「マラソンのキッザニア」を目指す!?子供が走って学ぶ!北海道浦幌町「うらほろマラソン」の挑戦

北海道浦幌町が「教育×マラソン」に取り組む

マラソンを教育の一環として取り入れるユニークな取り組みをしている自治体があります。それが北海道南東部にある「浦幌町」。巨大な畑作地帯「十勝」の町ですが、太平洋にも面している山も海もあります。

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(「北海道浦幌ガイド」から)

食料自給率は2,900%。札幌からはJRで3時間。とかち帯広空港・釧路空港からはいずれも約1時間。豊かな自然を活かした一次産業に加え、移住者を中心に地元産の食材をブランド化する取り組みも進んでいます。

走って学ぶ!「うらほろマラソン」

今年の春2024年6月23日、『うらほろマラソン2024 powered by the Fst』が行われました。会場は浦幌町・うらほろ森林公園で大人を含め十勝管内を中心に総勢約3,000人が参加しました。

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3年目の今年は「子供のためのプログラム」を中心に展開。子供たちが体力と知力を育める工夫が随所に見ることができました。

工夫①「キッズチャレンジ」 

運動が不得意な子供にとっては、マラソン大会は激しく体力を消耗する「苦行」と捉えられがち。しかし、子供の体力を育むことがテーマのうらほろマラソンの「キッズチャレンジ」は違います。

1キロから4キロを走る大会本番に向けて、大会の前から約1か月間準備する「事前チャレンジ」という“カリキュラム”を用意。地域の指導者の元で大会に必要な体力をつけてもらう取り組みです。

そしてその努力がしっかり結実。大会本番の子供たちは、皆それぞれに一生懸命、楽しそうにゴールしてくる姿が印象的でした。

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工夫②「おしごトライランド」

うらほろマラソンは、走って終わりではありません。ゴールした会場には「ゴールピクニック」と題して、美味しい食べ物を提供するキッチンカーが勢ぞろい。汗をかいたあとに、家族で食べる食事は格別です。

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さらに、今年は新たに「おしごトライランド」が登場。子供たちが遊びながら「職業体験」ができるコーナーです。

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消防署による消火体験ゲームや、パトカーや白バイに試乗して警察官気分を体験するブース。さらに協賛企業のブースでは、電気を発電する体験、高所作業車に試乗しての電線工事の疑似体験などなど。遊びを通して世の中の仕事への理解や関心を育む試みです。

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「浦幌らしいマラソンに」

事務局として大会実現に汗をかいた、街づくり会社『十勝うらほろ樂舎』の汰木健吾さんの話です。汰木さんは学校だけでなく、町民皆で子供を祖育てる「うらほろスタイル」と呼ばれる町の教育方針に共感して浦幌町に移住しました。

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― 今年のうらほろマラソンは?

汰木:うらほろらしさがあったマラソンかと思いました。15キロ・35キロなどのザ・マラソンという種目を今年は実施せず、キッズ・多世代が参加できる5キロウォークとリレーに振り切って行いました。

― 実施してどうでした?

汰木:最初は不安ではありましたが、当日の子どもたちの笑顔と応援する保護者さまの姿、5キロウォーク・リレーマラソンは0歳から79歳まで参加し楽しみながら歩いていただいている姿、企業の体験ブースでは子どもが必死に働き家族団らんで飲食を楽しむ姿をみた時に。子どもを軸にした町・浦幌らしさをマラソンを通して表現できたなと思いました。そして、何よりこういうチャレンジを町一体となって応援してくれる浦幌には感謝しています。

― 大会は子供たちの発案だったとか?

汰木:4年前に、町長や保護者もいらっしゃる浦幌の活性化案を発表する授業の中で、子供たちから「スポーツを通して浦幌の魅力を発信できるイベントを作ってほしい」という提案をいただいたことがありました。そこから時を経て、マラソンの大迫傑さんとお会いした際に「そういう思いをもった子供たちがいるんです」ということをお話したところ「マラソンだったら僕もできるので一緒に取り組みませんか」というお話をいただいたのが背景にあります。

― 全国でも珍しい大会ですよね。

汰木:あまり例がないと思います。

― 仕事体験の反応は?

汰木:子供たちが色んな仕事に触れられる機会があたのが良かったかと思います。職業体験をした子供たちは「キッズエール通貨」というチケットを貰って飲食店に行く。自分たちが働いたお金(チケット)で購入できるのは子供たちにはお金の勉強にもなって良かったという声もいただきました。お金の使い方、自分で仕事を選択してみる体験はいい時間になったのかなと。

― 来年は?

汰木:6月22日に開催する予定です。大人のマラソンをどのような形にするかは未定ですが、今年のやり方を踏襲した大会にします。浦幌の魅力発信は「子供たちを軸に」というのが凄くあるなと思っていまして。来年も「キッズチャレンジ」を行うというのは確定しているので。子供たちが輝き楽しめるような時間を作りたい。それを自分たちだけじゃなく、地域の方々や企業様と作りたいという思いがあるというところです。


「うらほろマラソン」公式ウェブサイト:https://urahoro-studyum.com/pages/project-marathon

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

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