自分が受けるべき治療が自分の地域で受けられるのか?
がんと診断されたばかり、右も左もわからない。例えばそれが乳がんだったとき、思わず【乳がん 最新治療】とネットサーチしてしまうのではないだろうか。
今、手元でサーチしてみたけれども、乳がん 最新 だと 国立がん研究センターが整えている【がん情報サービス】などの情報が先頭に来るけれども、乳がん 最新治療 と入れたときはスポンサー企業(広告をかけた会社)のページが埋め尽くす。
だいぶわかりやすくはなったのだけれども、広告をかけたページだ、ということを分かったうえで読み解くべきである。
乳がんの場合は切らない治療 というキーワードを入れたくなる。(現に入れようとするとすぐに候補に出てくる)
早期乳がんにおいてラジオ波焼灼療法による、乳房を切ることのない低侵襲な治療選択肢が新たに加わった、のは事実だ。
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/1215/index.html
こちらのがん情報サービスのページをよく読んでほしい。
2013年から臨床試験が行われた結果、2023年の12月に保険承認となった。しかしすべての人が当てはまるわけではない。
適応とされる早期乳がんの腫瘍の大きさやその腫瘍のタイプや広がりによってできるひととできない人がいる。
そして、さらにいうとできる病院とできない病院がある。たとえその適応になる早期がんだったとしても、その術式に対応していない病院も多い。
https://www.jbcs.gr.jp/modules/citizens/index.php?content_id=1
早期乳癌ラジオ波焼灼療法 を行っている、日本乳癌学会承認施設を確認してほしい。
こうした情報もがんになった瞬間に集めないといけない。
いざとなったときに慌てないために、ぜひあらかじめ、ガイドラインも読んでほしい。
治療は受けたい、でも転院はしたくない
私は病院の待合室で、再発を告知されてしまった女性から話しかけられることが多い。聞くとこの病院では新しく適応になった分子標的薬が使えない、という。もちろんまだ他にもこれまでの標準治療の中から有効な選択肢はあるのだけれども、受けたいと思った治療には心毒性があるため、経過をみるための乳腺外科医以外の専門医が必要、状況が整わないというのだ。
その治療が受けられる病院への転院を迫られる。大学病院のような場所、当然大都市圏のみだ。
地方からだと通わねばならず、子育てなどをしながらだと、さらに困難が増す。住み慣れたところで受けるのをあきらめなくてはいけないのだ。
こうした場合の交通費や宿泊費、また付き添いなどで負担が増していく。金銭的な事情であきらめる人も当然出てくる。
地域医療を充実させて、受けやすくするためには医療とともに付帯サービスなども充実させる必要がある局面になってきているのではないだろうか。
小児がんなどの施設にはドナルドマクドナルドハウスなどの親御さんなどのための施設がある場所も増えてきたと聞く。(まだ必要)
医師不足、施設不足を鑑みると地方医療圏ではある程度の集約化は必然。(じゃないと症例や均てん化もかなわない)
拠点病院の近隣の安価な宿泊施設は大人や高齢者にとっても、必要と言えるのではないか。
治療が多様化して、複雑化。自分が受けたい治療が住み慣れた地域で受けられなくなってきている状況。
よりよく生きるために・・・医療そのもの以外にも目を向けるときが来ている。
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