「北海道民のうた」って知ってますか?
私も最近知ったのですが、いまから55年前の1967(昭和42)年に、北海道百年記念事業の一つとして製作されました。
なんと、3曲もあるんです。
行進曲「光あふれて」と、
ホームソング「むかしのむかし」と、
音頭「北海ばやし」。
どれも初めて聞くタイトルですね。
ユーチューブで検索したら3曲とも出てきたので、早速聴いてみました。
まずは「光あふれて」から。
わたる原野の風青く
光あふれてきたぐにの…
う~ん、行進曲というより軍歌ですね。
開拓の過酷さを反映しているようです。
気を取り直して、2曲目の「むかしのむかし」。
こちらは童謡みたいですね。
軽快なイントロは、まるで「しょ、しょ、しょうじょうじ」のたぬきばやし。
歌詞には
きつねが月夜に
こんばんは こんばんは
とあるので、「きつねばやし」ってところでしょうか。
最後に期待して「北海ばやし」。
おお、これは。
「いなかっぺ大将」の数え歌みたいじゃないですか。
一つ、ひとより力もち~
っていう、あれです。
個人的には、これが一番好きですね。
特にサビの部分、
でかいぞ でかいぞ 北海道
でかいぞ でかいぞ 北海道
の節は、一度聴いたら頭から離れなくなりそうです。
この「道民のうた」については、道が発行した冊子「北海道百年記念事業の記録」に詳しく書かれています。
「北海道百年を機会に躍進北海道にふさわしくだれでも歌える新しいうたがほしいという道民の声が高まり、道は昭和41(1966)年3月、百年記念事業実施方針の中で、道民のうたの募集についても適切な措置を講ずることとした」
とあります。
歌詞は道民や北海道にゆかりのある人から募集し、なんと1463編の応募があったとのこと。採用された3作品にはそれぞれ20万円の賞金が贈られました。
選定委員会は「軽快で明るく、だれでも、どこででも、いつでも楽しく歌える」ものとするよう、作曲者と歌手を選び、レコードを製作。中村八大、中田喜直といった著名作曲家らが手がけ、梓みちよ、ペギー葉山、ボニージャックスらが歌ったというから、お金かけてますねえ。
3曲とも
「広く道民に浸透し、行事などいろいろな機会に愛唱されている」
とありますが、う~ん、どうでしょう。
北海道百年記念事業と言えば、北海道百年記念塔の解体が話題になっています。
百年記念塔については、コラム「新聞の片隅に」で書かせていただきました。
https://www.asahi-afc.jp/features/view/268
その百年記念塔の足元に、「大地の手」広場があります。
無数の手形とメッセージが刻まれた壁に囲まれた不思議な空間です。
手形の参加者は国内外合わせて5300人以上。アイヌの人たちや札幌五輪の外国人選手、在日外国人ら様々な人たちの手と大地が一体となっています。
百年記念塔が完成した3年後の1973年に造られました。
50年風雨にさらされ、一部すり減っています。
私が訪れたときは補修作業が進められていました。
なぜ「手」なのか。
なぜ「大地」なのか。
その答えが広場の説明文にありました。
人間が知恵を誤り、その「手」の扱いをひとつ間違えれば、この「大地」の破壊はさらに進みます。いまこそ、自然の厳粛さに目覚め、「大地」に感謝するこころと、自然との調和をとりもどすときではないでしょうか。