最強ビッグバンド「小曽根真 No Name Horses」が結成20周年で12月札幌Kitaraに登場!小曽根真インタビュー
2025.11.07
最強ビッグバンド「小曽根真 No Name Horses」 の魅力とは?
国内外で活躍するジャズピアニストで作曲家の小曽根真さん。NYフィルハーモニックら数多くの交響楽団とオーセンティックな楽曲でガチで共演。今やクラシックの世界でも名を馳せるなどジャンルを超えた多才な活動、留まるところを知らない探求心は、名実ともに“世界のオゾネ”がふさわしい日本を代表する唯一無二のマエストロです。

そんな小曽根さんが長年大切にしてきた“バンド”があります。それがビッグバンド「小曽根真 No Name Horses」。デューク・エリントン、カウント・ベイシー、クインシー・ジョーンズらジャズの巨人が切り拓いたビッグバンドならではの分厚いスイング感を継承しながら、よりクリエイティブで洗練された演奏、鉄壁のアンサンブル、そしてメロディアスな楽曲で、ジャズの枠を超えて広く音楽ファンを虜にしてきました。

©鈴木陽介
12月札幌Kitaraで特別公演開催決定!
小曽根真 No Name Horsesが今年、結成20周年を迎えました。日頃はそれぞれ自分のバンドで独自に活動するメンバーが、四半世紀弱の長きに渡りビッグバンドを続けられてきた軌跡と奇跡を祝して、小曽根真 No Name Horsesは2025年12月に1月に続き第二弾となる全国ツアーを開催決定。その皮切りを飾る初日公演が北海道・札幌になりました!2025年12月10日(水)18:30開演、場所は札幌コンサートホールKitaraです。

今年2月にジャズの本場ニューヨークに再び拠点を移し、覚悟をもって再びジャズと向き合い始めた小曽根真さん。根室でのソロピアノ公演の前日かつ翌週にはサントリーホールやヨーロッパでの公演が控えて超多忙な中、sodane編集部は小曽根さんの単独インタビューに成功しました。実は北海道・札幌は小曽根さんにとってかけがえのない街だったことが判明!一体どんなことがあったのか?!たっぷりご紹介します♪
小曽根真インタビュー「札幌は特別な場所」
ー No Name Horses 20周年ですね!
小曽根:僕らを支えて下さっている皆さんにホントに感謝の気持ちで一杯です。JAZZといってもオリジナルの音楽をやってきて、「その音楽を聴きたい」と思ってくださるファンの皆様がいらっしゃることで僕らも「今度はこんなことやってみよう、あんなことやってみよう」とこの20年の間に色んなチャレンジができました。皆さんに感謝の気持ちで一杯です。
音が20年若くなった
ー 新メンバー3名が加わりました。
小曽根:今回は20周年のレコーディングに向けて新しくメンバーが3人入ってくれました。トランペットの松井秀太郎、テナーサックスの陸悠(くがゆう)、そしてベースの小川晋平は僕のトリオの仲間でもあります。若い3人は、今は自分のバンドの音楽を作っていくことに100%集中したいと思っても不思議はないと思うんですけど、JAZZっていう音楽は“Call and Response”が凄く大切なんです。少しでも自分の経験やボキャブラリーを増やすことで、相手が何をやってるかをちゃんと理解するという力を、まず、聴く力を身につけることが、弾くことよりも大切なことなんです。
そういう意味で、彼らが個人的に特別フィーチャーされないビッグバンドのセクションプレイヤーとしてNo Name Horsesに入ってやりたいと敢えて希望してくれたことは、音楽家としてとても素敵なことで、僕もその想いを凄くリスペクトしています。
彼らが入ってから、今までいたメンバーもとても刺激を受けていて、バンドの音が20年ぐらい若返って凄くビックリしています。管楽器の音がこんなに弾けるような、ピチピチした音になって、新メンバーとの新しいケミストリーが生まれているのだと思います。

札幌は特別な街
ー コンサートツアーの初日が札幌!楽しみにしていることは?
小曽根:札幌は実際なかなか来られない公演地ですね。特に(ビッグバンドの)大所帯だと現実的な話ですけど旅行費用などの経費も嵩みますしね。今回は久しぶりに呼んでいただけたことにバンド全員感謝していると思います。「札幌行くよ!」って言ったらメンバーがとても盛り上がってましたから。
あと、札幌は個人的に特別な場所でもあります。札幌のJAZZコミュニティって本当に素晴らしい。このバンドも俱知安とか札幌の周りのJAZZフェスには来たことがあります。ただ、札幌交響楽団さんとの縁は特別なんです。実は僕のクラシックのキャリアが札幌交響楽団からスタートしているんです。
札響初共演で「大事件があった」
小曽根:2003年に、定期演奏会への出演依頼があって、僕はてっきり、自分のレパートリーのジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」だと勝手に勘違いして引き受けたつもりが、蓋を開けてみたら実はモーツァルトだったっていう大事件があって(笑)。それで必死になって、生まれて初めてモーツァルトを譜面通り、人前で弾くという大きな挑戦に繋がりました。
それがきっかけで、今、実は世界中のオーケストラとクラシックの演奏会を出来るようになったとも言えます。それから20年以上が経ちましたけど、クラシック界へのきっかけを札響さんが与えてくださって、僕がぎっくり腰になるほど緊張して演奏したのが札幌コンサートホールKitaraでした。
Kitaraは大好きなホール
小曽根:Kitaraは、世界的にみても、音響が素晴らしく大好きなホールの一つです。マイクの音ではなく、限りなく生の管楽器の音を、ビッグバンドの迫力あるサウンドを皆さんにお届けできることを今から凄くワクワクしています。
ー 最後にメッセージを!
小曽根:僕にとっては個人的な思いと感謝が一杯ある北海道、札幌です。皆さんに、20年続いてきた僕の大切なビッグバンドNo Name Horsesの音楽を届けられることが本当にうれしいです。会場でお待ちしています!

No Name Horses札幌公演詳細はこちら!:https://doshin-playguide.jp/ticket/detail/664
小曽根 真 プロフィール
1983年 バークリー音大ジャズ作・編曲科を首席で卒業。同年米CBSと日本人初のレコード専属契約を結び、アルバム「OZONE」で全世界デビュー。以来、ソロ・ライブをはじめゲイリー・バートン、ブランフォード・マルサリス、パキート・デリベラなど世界的なトッププレイヤーとの共演や、自身のビッグ・バンド「No Name Horses」を率いてのツアーなど、ジャズの最前線で活躍。
2005年からクラシックにも本格的に取り組み、国内外の主要オーケストラと、バーンスタイン、モーツァルト、ラフマニノフ、プロコフィエフなどの協奏曲で共演を重ねる。
2018年(平成30年度)紫綬褒章受章。2024年には自身の最新トリオ‘TRiNFiNiTY’を結成。25年2月、ジャズの本場NYCに拠点を再び移し、世界に向けて躍進している。

©鈴木陽介
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