両胸を失った私が『がんと生きる、働く、伝える』 両側乳がんになりました167

日本の検診率はなぜ低いのか?

日本にはがん検診を正確に把握する手段がない。3年に一度行われる国民生活基礎調査で受診率を把握している。乳がんでいえば2年に一回のマンモグラフィが国の指針(死亡率を減少させるエビデンスがある)だが、自分の胸に手をあててみていただきたい。去年受けたらすぐにわかるけど、2年前だったか、3年前だったか・・・とはならないだろうか。

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そして、年齢もある。40歳以上にマンモグラフィが推奨されていて、でも確かにそれ以下の世代の乳がん患者はたくさんいる。この方々をどう救うのか。ここ数年のパンフレットには『高濃度乳房』という記述と『マンモグラフィは万能ではない』という記述が増えてきている。

マンモグラフィを受けるとがんは白く映る。しかし、乳腺も高濃度だと白く映るので区分けが難しい。『高濃度乳房』と言われる方は日本などのアジアに多いといわれて、5割を超えているとされている。受けてもわかりずらい方がいる、というのが現実だ。

私は20年前くらいから乳がん患者さんの取材をしており、『見落とされた乳がん』としてドキュメンタリーを作った。40歳未満だったこと、さらにマンモグラフィ受けたけれど見つからず、気づいたときには転移をしていた、という女性だ。こののち、『高濃度乳房』が話題となり、マンモグラフィとともに用いられるエコー検査(超音波)の助成をする自治体も増えている。しかし、40歳以上のみは変わらない。(自治体によっては30歳から受けられるところもある)

そこで大事なのは『ブレストアウェアネス』だ。自分のリスクを正しく知り、自分自身の胸の変化に気づくことだ。いまだに検診より自己触診で見つかる方のほうが多い。気になったら乳腺外科へ、を心がけてほしい。でも必要以上に怖がる必要はないと思う。そして、行ったと同時に乳がんについての知識をひとつでも高めてほしいと思う。

地方だとマンモグラフィの車が時折来るだけで、天候含めてタイミングが合わないといけない。足が遠のくのもわかる。でも自分のいのちを救えるのは自分でしかないのもまた事実。その一歩をお願いしたい。

乳がんはひとつではない

本を出版したこともあり、より一層患者さんと出会うことが多くなった。みんないう『乳がんって人それぞれだって、こんなに種類があるなんて知らなかった』と。『こういう情報流れてなかったよね』と。

確かに難しい。説明も、治療法も。ましてや日々アップデートされているから、常にアンテナを張ってなくてはならない。だからこそ、、

国立がん研究センターのがん情報サービス  https://ganjoho.jp/public/index.html などを見てみてほしい。2人にひとりの時代、明日は我が身だ。

こうした啓発は本当に難しい。自分事にどうしてもらうか。啓発のトークなども実際に実施もしているが、未病の方というより、すでにり患された方のほうが積極的だったりもする。ご家族におられる方などはより積極的になってくださるか、より遠ざかってしまわれるかの2択。本当に難しい。

やわらかい方法での啓発が主流になってきていて、パンフレットなどはマンガのものが多い。そして、イベントもさりげなく、、関係ないと思っている方をどう動かすのか、私は模索している。

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14日まで行われている クリエーション・アムール(ライフスタイル展示会)での一角に『アムール・ピンク』として参加ブランドさんからピンクの小物を集めてコーナーにしていただいた。素晴らしいアイディアとディスプレイ、ご縁をいただいた花園真理子さんに感謝するとともに、ご来場いただいたみなさんにも関心を寄せてくださったみなさんにも感謝している。声をかけてくださった方はご自身がサバイバーさんだったり、親御さんだったり。本当に多かった。それだけ身近なのだ。

15日(土)には同じように志を理解して、応援してくださっている『江別 蔦屋書店』さんで拙著『おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える』についてお話しすることになっている。『きっかけはひとつのピンクから。』というキャッチフレーズで、江別 蔦屋書店さんの全館で書籍や雑貨が展示、用意されている。例えば・・・ピンク色の表紙になっている本。その一部に私の本も置いてある。他には医療関係など私がこの3年で触れた本を集めていただいている。『最高のがん医療』『ネガティブ・ケイパビリティ』、ピンクリボンアドバイザーの教本や古村比呂さんのご本なども。その中に私が息抜きに妄想するために読んでいた『旅の本』を忍ばせている。なんでもいいので、触れてみてほしいと思うのだ。

SNS時代、情報って届きやすそうで届かない。興味があるひとにしか、届かない、というジレンマを感じている。興味のない人には一生届かない情報であってはいけない。そして、触れたときにはその情報は正しくあってほしい。

『セレンディピティ』とでもいうか、偶然の出会いにかけたくなっている私がいる。

期間中、蔦屋書店店内(テナント除く)で商品をご購入頂くと、1会計につき1枚 食の棟 HOKKAIDOFOODPARKのピンクリボン限定メニューで使用できる100円割引券をプレゼント!ビーツとホタテのリゾットやハンバーク、梅やエビを使用したメニューやいちごを使用したスイーツまで!!さりげなく、ピンク色の食べ物を手にしてほしいと思う。イベントはピンクリボン月間である10月いっぱい行われる。スタッフのみなさんが自分ごとに落とし込んで細かなところまで考えてくださって作り上げられているのに胸が熱くなる。

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そして、週末15日(土)はお時間あれば、足をぜひ運んでほしい。

◇阿久津 友紀 『おっぱい2つとってみた。』出版記念トークショー

日程:10月15日(土)

場所:江別 蔦屋書店 暮らしの棟 コミニュティパーク

観覧 無料 (先着50名様okちゃんピンクタオルをプレゼント)

①14時40分〜 プレイベント

江別 蔦屋書店 絵本コンシェルジュ 佐賀 による絵本読み聞かせ

②15時00分〜 阿久津 友紀氏 によるトークショー

YouTube SODANEチャンネルで生配信:https://youtu.be/k8hXLcGOisg

 

がんとともに、、、。

番組、SODANEへのご感想、ご意見お聞かせください。
番組制作、今後のイベント、SODANEなどで活用させていただきます。
がんとともに生きる方、ご家族を持つ方、そうでなくても、もちろん、どんなことでも、構いません。
決して1人ではありません。

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この記事を書いたのは

阿久津友紀

乳がん患者さんが治療中に被災したら? 『防災の心がまえ』をもとに『女性の病と防災』を考える おっぱい2つとってみた作者とHTB森アナウンサーが本音トーク 
https://youtu.be/AO8Xzebt0Ys

『おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える(北海道新聞社刊)10月6日発売

おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える

「LINE特集 「失われる自分らしさ」。乳がんになった私たちの3年間。例え、心が折れそうでも…」
https://news.line.me/detail/oa-htbnews/bt2o2l9r6cfc

YouTubeで乳がんについて配信しています!

ピンクリボントーク【ホルモン治療の副作用と簡単ヨガ】 
https://youtu.be/gOOiLPH-n2I

温泉ソムリエも取得しました!

『アピアランスケアを考える』
https://youtu.be/3qVd1xXFvaU

ピンクリボントーク 患者と家族と社会 ~生きてくのに必要なコト~
アーカイブ配信:無料
https://youtu.be/PS4eJMy4GcY

第4弾の”がん患者さんとココロ” 北海道の斗南病院の精神科長で登録精神腫瘍医の上村先生に伺いました。アーカイブは
https://youtu.be/D-j4RrGSgkw

これまでの動画は・・・
【乳がん】おっぱい2つとってみた

HTBノンフィクション おっぱい2つとってみた
【2020年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組優秀賞受賞】
【2020年ギャラクシー賞 奨励賞】

HTBonデマンドで無料配信中!
https://www.hod.htb.co.jp/pg_nf/pg_id_nf006

テレメンタリー2020『おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~』年間最優秀賞 
ギャラクシー賞・選奨(報道活動部門)/民放連 放送と公共性 優秀賞
活動の一部は・・・
youtubeLIVEでピンクリボントーク① 見逃し配信中!
https://sciencefestival.jp/event/breast-cancer/

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