東西落語界の真打登場!「まくべつ格別落語まつり」9月16日(月祝)「東西落語名人会」の魅力を桂かい枝師匠がご紹介
2024.08.21
#イベントまくべつ格別落語まつり「東西落語名人会」
東西落語界の名人が幕別町に登場します。『まくべつ格別落語まつり』が来月9月15日(日)16日(月祝)にいよいよ開催です。
きょうはそのクライマックス「東西落語名人会」の魅力について、『まくべつ格別落語まつり』には2022年初年度から関わる上方落語の「桂かい枝」師匠に伺います。
桂かい枝師匠
古典落語や創作落語に加え、日本独自の笑芸「RAKUGO」の魅力を世界にも伝えたいと1997年より英語落語の海外公演を行う。文化庁より文化交流使に任命され、1年かけてキャンピングカーで全米を巡るアメリカツアーを実施。オーストラリア シドニーのオペラハウスや、アメリカの国立劇場ケネディセンターなど世界的な劇場でも英語落語を披露。世界28か国108都市で300回を超える公演を行い、今月のギリシャ公演で海外公演は29か国目に。現在、小学校、中学校と高等学校の複数の英語教科書に取り上げられている。
「東西落語名人会」
― 「東西落語名人会」の魅力は?
かい枝:まずは北海道という土地で、上方と江戸と両方楽しめる。札幌では「さっぽろ落語まつり」がありますけど。十勝の地域では江戸落語はありますけど、上方落語も両方という機会は本当に少ないと思うので。しかも今回は東西の協会の会長さんが揃うというのはあんまりないところかなぁと思ってます。
落語入門編として最適
かい枝:昇太師匠も新作派で、実は仁智師匠も新作派なので。落語初めての方でもすごくわかりやすくて楽しい。入門編としては最適なメンバーかなと思っておりまして。とにかく「落語を一度観てください」と。もったいないという気すらするんですよ。落語という文化をご存じないまま死ぬのはもったいないなぁというぐらいで。
― (笑)
かい枝:このメンバーを、この価格で、これだけの人たちを観れるっていうのはホントにないと思うんです。まぁ騙されたと思って来てほしいです。で、騙された思ったら…もうそれはすいません(笑)でもほんまに僕そう思います。
春風亭昇太師匠
― 顔ぶれが豪華!『笑点』でお馴染み、落語芸術協会会長・春風亭昇太師匠は?
かい枝:昇太師匠は昔から可愛がっていただいていて。昇太師匠は古典、新作、両方やられるんですけど。ホントにポップというか、落語が初めての人でも凄くわかりやすく演じてくださって。とにかく通の人というより落語が初めての方に聴いてもらいたいですよね。
昇太師匠の「時そば」っていうネタがあって。雑誌に十八番って載ってましたが。それは私、15年ぐらい後輩かな。私が昇太師匠に教えたやつなんですよ。
― 後輩が先輩に教えた?
かい枝:そういう珍しいパターンもあって。教えた言うてね、録音してくれ言うて録音しただけなんですけどね。大阪は「時うどん」って言って東京は「時そば」って言って。大阪の形で昇太師匠やられてるんですけど。大阪と東京では演じ方とストーリーの展開がちょっと違うんですよ。大阪のほうが笑いが多いからそれを昇太師匠はやられたんですけど。
桂二葉師匠
― 今人気の二葉(によう)さんも登場!
かい枝:「桂二葉」さんという女流の、東京でも大阪でもチケットが全然取れないような人なんですね。
― 『探偵!ナイトスクープ』の探偵役も面白い!
かい枝:そうですね。あと『ぽかぽか』。フジテレビの水曜レギュラーで出てたりして。「金鳥」のコマーシャルとか出たりねぇ。
― ブッキング、大変だった?
かい枝:1年半前からスケジュールはもらって。彼女が若い頃からよく前座で毎日出てもらってて。売れてほしいなぁと思ってたけど。売れるとも思ってたけど。あんなに売れるとは思ってへんかったから。ちょっとなんか売れるとうれしいけど…売れすぎると腹立ちますよね。冗談ですけど(笑)ホントに一生懸命落語に取り組んでいるので。性別を超えて落語の登場人物になりきって演じる、素晴らしい落語をされるので。聴きごたえがあると思います。
― 上方落語協会会長の笑福亭仁智師匠は?
かい枝:早くからずっと新作落語をやられてて。とにかく面白い落語をされますね。無茶苦茶面白いですね。ホントに単純に面白い落語なので。
― かい枝師匠自身は?
かい枝:わたし吉本なので難波の花月でもずっと出てるんです。新喜劇や漫才と混じって舞台やっているので。吉本の劇場に出ることで、漫才とかお笑いがお好きな方に「落語って面白いですよ」って漫才に負けずに笑いをとって落語の面白さを伝えるっていうことをやっているし。外国人に伝えるという意味合いで英語落語をやったりやさしい日本語で落語をやったり。初めて来ていただいた方に「落語って面白いですよ」っていうことをホントに心に強く刻んでいただいて。人生の楽しみの一つに。読書に加えて落語もとかっていう感じで。
落語は世界に類をみない「話芸」
かい枝:映画だとか色んなものを見聞きしても、たいがいどれかの落語のパターンに落とし込めるというぐらい落語は様々なお噺のパターンとか流れがあったりするので。今普通に演じられているのだけでも600、700あるって言われているぐらいなので。世界的に見てもいわゆる「口伝」。口伝えの伝承の形で残っているストーリーテリング、話芸っていうのは世界では全然ないんですよね。
脳のリフレッシュに!
かい枝:時に憂さを晴らしてくれたり。ちょっと傷ついたこころを癒してくれたり。ストレスの多い日常を一瞬忘れて、お話しを聴いて想像することで「脳のリフレッシュ」っていうか。笑うことと、そして頭の中で想像して楽しむということをぜひやってほしいなぁと思いますねぇ。
昔の日本人の方が作った。おそらく古典落語って100年前とか200年前にできたお話しなんだけど。いわばその頃の日本人が笑っていたもので、今の日本人も笑えるわけです。いかにそれが時代を超えて素晴らしいものか。人間の本来の面白さっていうかおかしみを表現しているので。だから日本人には特によく響くと思いますし。みんなが寄って、知らない人同士が笑い合うという経験はすごい幸せな気分になれます。これ海外でもよく言われることなんですけど「落語はイノセントで、いわゆる純粋で素直で、家族全員で楽しめるコメディだ」って言われるんです。アメリカのスタンダップコメディだと性的なことだとか差別的な部分とか。笑いが強い分そういうものを表現しがちですけど。落語はある意味平和なんで。家族全員で観に来てほしいですね。
アマチュア蝦夷落語大会
― アマチュア大会、今年は21人が全国から参加します
かい枝:それは素晴らしいですね!去年までは北海道の方だけだったんですけど。今回は賞金が付いたということもあって皆さん本気で獲りに来ると思うので。時間も限られてる中で、10分ぐらいだと思うんですけど。僕らが、落語家はほわっとした感じで目の前のお客さんに楽しんで貰おうという意識ですけど。その方々はやっぱり優勝しよう!とか。他の人たちよりも面白く!って。気合の入り方は僕ら以上かと思いますので。ただ言いたいのは…僕ら以上には面白くはしてほしくない。ルールとして盛り込みたいと思います(笑)。
とにかく劇場に足を運んでいただいて。朝ですよね、アマチュアは。アマチュアのを観て…面白かったらプロのを観るというのもありかもわかりませんし(笑)アマチュアので帰るより。プロのも観て「あ、プロはこの程度か」って思うかもわからへんし。「プロは違うなぁ」って思うのかもわからへんし。逆に聴き較べていただければなぁって思いますねぇ。とにかく落語が初めての人。一遍聴いていただいたら。「はぁこんな素晴らしいものがあったのか」って思っていただけるので。何の予備知識も何の事前学習も要りませんから。映画を観たりお笑いを聴きに来る感覚で聴きに来てもらいたいと思います。
まくべつ格別落語まつり「東西落語名人会」は2024年9月16日(月祝)午後2時開演。場所は幕別町百年記念ホール大ホール。
木戸銭は全席指定3000円・高校生以下1000円です(当日プラス500円)。「アマチュア蝦夷落語大会決勝」は午前10時からで入場は無料。司会はHTB大野恵アナウンサーです。
詳細は「幕別町百年記念ホール」ウェブサイトでご確認ください:https://m100.jp/