べられるんだと」
そこで2年前、新たな特産品にしようとウニの殻を肥料に育った養殖コンブを羊にあげてみたところ肉の味に変化が現れたそうです。
皆川公信さん「全然臭みがないと。すごくコクが増しておいしくなったのでこんなに変わるものなんだなと。羊は腸の長さがすごく長い生き物としてあげられるんですがそれだけ食べたものを長く吸収してくれるんですよね。なので肉質に変わりやすいというのが羊の特徴であるので」
羊飼いの皆川公信さん
養殖コンブを食べて育った羊の肉は、「積丹しおかぜ羊」として10月末から12月の間のみ販売されるということです。
積丹の海では海水温の上昇などでウニのエサとなる海藻が少なくなっていてウニの生産量が不安定になっていました。
ウニの殻を肥料に養殖したところコンブがたくさん育ちその結果ウニの身入りも良くなったそうです。
HTBは今年から「サステナ宣言」をしています。
「サステナブル」=持続可能な地球、社会の実現のために定められた17の目標のうち14番目「海の豊かさを守ろう」についてお伝えしました。
皆川さんが現在飼っている羊は130頭ですが1000頭まで増やしていずれ道外にも積丹の羊の肉を広めたいと話していました。