今年のインフルエンザの流行はどうなる?北大病院石黒先生に聞く見通しと予防方法

北海道は10月末、指定医療機関1か所あたりのインフルエンザ患者数が前の週の倍以上となる「19.58人」だったと発表。今季初めて10人を超え「注意報レベル」となりました。

今年は例年より早いタイミングでのインフルエンザの流行となっています。この先の流行がどうなるのか、インフルエンザや新型コロナなど、感染症の専門家である北海道大学病院感染制御部の石黒信久先生にお伺いしました。

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インフルエンザが早く流行し始めた訳は?

こちらは、インフルエンザの流行グラフ。上が全世界、下が日本です。

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2020年までは、世界も日本も同じように流行しましたが、この3年、日本では流行がなく今年も夏まではわずかな流行にとどまりました。        

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2023年、世界はインフルエンザの患者が増えてきました。それは恐らく、日常生活を早く取り戻したという事。

日本がコロナ前のような日常を取り戻すようになったのは5類になってから。2023年の5月以降。そうすると日本はやはりインフルエンザに罹るのが2年ぶり3年ぶりっていう人たちが多くなります。

免疫は過去の記憶を長く保てませんので、今年の流行が早く起こっているっていうのには、このような背景があると言えます。

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この先、流行が拡大する可能性は?

日本人の何割がコロナにかかったかという集計があります。これを見るとまだ日本は半分の方が罹患していません。

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イギリスでは昨年の段階で8割から9割の間。この違いは、日本では感染予防に気を付けている人が多かったということでしょう。

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感染予防という点ではインフルエンザもコロナも同じ。そのため、今後みなさんがどの程度慎重に感染予防を続けるか、という点が爆発的な流行が日本で起こるかどうかに通じると考えます。日常に気を付けていれば、そこまで怖がる事もないのかな、という感じはしますね。

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インフルエンザにかからないためには?

1つ目には、一般的な事ですがマスクと手洗いが大事です。人ごみに行く時には必ずマスクをする。

2つ目は体調管理。疲れてると思ったら休む、寝不足だったらよく睡眠をとる、栄養が偏ってると思ったらバランス良い食事を心がける。そういったことが大切だと思います。

3つ目には、ワクチン接種ですね。コロナもインフルエンザもワクチンはすごく有効ですから、特に高齢者の方や基礎疾患持っている方など、かかると重症化すると言われている方々は積極的にワクチンを打って頂きたいと思います。

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この記事を書いたのは

イチモニ!健康けっこう!調べ隊

天使大学とイオン北海道、HTBは、北海道民の健康に寄り添い、道民の課題を解決するための共同プロジェクトとして「どうみん健康化計画」を立ち上げました。その活動の第一歩として、健康にかかわる情報を道民のみなさんにお届けするイチモニ!の特集「健康けっこう!調べ隊」のコーナーを月に1回お送りしています。

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