夜飲み会にいったら『夫が面倒みてくれてます→イクメンね』なんかモヤモヤする言葉を『北海道のジェンダーギャップから考える』その1

夜飲み会にいくのに、ダンナさんが子供の面倒をみてくれたら、それはイクメンなのか?

3月8日が国連が制定した国際女性デーでした。イタリアではこの日をミモザの日と呼んで女性に感謝の気持ちを込めてミモザの花を送るという習慣があります。

HTBでは3月8日からの3日間、ミモザマルシェを初開催。ミモザの花と同じ黄色のオンちゃんと一緒に北海道からすべての女性に元気を届ける発信をしたいと企画。そのセッションをお届けしていきます。

もやもや言葉と”私”の気持ち~北海道のジェンダーギャップから考える~に登場してくださったのは札幌市男女共同参画センターの菅原亜都子さんです。聞き手は森さやかアナウンサーです。

菅原さんはジェンダー平等とか女性の支援といった活動を20年続けている北海道の特別な存在。W20のデリゲートもされています。

菅原さん『皆さんまずジェンダーとか言うと、遠い話かなと思ってしまうかもしれないんですけど身近なところで、なんかモヤモヤ感じるこんなセリフを言われたことないでしょうか。』


専業主婦は働かなくて良いから恵まれてるよね。

職場で何かのミーティングに一緒に同席してくれないか?って言われて、私どんなこと期待されてますか?どんなことしたらいいですか?言われた時に

君はね美人だからね、もうニコニコ座ってくれてたらそれでいいからって言われたり。


子育て中の女性がなんとか調整をつけて夜の会合に行って今日お子さんどうしてるのって言われて

今日は夫が見てくれてるんですって言った時に、子供の面倒を見てくれてるなんて夫はイクメンだよね。


菅原さん『森さんモヤモヤしたことないですか?』

森アナ『あります。悪気がない感じで。私、こういう仕事をしてますので、夜ちょっと遅い時間とか週末の今日みたいにね、お仕事に出てくることあるんですけれどそういった時に皆さん気を使ってね、お子さん大丈夫ですかって言ってくださるんです。それとねセットになるようにして、割と男性から言われてしまうのが、ご主人がね、旦那さんが見てくれて、ああいい旦那さんだね、偉いね、みたいな言葉がセットになってきてしまう。』


菅原さん『それって逆の立場だと逆に父親の男性に今日お子さんどうしてるんですか?ってあんまりそういう言葉って出てこないんですよね。いつも子育てしてても、子育てするなんていい奥さんだね、あえて奥さんって言いますけど、いい奥さんだねと褒められたことないですよね。』

森アナ『ないですね。それってどうですかって言うわけじゃないんだけれどももやっとした気持ちを心に抱えているっていう方が非常に多いんだよっていうこと。』


菅原さん『一例を出してみたんですけど専業主婦っていいよね、仕事しなくていいんだからありがたいと思わなきゃね、って言われた時。

何気ない、何気ない言葉としてね、たぶん言う方は言ってるんだと思います。でも言われた方はその時ですね、ハッとなるんです。

いやいやいや、ワンオペで家事育児めちゃくちゃ大変なんですけど、いや私、前に仕事してた時の方が楽だなって思ってるんですけどっていうのを説明したいけどでもそこまで説明するのもどうなんだろうって。どうしようかなって思ってたら、次の話題になっちゃって次の日にあの時言い返せばよかったけど・・・。言われた方はずっともやもやを感じちゃうんですよね。』


言った側は何の悪気もないので特に何も傷つけたとか言っちゃいけなかったなって気づかないで終わってしまう、こういう言葉がモヤモヤ言葉。

このモヤモヤ言葉というのには名前があるそうです。

もやもや言葉→『マイクロアグレション』小さな攻撃

菅原さん『マイクロアグレッションっていう言葉が少しずつ広まってきて直訳すると小さな攻撃っていう意味なんですね。個人に対して、例えば女性とか先ほどで言うと専業主婦とか子育て中の女性とか色々な人に対してちょっと辱めてしまうようなメッセージを発する。ちょっとした日々のやり取りなんです。すごく攻撃してやろうとかなんか差別してやろうと思って発するような言葉じゃなくって、むしろよかれと思ってとかむしろ褒めようと思って言った言葉で実はなんかモヤモヤしたり、傷ついてしまったりっていうような言葉のことをマイクロアグレションって言います。このマイクロアグレションって、無意識なので自分が受ける可能性もあるけれども言ってしまう可能性というのもあるわけです。』

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森アナ『マイクロアグレッションにならないような一言を自分が使えるようになるためにはどうしたらいいでしょうかね?』

菅原さん『そうですね、やっぱり私たちトレーニングがすごい必要だなって思ってるんですね。トレーニング。それってどういうことかって言ってやっぱりいろんな人たちがいる。どうしても職場とか家庭とかって同じ価値観を持ってたり、同じ属性、しかもその中でこう パワーバランスがあったりする中でお話してるとちょっと違う価値観に出会ったりと。自分と違う価値観の人がどう思ってるかって出会う機会ってなかなかないと思うんですね。それにどれだけ出会えるかというのがすごく大切だと思います。』

『もう1つ思うのは大前提として自分にはバイアスがある。自分にも差別の意識が残念だけどあるっていうことを前提にコミュニケーションするのってすごく大切だと思うんですよね。冒頭で私20年 ジェンダーのことやってるって言ったんですけど20年やってても私失敗します。間違って、失礼なこと言っちゃった。ジェンダーのことで、自分で思い込んで言ってしまったって失敗があるんですよね。だから自分は差別、差別する気持ちはないんですって言ってる人を見るとですね、私ちょっと大丈夫かなって心配になっちゃいます。』

だからこそもう自分自身にも差別はあるかもしれない、アンテナを常に自分に張っておかないといけないということです。


一例で冒頭のように『君はニコニコ笑っててくれたらいいから』って言われた時に勇気出して言ってみた、とします。

菅原さん『部長、私仕事できてるんでと。ニコニコして笑うってそれってちょっとハラスメントだと思いますって、例えば勇気を出して言ったとします。それを言われた側は、いやいや別にそういうつもりじゃなかったよ悪気はなかったんだ、そんなこといちいち言われたらもう、何も言えなくなっちゃうよっって言いたくなると思うんですけどぐっとこらえてください。そうやって言われたらありがとう、ごめんね、言ってくれて言いづらかったよね、言ってくれてありがとうってまずは言ってください。納得いかないかもしれないけど、まだごめん、正直まだ納得いかないところもあるけど君がそう思うってことは分かったからこれから勉強するねと言って、そこから考えていくってことやっていただきたいです。』


言われた時の対応というのも確かにその一言、ありがとうそれで気づけたという風に言えるかどうかというのがその後のまたコミュニケーションにも繋がってくるかなと思います。

(続きます)

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

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