『どうやって聞いたらわからん(先生に)』
よく患者さんから言われる。
乳がんだけでなく、がんはひとつではない。
その方のがんの性質や大きさ、できた場所、そしてご本人の状態によって治療は組み合わせられる。
乳がんの場合は放射線するのしないの?リュープリン(卵巣の機能を止める)打つの?打たないの?などなど。私はやってないけど、あの人はやっている、ということで悩んでしまっているひともSNSでよく見る。
これが一番よくない。
まずは主治医に聞く、が大事だ。メモは必須。私はいつも動画を撮っているので(ドキュメンタリー用・・・むしろ職業病か)見返している。事前に質問事項を紙に書いて持ち込むことも有効だ。私がさらに大事だと思っているのは、前回から今回までの自分の調子を整理しておくこと。
婦人科で漢方薬を受け取っているのだが、どれを飲んでいたときにどんな症状が改善されて、どの薬だといまいちだったとか。
ひとつひとつが次の薬選びにつながり、結果的に微妙な関節痛の改善につながった。治療は長い付き合いだからこそともいえるが、自分の身体との対話でもある。
よくなっても2か月後には違う症状になるかもしれないし。
治療は納得感だと思う。
母は服薬の抗がん剤を勧められたが最悪の結果もきちんと分かったうえでホルモン治療のみ、とした。それでも副作用があり、薬剤変更をしたが、80歳超えた今でもピンピンしているのはある意味で奇跡だったりもする。
一方で、両側乳がんだった私は抗がん剤治療を『念のため』やりたかったのだが、主治医はデータを見て不要と判断した。
でもそれは、違う先生が見立てたら違っている可能性もある。さらに、10年前と5年前と今とは違う選択肢も生まれている可能性が大いにある。
『念のため』の方が安心できる人ももちろんいる。他方で絶対やらなければいけないものは絶対やるべきであり、説明をちゃんと聞いて納得すべき。
自分がどういう暮らしをしたいのか、どう生きていきたいのか、が大事だ。
最近では旅行にいきたいので抗がん剤の時期を調整するなんてことをしている方もいる。
副作用の出る時期がある程度わかるタイプの方に多い。子供の運動会に行きたいとか。長く付き合う病だからこその配慮だろう。
標準治療は名前が悪い、と思うけれども、平凡な治療ではなく、最善の治療。
よくよく医師と相談して最善策を練ってほしい。
私の父は胃がんで若くして亡くなっている。見つかったときにはすでに手の施しようのない状態。本人は知らずに亡くなっている。(気づいていると思うけど)
昔の父のように自分で選択ができない状況にはしない方がいいと思う。もしも、もしも再発転移したとき、自分でやりたいことに優先順位をつけたいと私は思っている。
そして、余命、生存率も統計でしかない。その人にとってのものではなく、集合体の結果。医療の進歩によって伸びているのはいうまでもない。
でも人は悩む。これも仕方ない。
5月26日(日)午前10時~ マギーズ東京で患者さんの支援をされている看護師さんとお話する機会があります。
無料ですので是非。
がんとともに、、、。
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