Sponsored by 農林水産省北海道農政事務所
北海道の"食"を世界へ!シンガポールで盛況となった食品輸出促進プロジェクトに迫る!
2025.02.18
"食"の宝庫、北海道。
日本全国、いや、今や全世界から北海道の美味しいものを求めて多くの人がやってきます。
一方で、こういったインバウンド観光客の増加のように私たちが実感を持つことは少ないですが、注目されているのが北海道の食の輸出。
その食の輸出を後押しするため、農林水産省北海道農政事務所が取り組むのが、北海道の農林水産物・食品の輸出拡大を目指して生産者や食品メーカー、輸出商社とともに取り組む「GFP北海道」という事業です。
「GFP」とは
G:Global
F:Farmers / Fishermen / Foresters / Food Manufacturers
P:Project
の頭文字から名付けられた農林水産省が推進する日本の農林水産物・食品の輸出プロジェクト。このプロジェクトは全国各地で実施されていて、北海道エリアでは、全国版のGFPと連携して北海道に密着した支援体制として令和4年に発足。北海道内の農林水産事業者・食品産業事業者を対象に、初心者から経験者まで皆様にきめ細やかなサポートを行っています。
詳しくは農林水産省ホームページから: https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/gfp/gfptop.html
いよいよGFP北海道から、世界へ北海道の食が飛び立つ!
このプロジェクトでは昨年8月から道内各地(小樽、函館、名寄、札幌)で道内の食に関する事業を行う企業を対象にセミナーを開催。輸出に精通した講師による講演やシンガポールと台湾在住の事業者による現地事情のレクチャーが行われました。
函館でのセミナーの様子
その後、セミナー参加者の中から希望者を募り「海外テストマーケティング」を実施。これは実際にシンガポールと台湾に渡って、一般消費者向けのマーケティング調査(BtoC)とバイヤー商談会(BtoB)を行い、輸出のノウハウを学ぶというプログラムです。
会場となったジャパンレールカフェ
試食会の商品カタログ
会場となったジャパンレールカフェは、シンガポールにおける日本に関する情報発信の拠点。ここでシンガポールの一般の皆さんに試食してもらい、アンケート調査を行います。味はもちろん、パッケージデザインや価格などアンケートの結果が今後の輸出戦略の材料となります。
1月19日(日)は14時の開場前から行列ができるにぎわい。来場者の多くは北海道に高い関心をもっており、北海道旅行のリピーターも。およそ300名の来場者から収集したアンケートは、シンガポールへの輸出拡大に向け貴重な材料となりました。
現地参加者に向けた試食会の様子
北海道から運び込んだ試食用の食品
翌日の1月20日(月)には、現地バイヤーとの商談会やスーパーマーケットの視察によって、どのような商品がうけるのか、参加事業者にとってノウハウ構築のための貴重な機会となりました。
バイヤー商談会
スーパーマーケット視察の様子 明治屋ミレニアムウォーク店
今回参加した事業者の方も手ごたえを感じたよう
今回この事業に参加した、栗山町のThe北海道ファーム株式会社 代表取締役 髙野龍一さんにお話を聞くことができました。
ー 今回の事業に参加してみての感想は?
髙野さん:私は普段はトラクターに乗っている”農家のおじさん”でして、農家として「作る」ことに軸足があるのはもちろんですが、「売る」ということをより意識する機会となりました。実際にシンガポールに渡り、試食会で現地の皆さんに食べてもらったり、企業のバイヤーさんと商談することができた経験は非常に刺激になりました。
ー 参加したきっかけは?
髙野さん:もともと輸出に興味があり伝手をたどって調べている時に、北海道農政事務所から紹介があり参加しました。私どもは様々な作物を扱っていますが、なかでも北海道のコメをアジアに売り出したいという思いがあって、シンガポールでのテストマーケティングに臨みました。
ー テストマーケティングで気づいたことは?
髙野さん:実際に現地のスーパーマーケットを視察した際に日本のコメが店頭に並ぶのを見て、ビジネスとして成立させるためにはまだ工夫が必要とは感じますが"十分勝負できる"という感触が得られたのが大きかったです。
ー 必要になりそうな工夫とは?
髙野さん:今回、シンガポールを訪れてみて農作物の産地としての「北海道」というブランドはすっかり定着していると感じました。しかし、それに甘えるのではなく他の産地との差別化のためにパッケージデザインに凝ってみるとか、ギフト商品としてのコンセプトメイキングなどの工夫が必要と思いました。
ー 今後の展望は?
髙野さん:シンガポールの皆さんと触れ合うことで輸出への意欲がより高まったことは事実です。農家としてのモノづくりのストーリーが重要ということを再認識しました。また、単に輸出を目的とするのではなく、いかにビジネスとして成立させるか、慎重な検討が必要だとも感じています。今回つながりができた関係先と継続的にコミュニケーションを図りながら、輸出に向けての研究を進めていきたいです。"農家のおじさん"としては、北海道の土で自分の手で作ったものが、シンガポールのスーパーマーケットの店頭で、現地の人が手にする様子を見届けたい。そんな思いが強くなりました。
次なるターゲットは台湾!
今回シンガポールを対象としたこの支援事業。2月27日(木)から台湾でも実施が予定されています。
北海道で生まれた価値ある食品が世界各地へますます広がっていくことでしょう。