古村比呂 四たびのがんを生きる 『がんを恐れず、知識を得ること』『自分を大切にすること』両側乳がんになりました
2025.09.26
HTB秋の大感謝祭にお越しいただいたみなさん、ありがとうございました。
サッポロファクトリー アトリウムで はなさく生命プレゼンツ「私は大丈夫、を疑ってみよう」ということで女性と家族の健康について学ぶトークイベントを行いました。
HTBアナウンサー 大野恵さんと一緒に乳がんにり患して6年になる阿久津友紀も参加しました。
正しい知識を伝えることに尽力している中ですが、大野さんと一緒に16年前にHTBの番組で乳がん患者を追ったドキュメンタリーを制作していたことをまずお話しました。その際に、20人にひとり、と原稿を書いた記憶があるのですが、いまは9人にひとり、、です。
(なんと、ドキュメンタリーは、9月24日にBS朝日で再放送されました。)
お招きしたのは、俳優で子宮頸がんサバイバーの古村比呂さん。
古村さんは1965年に北海道・美幌町で生まれ、江別市で育った道産子です。古村さんは1985年にデビューし、NHKの連続テレビ小説「チョッちゃん」でヒロインを演じました。(いま、、某BS放送で番組が再放送中)
実は、古村さん、海外での仕事のために何の気なしに受けた検診がきっかけで、2012年に子宮頸がんと診断されました。現在は、リンパ節に転移した4度目の再発と向き合いながら治療を続けています。2022年には、自身の著書『手放す瞬間~ 子宮頸がんリンパ浮腫とともに歩んだ私の10年~』を出版されています。
私は、本の出版時に古村さんと出会い、その後も何度か対談させていただいたご縁で今回につながりました。
でも実は古村さん、HTBとは深いご縁が・・・・
1984年に始まったHTBの伝説的な番組「派手~ずナイト」のアシスタントを務めていて、HTBと長い長いつながりがあるのです。古村さんは、この番組でスカウトされて、東京へ出たことが俳優のキャリアにつながったため、この番組がなければ今の自分はいないと語ってくださいました。
古村さんは、体調は現在良好であるものの、夏バテ中。
「実は帯状疱疹で首や頭に発疹ができ、一部の髪が抜けたのです。免疫力が低下しているため、無理のない生活を心がけています。」
現在は6週間に1度の抗がん剤治療を続けています。がん治療の目覚ましい進歩について触れ、10年の進歩がわずか5年で起こりうると話してくださいました。早期発見が重要でそれが明らかに治療の結果に出ていきます。
古村さんは、自身の子宮頸がんが偶然の検診で見つかったと話し、定期検診の重要性を強く語りました。
北海道のがん検診受診率は全国平均を下回っています。子宮頸がん検診は30%台、乳がん検診は40%台。北海道の広大な土地柄、近くにいつでもいける病院が不足、悪天候によって、検診が役場などであったとしても行けなくなる、など様々な原因がいわれています。
古村さんは、13年前の最初の診断時に、幼い子どもたちにどのように病気のことを話したかを振りかえってくださいました。
最初は驚いたものの、成長が進むにつれて、がんを管理可能なものとして捉えるようになり、体調が悪いときには子どもたちが家事を手伝ってくれるようになったと話します。古村さんは、仕事を続けることが生きがいやエネルギーになると言います。患者と会社などの雇用主、両方が、仕事と治療の両立について理解を深めてきているのではないかともおっしゃいました。
私は18歳のときに、父親が胃がんで亡くなり、16年前に母親が乳がんになった頃、さらに自分がり患した6年前に比べ、状況は劇的に変化したと思います。がんとともに生きられるという社会的な理解が深まったとは感じています。
また、通院治療や、医師が患者に仕事を続けることを奨励するようになったことも、大きな変化だと思います。(まだまだ、という声はもちろんあります)
印象的だったのは、古村さんの診断後に「大変ね」という言葉に心を痛めた経験です。
善意からの言葉であることは理解しつつも、何度も聞かされると、自分の人生が本当に「大変」になってしまうと感じたと言います。
なので言った言葉は「ご心配でしょうが、私は前向きにやっていきます。」
跳ね返す言葉ですよね。
同じがんサバイバーの友人の言葉から、前向きな姿勢で治療に臨むことが、自分自身と周りの人々を助けることになると学んだ経験を基に古村さんは、2人に1人ががんになる時代だからこそ、言葉のかけ方に配慮することが重要だと考えています。
もうひとつ印象的だったのは、
主治医から教わった言葉「三つのあ」、すなわち「**あせらず、あわてず、あきらめず**」について。
腫瘍内科医の先生から聞いた、というこの言葉は、落ち着いて、希望を失わずにいるために役立っていると言います。
また、他人に頼ることを恐れないことの重要性も。彼女は、誰にも迷惑をかけずに生きることは不可能であり、助けてもらうことと、それに対する感謝の気持ちを示すことは、前向きな交流となり得ると話してくれました。
私からは女性が働く世代でがんになる確率は男性の3倍高く、男性のがん罹患率が50歳以降に増加するのと対照的であると指摘し、定期的な健康チェックの重要性を強くお伝えさせていただきました。
後半では、はなさく生命の山崎さんもステージに。
女性が自分自身を後回しにしてしまう状況を課題と捉え、情報提供や体験作りを通じて、女性が生きやすい社会を目指す「I'm OK プロジェクト」についてお話いただきました。このプロジェクトの一環で、10月18日に札幌駅前で無料の乳がん検診イベントが開催されることもお知らせしました。
最後に古村さんからは
「がんを恐れずに知識を得ること、そして定期検診を受けることで自分を大切にしてほしい」
メッセージを残してくださいました。私だけが大丈夫、ではない。誰にでもなる可能性があるのが、がん、です。
◆ I’m OK?Action乳がん検診啓発イベント@札幌市
【日時】10/18(土)
【場所】さつきた健診の杜クリニック
【予約は】インスタグラム Instagram @IM_OKPROJECT8739 または
I’m OK?Action乳がん検診啓発イベント@札幌市 参加申込フォーム
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