暑い夏を乗り切るキーワード「暑熱順化」。天使大学の秋山先生に聞くその対策とポイント
2024.06.17
6月を迎えた北海道。5月下旬からは肌寒い日も多かったですが、初夏を迎えて好天が続き、これから夏に向かっていくことを感じる気候ですね。
先日気象庁が発表した3カ月予報によりますと、北日本の6月、7月の平均気温は「平年並み」か「高い」。8月は「高い」見込みだという事です。
ここ数年"猛暑"が続く北海道。今年もあの暑さがそろそろやってくるのでしょうか…!?
夏本番を前に、天使大学看護栄養学部看護学科の秋山雅代先生に暑さで体調を崩さないようにするポイントを聞きました。
夏の暑さに備えるためのキーワード
体を暑さに慣れさせることを指す「暑熱順化」という言葉が、夏の暑さを乗り越えるキーワードです。
「暑熱順化」は、真夏に暑さが続いた時に体がその暑さに慣れていくこと。
この暑熱順化が出来ていないと、気温が高いときに体が熱を逃がしにくく、体温が上がりすぎることで「脱水症による倦怠感や意識障害」、「塩分バランスの崩れによるけいれん」、「生命維持に必要な酵素の機能低下」からエネルギー不足や体調不良、熱中症になりやすい状態になります。
暑熱順化に大切なのは1日の中で「汗をかく習慣」をつけること。ぜひ毎日続けて習慣づけましょう。
汗が出る習慣をつけると、どんな効果があるんでしょうか。
人の体は体温を一定に保つために、体温が上がると皮ふの表面から熱を発散する働きがあります。
体の表面の水分や汗が蒸発する事で、その時に熱が奪われて涼しくなるというメカニズム。
これがスムーズにできることで気温が高いときにも体温の上昇を抑えることができます。
そのほか、汗を多くかけると汗に含まれる塩分が少なくなって体の塩分を失いにくいとも言われています。
暑さによる熱中症予防のために"汗をかく"重要性
まず大事なのは、汗をかくときは"大量に一気に出す"ということはしないこと。身体にあまりよくありません。
暑さによる熱中症の予防には、汗をかいて体温を下げる「訓練」が必要です。早歩きなどでこまめに汗を出すことで、自然に汗腺を鍛えましょう。
おすすめなのが「インターバルウォーキング」。
ややきつい速歩を3分、普通の歩きを3分、それを繰り返すというものです。15分から30分続けるのがめどですが、無理せずに汗ばむ訓練をしてほしいと思います。
その他にもおすすめなのが「お風呂」。体を温めながら汗が出て、気化熱もしっかり生まれるので暑熱順化に効果的です。
暑熱順化のためには、こういった対策を2週間程度続ける必要があるとされています。
毎日の生活の中で少し汗ばむ事を心がけ、それを継続することが大切です。
汗がかけない、かきづらい人は?
汗が出づらい方は濡れタオルなどで皮膚の表面をしっかりと湿らせたり、スプレーで水を吹きかけるといいかと思います。そうする事で皮膚からの水分蒸発を促す事ができます。
また、秋山先生おすすめの暑さ対策が『保冷剤を布で巻いて両手に持つ』こと。
手のひらには、AVA血管というのがあり、ここを冷やすと手を通る血液の温度を下げて腕や首などに冷たさが伝わります。(ただし、冷やしすぎると血管が縮んで効果がうすれますのでご注意ください。)
暑い夏を乗り切るのにおススメアイテムも!
夏の暑さ対策アイテムも多く発売されるようになりました。
注目なのが冷やして首にかける「ネッククーラー」や
衣類にかけて冷涼感を感じる「シャツミスト」など、直接涼しさを感じるアイテムをはじめ
熱中症予防に欠かせない経口補水液やスポーツドリンクなどの水分補給商品も充実。
夏本番になると、人気の商品は売り切れてしまうことも。
今からどんな商品があるのかお店で確かめ、早めに買っておくことも検討してはいかがでしょうか。