日本で1年間に捨てられている食品の量、いわゆるフードロスの量は522万トンにものぼります。
これは実に、国民全員が毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てている量に匹敵。
そんなフードロスの削減に、ビジネスを通じて一役買える方法はないかと、2014年に設立されたのが株式会社クラダシです。
賞味期限が近づいていたり、パッケージに傷があるなど廃棄される可能性が高い商品をメーカーから買い取って自社オンラインストア『kuradashi』で販売しています。
「本来価値があるのにお蔵入りされてしまうことに、新しい流通価値を出すということ。ぜひ多くの方に利用していただきたい」
と語るのは代表取締役社長の関藤竜也さん。
kuradashiに出品されるのは食品や飲料、化粧品から日用品など幅広い商品。
日頃スーパーなどでよく目にする製品をはじめ、野菜や果物、海産物といった産地直送の生鮮品なども販売され、そのラインアップは5万点にものぼります。
さらに、公式オンラインストアにはいくつかの社会貢献団体が掲載されており、ユーザーが購入した商品の売り上げの一部が寄付されるシステムになっています。
被災地支援をはじめ、ウクライナへの支援などユーザー自身が寄付先を選択することができる仕組みです。
これは社会貢献に対して"何かを我慢して、何か良いことをするのは長続きしない"という関藤さんの思いからつくられたものだとか。
北海道にもkuradashiを利用する企業があります。
オホーツクに本社を置く『網走ビール』です。
こちらの会社では、去年の夏に期間限定で販売したアルコール飲料11万本のうち、夏の販売シーズンが過ぎた6,000本をクラダシに掲載しました。
代表取締役社長の長岡拓児さんはこう語ります。
「まだ賞味期限があるけれども、一般販路にはのせられない商品。クラダシさんがそういう活動として使ってくださるというのは非常ににありがたいと感じていますし、会社として処分するだけでなく社会貢献活動の一部になっている。非常にありがたいです。」
さらにkuradashiでは、3,980円の定額で月に1回20点以上の詰め合わせが届く『ロスおたすけ定期便』というパッケージ商品も展開。
その内容は調味料からインスタント系の食品、お菓子などバイヤーがセレクトした使い勝手の良い選りすぐりの食品。福袋のような楽しさもあり、お得感いっぱいのサービスと好評です。
最後に関藤さんからお話しをいただきました。
「このサービスは"誰かがやらなきゃいけない!だったら俺がやってやろう!"と始めました。kuradashiの買い物でワクワク感とか社会貢献が楽しいというところから「みんなのためだ」ってなれば良い。フードロスについて家族の会話が増えれば嬉しいです。」
kuradashi 公式サイト:https://kuradashi.jp/