『銀の匙 Silver Spoon展』
北海道の農業高校を舞台にした人気漫画『銀の匙 Silver Spoon』。2011年から2019年まで『週刊少年サンデー』にて連載された発行部数1,700万部以上の人気作品です。原作は北海道十勝幕別町出身の漫画家・荒川弘(あらかわひろむ)さん。連載開始10周年を記念して東京・大阪・札幌と全国巡回された大型展覧会「銀の匙 Silver Spoon展」が9月から北海道立帯広美術館で好評開催中です。
🄫荒川弘/小学館
会場は原作の舞台「十勝」
ファイナルとなる帯広会場は、「銀の匙 Silver Spoon」原作の舞台である北海道東部の一大農業地帯「十勝」で開催しています。
©粟野秀明「十勝野の夜明け」
太陽が降り注ぎ広大な十勝平野では、じゃがいも、ビート、小麦、豆類などの農作物の栽培、畜産、酪農などの農業が盛んです。厳しくも豊かな大地は四季折々で表情を変え、今は紅葉が見ごろです。
『銀の匙 Silver Spoon展』帯広会場である道立帯広美術館は「緑ヶ丘公園」にあります。いまは紅葉の真っ盛り。森の中ではエゾリスが元気に遊ぶ愛くるしい姿も見ることができます。
広大な大地、放牧された牛、新鮮な生乳や小豆のスイーツなどなど、帯広会場を訪れれば、『銀の匙』で描かれた世界観を五感で味わうことができます。
直筆原画や初公開資料が一杯!
展覧会では、作者の荒川弘さんが本展覧会のために描き下ろしたイラストを含む貴重な約200点の直筆原稿やカラー原画、初公開の制作資料などを展示。これらを辿りながら、作品の舞台となる大蝦夷農業高校で主人公の八軒勇吾とその仲間たちが様々な経験を通して成長していく物語を紹介します。
🄫荒川弘/小学館
道立帯広美術館の学芸課長・齊藤千鶴子さんにお話を聞きました。
―展示の構成は?
「荒川先生が『銀の匙展』のために書き下ろしたイラストを含む約200点の原画を中心に、起伏に富んだ全19コーナーで展開されています。『春』『夏』『秋』『冬』に分かれたセクションでは、季節ごとに漫画のストーリーを振り返ることができます」
―原画展の魅力は?
「生原稿ならではの迫力あるペンのタッチを味わうことができます。中には鉛筆書きが残されている作品もあり、制作過程も感じられます。私が特に注目したのは画中のオノマトペ*。筆の動きがよりリアルで力強さが伝わってきます。原画に添えられた荒川先生のコメントも見どころのひとつです」
*音や声、動作などを音声化して示すこと。
―原画のほかに齊藤さんのイチオシは?
「『シアターコーナー』です。『銀の匙』の印象的なシーンとセリフに音楽を組み合わせた約2分間の映像が上映されます。『銀の匙イメージシアター』と『エゾノー青春シアター』の2種類があり、友人・家族・進路・恋愛などさまざまな困難に立ち向かう八軒君と仲間たちの姿が詰まった映像から、ストーリーがリアルに思い出され、感動を呼びます。また、大きなパネルに八軒君が発してきた心に残る名言と、そのときの表情をまとめた『八軒勇吾の言葉コーナー』もおすすめです」
―地元の方らにメッセージを一言!
「十勝の人たちになじみのある風景が多く出てくるので親しみを持って見てもらいたいと思います。読者の中には『銀の匙』に登場する前向きなキャラクターたちに、元気づけられた方も多いのではないでしょうか。『銀の匙Silver Spoon』展のキャッチコピー『ありがとう。
また会えて。』にあるように、エゾノーの仲間たちから再び元気をもらいに美術館を訪れてくれるとうれしいです」
惜しくも12月4日まで!
「銀の匙 Silver Spoon」展帯広会場
会場:北海道立帯広美術館 主展示室(帯広市緑ケ丘2 ℡0155-22-6963)
料金:一般1,300(1,000)円、高大生800(600)円 中学生以下は無料。※十勝管内の高校生は無料。受付時に生徒手帳を提示してください。
会期 :2022年12月4日(日)迄
時間:午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで) ※休館日:月曜日(11月7日は開館)
詳細は「銀の匙 SilverSpoon展」帯広会場公式HPで!
公式ウェブサイト:https://kachimai.jp/feature/ginsaji/