昨シーズンの来場者数は歴代最高!アイスホッケーチーム「レッドイーグルス北海道」躍進の裏側とは

レッドイーグルス北海道は、1926年(大正15年)に王子製紙苫小牧工場職員が立ち上げた王子スケート同好会「王子イーグル」が原点です。

北海道苫小牧市を拠点に活動する実業団アイスホッケーチームとして親しまれてきましたが、2021年にクラブチーム化。運営会社「株式会社レッドイーグルス北海道」を設立し、プロアイスホッケーチームとして競技の活性化やファン層の拡大を目指してきました。

クラブチーム化して4年で、平均来場者数・SNSフォロワー数・グッズ売上・ファンクラブ会員数を飛躍的に伸ばした、その背景とは!?

昨シーズンの来場者数は歴代最高!ファンをどう増やしてる?

今年5期目となるレッドイーグルス北海道。

実は「昨シーズンの平均来場者数が歴代最高」となるなど、ファンを増やしています。いったい苫小牧でどんな取り組みをしたのか?チーフマネージャーとしてクラブ運営の多様な役割を担う田中強さんがその裏側を語りました。

もともと王子製紙の実業団チームとして苫小牧の地で長く親しまれてきた伝統があるがゆえの苦労もあったといいます。

「勝つことがファンを増やす」そう声をあげる人も多い中で、「勝ち」へのこだわりから「感動を与えること」にシフトチェンジ。「クラブチームの目的は、地域の皆さんと一緒に地域貢献に取り組み、地域を元気にすること」だと掲げ、地域課題の解決に取り組むことから始めました。

駅前の商店街の活性化をはかるため、選手とYouTubeを活用したPR活動を行い、地元の商品をアウェー試合時に販売するなどして全国に苫小牧の魅力を発信。地元図書館や企業と連携するなど、とにかく町に出て認知を高めて、存在価値を高めることに努力したそうです。

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2期目では「ホームゲームのエンターテインメント化」と「戦略的来場者促進策」に力を入れました。「新しい学校のリーダーズ」などアーティストによるリンク上でのパフォーマンスや、アリーナDJをおき、照明と音楽で試合展開をライブ感覚で盛り上げました。また、キッチンカーを15台用意するなど、グルメ提供にも注力しました。

「勝ち負けはフロントの力でコントロールすることはできないが、ホームゲームが気軽に見ることができて、負けても楽しかったと来場者に思わせられるエンターテインメント性を作る必要があると考えた」と田中さん。

これまで年齢高めの男性層のファンが多かったことから、ターゲット層を明確化し、20~30代の女性ファンを増やすイベントも企画。親子ペア無料招待なども継続的に行い、アイスホッケーの関心を子ども達にも広げました。

こうしたチャレンジが、実際に来場者の変化に繋がりました。

2021‐2022シーズンの20代以下の来場客は16%だったのに対し、2024‐2025シーズンの20代以下の来場客は28%に増加。女性のファンも増えました。

今季のホームゲームの開幕戦は9月20日(土)nepiaアイスアリーナ。今年のレッドイーグルス北海道は、何を魅せてくれるのか?

どんなイベントや仕掛けで、私たちを楽しませてくれるのか?期待が膨らみます。

前監督が解説!アイスホッケーの魅力

昨シーズンまで監督を務め、今季からフロントに入りチーフマネージャーとして支える荻野順二さんは「現場との架け橋になりたい」と意気込みとアイスホッケーの魅力について語りました。

アイスホッケーはとにかくスピーディーなスポーツ。

氷の上を走る選手のスピードは時速60㎞を超えます。

その速さで、選手同士が激しく接触したり、身を挺してブロックします。

5人1セットでのチームプレーは戦術も重要。

相手のブレイクアウトを防いで、攻めに転じさせないように相手にプレッシャーをかける「フォアチェック」など、試合動画を使いながら分かりやすく解説する荻野さんの話を聞いて、アイスホッケーのシステムについてほんの少し知るだけでも、試合を見る楽しさが倍増することを実感しました。

今シーズンの注目選手については、大久保雅人選手や、木村俊太選手(芽室町出身)、三浦稜介(苫小牧市出身)の成長にも期待して欲しいといいます。若い選手が増え、パワーと勢いを増すレッドイーグルス北海道。北海道唯一のプロアイスホッケーチームの活躍を、道民みんなで盛り上げていきたいものです。

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森さやかが思うコト

シュートするパックは時速160㎞を超えるとも言われており、瞬時瞬時がチャンスにもなり、ピンチにもなる。スピーディーな展開に瞬きも忘れそうになるのがアイスホッケーの面白さ。

私がアイスホッケーの取材もしていた頃、次々と入れ替わる選手や試合展開を必死に追いかけ、生中継のリポートに苦労した経験がありますが、おかげでアイスホッケーの魅力を知りました。

試合を生で見る醍醐味は、その臨場感と「音」。

選手と選手がぶつかる音。氷を蹴って走る音。シュートした時のパックの音。どうか皆さんにも是非、リンクに足を運んでほしい。

そして試合終了後にキーパーを囲んで選手が称えあうシーンは、何度見ても胸が熱くなります。

札幌開催もあり、今季の日程は、9月27日(土)28日(日)、1月24日(土)25日(日)です。ぜひリンクで応援を!

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この記事を書いたのは

森さやか(HTBアナウンサー)

夕方の情報番組「イチオシ‼」MCを担当するなど20年出演。
ラーメンの食べ歩き歴25年。2児の母。
絵本セラピスト、防災士、ワークライフバランスコンサルタント、笑顔のコーチング指導員としても活動中。

コミュニケーション・話し方/接遇マナー/アンコンシャス・バイアス/ハラスメント研修など、講演活動も多数行う。
ジェンダー平等の課題解決を目指す「ジェンダーコレクティブ北海道」にも参画。

地域課題の取材を通して、子育てや介護、病気などの事情を抱えていても、自分らしく生きられる社会を目指し、北海道の地域や企業の事例・取り組みを紹介している。

<これまでに制作したドキュメンタリー番組>
■平成28年日本民間放送連盟賞 特別表彰部門「青少年向け番組」優秀賞を受賞
「おはよう。いただきます。さようなら。~弁華別小学校最後の一年~」
https://www.htb.co.jp/hn/log/2016/04021053/

■北海道映像コンテスト2019 番組部門(放送)で優秀賞
「ごはんだよ。~にじ色こども食堂~」
https://www.htb.co.jp/hn/log/2018/05051000/