【密着】「トラックめいめい」…札幌の22歳女性トラック運転手から見た「2024年問題」

トラックを運転しているのは札幌の運送会社で働く22歳の女性です。

実は彼女は旧ツイッター=Xのフォロワー30万人以上という「インフルエンサー」としての顔があります。

その名も「トラックめいめい」。

前向きに発信を続ける彼女の1日に密着しました。

東京から札幌に戻り…「バズった」きっかけは

■トラックめいめい:「おはようございます」

普段の移動は、軽自動車です。

■トラックめいめい:「私、乗用車すごいへたくそです、乗るの。バック切り返しますもん。あ、ずれちゃったって。」

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「トラックめいめい」22歳。ドライバー歴4年。

東京の運送会社から先月、札幌に転職しました。

■トラックめいめい:「めちゃくちゃきつかったですけどね、最初。めっちゃきつかったですっていう記憶よりは、すごい楽しかった方が強い。」

彼女には、もう一つの顔があります。

■トラックめいめい:「一番明るい写真が「いいね」をもらいがちです。最近気づきましたけど。」

Xのフォロワー数は30万人以上。

ひとたび投稿すれば「いいね」は2万件。

いわゆる、インフルエンサーです。

そんな彼女が「バズった」きっかけは…

■トラックめいめい:「仕事終わりの一杯が美味いって写真をアップしたらそれが注目を浴びるきっかけになって」ジョッキ片手にビールを流し込む写真。

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そんな飾らない姿が話題を呼び、連日「万単位」の「いいね」がつくように。

ちなみにそれまではと言うと…いたって普通の女子の投稿。

■トラックめいめい:「SNSに投稿してインフルエンサーになりたいとかっていう目標は全くなく、これを始めたことによって、自分が変わって成長していけばいいなって思って始めたんです」札幌で生まれ高校まで過ごしためいめいさん。

憧れていたのはファッション業界でした。

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かつてはファッション業界への憧れが…。

■トラックめいめい:Qネイルも?)

「うさちゃんなんか書いちゃって…おしゃれに(仕事は)関係ありませんよ。トラック運転手だからこそ気を遣ったほうがいいかなと」。

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おしゃれも忘れない!

「年上の男性ばかり」の職場に飛び込んだワケは…?

周りは年上、しかも男性ばかり。そんな職場に飛び込んだワケは「自分の性格」でした。

■トラックめいめい:「一人って楽だなって気づき始めた高校生の時、一人で仕事できたらいいんじゃないかなと思ったのがきっかけです。『一人でできる仕事高卒』で検索したらトラック運転手だった」

トラック運転手となり、さらにSNSも始め、こんな出会いも日常茶飯事に。

■ドライバーの男性:「ツイッターで見てた。びっくりした、隣に停まっているとは…こういう若い子がトラック運転手になってくれたら最高なんですけどね」。

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偶然隣にフォロワーのドライバーが!

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行く先々で、同業者からかけられる声。

■トラックめいめい:
「視線を感じていました(笑)」

■ドライバーの男性:
「頑張ってくださいね。」

■トラックめいめい:
「お互い頑張りましょう」

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フォロワーと声を掛け合う

トラック業界が直面する「2024年問題」

どんな仕事にもついて回る「人手不足」。トラック業界も例外ではありません。

そこに拍車をかけようとしているのが「2024年問題」です。

政府の働き方改革の一環で来年4月から、トラック運転手の時間外労働に上限が設けられることに。

■流通経済大学矢野裕児教授:

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流通経済大学矢野裕児教授

「若い人がなかなかドライバーにならないという状況の中で、トラックがどんどん減っています。今回の2024年問題でますます供給力が減少する。」

政府は、何も対策をとらない場合2030年にはおよそ3割の荷物が運べなくなると試算しています。

■流通経済大学矢野裕児教授:

「北海道から全国にいろいろなものを輸送する。あるいは全国から北海道に輸送しているわけですが、そこのところが今までのようにできなくなりますので、どうしても日数がかかるとか、値段が高くなるとか、あるいは繁忙期には運べない。こういった事態が起こりかねない」

ドライバーであるめいめいさんの捉え方は、ちょっと違います。

■トラックめいめい:「なんか問題ってつけられちゃっているけど、そもそも政府がトラック運転者は労働時間が長いから短くしようとしてくれた制度であって、今の労働環境が悪いからそれを直すための第一歩だと思ってます。」

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「ドライバーとしては勤務時間が短くなることだけはいいけど、勤務時間が短くなったら給料もじゃあ少なくなりますよと言われると、それは解決されたわけじゃないんじゃないかって思うし。注目すべき場所はそこだけじゃない」

この日は3件の配送先を回っためいめいさん。

配達に使ったコンテナを片付けるため、フォークリフトも自ら操縦します。

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■トラックめいめい:「いいんじゃないかい?これで終わり!オッケー!」

仕事を頑張った後の一杯と「撮影」…日々発信することへの想いは

■トラックめいめい:「うっま!うっま!マジで。これは頑張ったから美味しいんです。仕事を頑張ったからこそこのビールは美味しいんです」今の彼女にとって「飲む」と「撮る」はセットです。

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仕事終わりの一杯!

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■トラックめいめい:

「おお、いいですね。音声さんが良い感じ」

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HTBの取材陣も紹介してもらいました。

1日2回、欠かさず発信を続け1年以上。

「トラックめいめい」に憧れて同じ仕事に就いたという連絡も来るようになりました。

■トラックめいめい:「一歩を踏み出した行動力で誰かの人生を少しでも変えられたんだなと思うと今の活動を続けるべきだなと思いました。拡散力を利用してというわけではないけれど、みんなのためになる情報だって発信できるしそこが私の役目なのかなと思っています。」

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日々の発信にかける想いは…。

トラックめいめいさんのXのアカウントは @truckmeimei です。

毎日朝晩2回、投稿を続けています。

ぜひ、チェックしてみてください。

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この記事を書いたのは

HTB北海道ニュース

北海道の「いま」をお伝えします。
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