体のパフォーマンスを左右する「自律神経」を知る。天使大学の榊先生に聞く自律神経の役割と整え方 | HTB「イチモニ!」健康けっこう!調べ隊
2024.10.08
最近よく耳にする「自律神経」という言葉。
特に暑い日が続いた夏の間、"夏バテ"の原因として「自律神経の乱れ」が挙げられたりも。
この自律神経とは、いったいどんな役割を担っているのでしょうか。天使大学看護学科の榊(さかき)教授に教えてもらいました。
自律神経は、自身の意識と関係なく行われ、人間が日常生活を送るうえで必要となる全身の活動、たとえば呼吸や心拍、消化などをつかさどる神経です。
この自律神経は全身に存在するのですが、特に注目されるのは内蔵における自律神経の働きです。
心臓や腸の動きをコントロールするためのものとして知られています。
たとえば、「今から心臓の動きを10秒間止めてください」と言われても、できるはずがありません。
ほかにも、皮膚の近いところにある血管の収縮や、汗をかいたりすることも、自律神経の働きです。
運動をすると心拍が勝手に上がり、呼吸も荒くなります。汗をかいたりもします。
私たちが無意識のうちに、身体に勝手に起きていることは自律神経が制御しているんです。
人間にとっての"自律神経"、一言でいえば「アクセルとブレーキ」
自律神経というのは「交感神経」と「副交感神経」という二つのものに分かれています。
たとえば、体の中で代謝を活性化させてエネルギーを作り出すなど、体の中を興奮状態にもっていく"アクセル"の役割を担うのが「交感神経」の役割。「副交感神経」は逆に"ブレーキ"の役割。心拍を下げたり、血管を緩めてあげたり体の中の状態を落ち着かせる役割です。いずれも自分の意志で「やろう」と思ってもできないことを担っています。
この自律神経は、ストレスや、生活ペースの乱れが原因で乱れるということはよく言われています。
仕事でものすごいストレスを抱え続けた状態になると、興奮が夜まで続いてしまって、なかなか寝付けない。そうするとよく眠れなくなり、睡眠が浅く、質も悪くなります。
体がしっかり休めないまま朝に向かってくるとパフォーマンスが下がることにもつながり、悪循環になってしまいます。
今日から実践できる、自律神経を乱さないための「ひと工夫」
そういった悪循環を生まないために工夫したいことがあります。
まずは、夜の時間に携帯電話を見ないこと。そして、朝起きたら朝日を浴びましょう。
自律神経の変動というのは24時間周期で生物時計と言われています。生物時計の変動と、交感神経・副交感神経はある程度影響しあって動いていることがわかっています。
例えば目から陽の光が入ることによって、生物時計のずれがリセットされるんですね。それに合わせて自律神経もリセットされていきます。
特に青色の光、携帯電話のブルーライトが目に入ってくると、陽の光を見ることと同じような現象が起きてしまいます。
そうなると自律神経を含めた体の調節にどうしても影響してきてしまいます。
そういった、自律神経を乱す要因となる行いを、日常生活を見直していく中において、直せるところから直していくことが大切です。