HTB「イチオシ!!」がおくる人気企画『予算1000円で4人家族が喜ぶ ごちそうレシピ』。
今回この企画に協力してくれたのは、2回目の登場となる札幌市・中央区「海鮮中華・宮の森れんげ堂」。
その名の通り、新鮮な魚介類をふんだんに使った広東料理と香港飲茶が評判で市街からは離れているにもかかわらず、ランチタイムを中心にいつも混雑している人気のお店です。
オーナーシェフの広部さんは手間や時間がかかる本格中華のごちそうを、独自の発想やアイデアで誰でも“安く”“簡単に”作れるレシピにアレンジしてくれる「手間なし料理のプロ」。
今回も「手間なし料理のプロ」が本格広東料理をベースに簡単アレンジ!家計にやさしく手軽でおいしい料理をご紹介します。
今回使用する食材は、ご覧の通り。おウチにある調味料を除いて、たった1000円以内という節約予算です。
1品目:しっかり包まない!ヘルシー魚のすり身春巻き
まず1品目は広部さんが最も得意とするジャンル「点心」から大人も子供も大好きな「春巻」。
「春巻」というと、中に入れる具材を作って、冷まして、それから皮で包んで、油で揚げて…と、手作りをするにはハードルが高い料理の一つ。
これが「手間なし料理のプロ」にかかるとあっというまの時短料理に変身です。
その秘訣となるのが、スーパーなどで手軽に買い求められる「白身魚のすり身」。今回はカニ入りのすり身を使いますが、海老でも、鶏ごぼうでも、すり身なら何でもOK!
4人分の材料はこちら。
下ごしらえは一切必要なく、いきなり皮で具材を包むところからスタート。簡単です!
まずビニール袋にすり身を入れて、皮の上に絞り出していきます。
位置は真ん中より少し下、というイメージで絞り出していきます。
ここに“手間なし”春巻をおいしく演出する"スライスチーズ"をプラス。半分に切って、載せていきます。
チーズは半液体状になって漏れ出てきくるので先に入れて、かつ、あまり端に置かないのポイント。
そして、今回はチーズと相性ピッタリなアボカドで「コク」をプラス。
さらにエビも追加することで海鮮の「うま味」と「食感」もパワーアップ。
お好みでホタテやイカ、アスパラやコーンを包んでもおいしく仕上がります。
続いて、具を皮で巻いていきます。
普通の春巻きの具は液体を片栗粉でとめてとろみをつけたものを巻いていくので、火通ると具が横から出てきて油跳ねするので左右から折り畳む必要がありますが、今回はすり身を使用しているので横から溶け出さないため、しっかり包まなくても大丈夫です。
最後に油で揚げますが、こちらも簡単アレンジで揚げ焼きに。油の高さは3mm程度大丈夫です。
最初は強火で。春巻きを入れて、油に泡がプチプチふいてきたら少し火を弱くします。
ここで一旦蓋をします。火力は中火よりちょっと弱い程度で。
蓋をすることで中の湿度が急激にあがり、油で浸かっている部分は揚げつつ焼いている状態、油に浸かっていない部分は蒸している状態で魚のすり身の中の方にもしっかり火を通していきます。
2分程度でキツネ色になるので、ひっくり返してもう片面も同じように揚げ焼きに。
焼き目がいい感じになってきたら火消して引き上げていきます。
1品目「ヘルシー魚のすり身春巻き」の完成です。
具材にはお肉を使わないので低カロリーですが、すり身とエビのうま味がしっかり感じられ、チーズとアボガドが餡のようなとろみとコクを演出するボリューム満点の一品。
手間なく揚げ焼にした皮もパリッと仕上がりました。
2品目:海鮮風味あんのふんわり天津飯
2品目は、子どもも大人も大好きな天津飯!本来、強い火力で手早く中華鍋を揺らしながら卵を厚目にふわっと仕上げるのがいかにも難しそうですが、今回は簡単に時短で、卵がふわっとした天津飯を作るレシピをご紹介。
4人分の材料はこちら。
まずは大まかにほぐしたカニカマを、みじん切りにした長ネギ入れていきます。
味付けはシンプルに、塩コショウ。
さらにごま油を加えます。ごま油によって卵自体が焼いたときにふわっと仕上がり、さらに一気に本場の中華らしい風味に。
さて、ここからが注目のポイント。卵をふわっと焼いていきます。
本来、4人分となると卵は4枚作らなければいけませんが、今回は4人前をいっぺんに片面でふわっと簡単に仕上げて切り分ける仕立て。
しかも“片面焼き”で調理の時間を短縮です!
「ちょっと多いかな」っと思う程度の油の量で卵を焼いていきます。
油の温度も重要。割り箸を入れたときに、バチバチバチと泡が噴くくらいのちょっと熱めの温度にします。
ここで卵、一気に全部投入。
熱い油の中に卵液を入れることによって卵が瞬間的に沸騰して、気泡が入り、膨らむのでふんわり食感に仕上がります。
混ぜながら、縁の火が通った部分を内側へ入れながら混ぜて広げていきます。
混ぜるのはここでおしまいで、中火~ちょっと弱火くらいの感じで蓋をして蒸し焼きに。
蓋をして1分程蒸し焼きすることで、焼き面だけではなく、上の方も蒸され火が入るので、ひっくり返してもう片面を焼く手間もなく、時短で仕上げることができます。
お皿にご飯よそって、その上にあけていきます。
最後に天津飯の味の決め手となる「あん」を作ります。
中華スープの素や調味料、片栗粉に加えて"昆布茶"を入れていきます。昆布のうまみが出て、より海鮮の風味が出てきます。
一般的な昆布茶の粉は、塩や砂糖だけではなく昆布のうまみ成分グルタミン酸やミネラルも豊富なのでちょい足しにぴったりの調味料です。
これを沸かしてとろみをつけていきます。
沸いてからさらにしっかり30秒くらい加熱。これによって餡が水っぽく戻ってしゃばしゃばになることを防ぎます。
これを卵を乗せたご飯にかけて、4人分に切り分けて完成!
2品目。「海鮮風味あんのふんわり天津飯」。まるで店のメニューのようにフワフワ卵にくるまれた“節約食材”のカニカマが十分に海鮮の風味を演出。
さらに昆布茶が効いた餡は「手間なし」とは思えない上品なうまみです。
3品目:蒸しタラの葱生姜仕立て
最後はれんげ堂の料理で一番人気の広東料理の定番「蒸し魚の葱生姜仕立て」を手間なく簡単なレシピで!
蒸した魚と山盛りの白髪ねぎに、アツアツの油が否が応でも食欲を高めてくれます。
かかった費用は4人分で324円です。材料はこちら。
まずは葱の先の捨てる部分をさらに並べ、その上に臭みを抑えるために、塩を振って余分な水分をふき取り4等分にしたタラの切り身をのせます。
今日はタラで仕上げていきますが、使用する魚は鮭でもソイでも何でも大丈夫です。
さらに、生姜を剥いた後の使わない皮でサンドイッチに。
ネギと生姜の捨てる部分を無駄なく使うことで、魚の生臭さがより抑えられるだけではなく、香りがつき、食欲をそそります。
お店では強力な蒸し器で高温で仕上げますが、家庭でも簡単に時短で作るために電子レンジを使用。
お酒を全体にかけ、きっちりとラップで密閉します。
そうすることで料理酒が蒸発して、このラップの中でスチーム状になり、せいろと同じような加熱が可能に。
加熱時間は500ワットで3分程度。ポイントは、加熱が終わってもすぐにラップを取らず、さらに3分程度、放っておくこと。
火を通しすぎて素材から水分やうまみが抜けてパサパサした感じになることを防ぐため、7~8割レンジで火を通してから余熱で3分火を通していきます。
3分蒸らし終わったら、香味付けの葱生姜は捨ててしまいます。
蒸し汁はスープにつかうため、ボールにあけてキープ。
蒸し上がったタラの上に、ネギと生姜をたっぷりのせ、コショウを振ります。
ここからは「仕上げ」。
熱したサラダ油を葱にかけて、葱生姜の風味を立てていきます。
フライパンで煙が出るまでサラダ油を熱し、熱い油を全体に満遍なくかけていきます。
蒸す時に、ネギと生姜の皮を使い、風味をたっぷり含ませておいたおかげで熱した油をかけるだけで非常に良い香りが立ち上ります。
最後に、とっておいた うま味たっぷりの蒸し汁と調味料を合わせ、ひと煮立ち。
これを全体に満遍なくかけて完成!
3品目。「蒸しタラの葱生姜仕立て」は、電子レンジで作ったとは思えないふんわりした仕上がりが絶品。
淡泊ながら、うま味が強いタラに香ばしく、風味豊かなネギとショウガがパンチをきかせる、まるでお店でいただく本格中華の味わいです。
今回のレシピはこちらの3品。調味料を除いて1000円以内に見事おさまりました。