冬休みは毎日やってます!苫小牧市のこども食堂 おとなもこどもも自分らしく…スタッフも募集中【木と風の香り】

毎週日曜日になると、にぎやかな声が響く場所がある。

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苫小牧市双葉町の住宅街。「かたつむり公園」の近くに構える2階建ての建物は、もともとは理容業協会の研修所だったという。

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(1階…食堂・キッチン おしゃべりの場になっている)

もとは研修所ということで、部屋は1階と2階にどーんと1つずつある。

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(2階 子どもたちの遊び場、フリースペース)

細かい部屋に分かれていないことは、元気いっぱいの子どもたちにとってうってつけの遊び場だ。

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「こんにちは~!」

元気な声で入ってくる子どもたち。恥ずかしいのか、何もいわずに入ってくる子どももいる。

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そんな子どもたちを迎え入れるのは、NPO法人「木と風の香り」のスタッフだ。

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(子どもたちと料理を作るスタッフ)

オープンは午前11時から。でも、待ちきれない子どもたちはずっと早くやってくる。その理由はごはんが食べたいだけではない。友達や大人たちと遊べる楽しい空間は、みんながスマホを持つ時代になってもかけがえのない場所になっているのだ。

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(元気が良すぎる子もいます)

お絵描きや電子ピアノを楽しむ子どもたち、おとな相手にテーブルゲームをする子どもたち、シールを交換する子どもたち、盛大に飛び跳ねて遊ぶ子どもたち…みんな思い思いに過ごしている。

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でも、子どもの社会にトラブルはつきもの…「足があたって痛かった」「いやな気持にされた」…けんかのような出来事が起きたとき、スタッフは静かに子どもたちの話を聞き、気持ちが落ち着くのを待つ。一方を叱るようなことはしない。そして子どもたちが自ら問題を解決し、仲直りできるよう手助けする。〝しつけを目的としないこども食堂〟「木と風の香り」流だ。

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(自分たちのことを自分で決めたい…「こども会議」が開かれることも…)

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たくさん遊ぶとおなかがすく。お待ちかねのお昼ごはんが出来上がった。

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(あたたかなメニューが並ぶ)

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昼食はブッフェ形式。お肉、野菜、サラダ、そしてあたたかいごはんとスープ。

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子どもたちは無料で(おとなは600円)好きなだけ食べることが出来る。

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「野菜も食べたほうがいいよ」なんてことは、ここでは言われることはない。好きなように自由に食べてもらうのがここのスタイル。おとなのボランティアスタッフは一人で食べている子どものそばにそっと座る。

「みんなで食べると楽しいね」を少しでも感じてもらいたいとスタッフたちは話してくれた。

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スタッフはボランティア 食材は寄付 綱渡りの運営

食材の多くは、寄付などで集まったものが少なくない。

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(寄付された食材 農家や企業などから届くことも多い)

ボランティアで運営する子ども食堂にとって食材や光熱費の高騰が重くのしかかる。クラウドファンディングなどでも寄付を募り、集めた資金を無駄なく使って〝なんとかやっていってる状態だ。

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それでも、運営を続けるのは子どもたちはもちろん地域にとっても「こんな居場所が必要だ」という強い信念があるからだ。

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(当初 現在とは別の場所に開設していた子ども食堂)

「木と風の香り」が子ども食堂を始めたのは2017年6月(※設立当初は市内の別の場所で開催)。きっかけは代表の辻川恵美さんの実体験がもとになっている。それは住んでいた自宅の隣の家で起きた、子どもを巻き込んだ悲しい事件だった。「親や政治を批判しても何も解決したい」そう思って作り上げた場所が「こども食堂」。苫小牧では初めてとなる挑戦でした。

「こども食堂」という施設の存在が浸透していない頃、運営は綱渡りの連続だった。地域の人からも「貧困に苦しむ子どもたちのための施設」というステレオタイプな見方の人が多かったという。

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(広がる支援の輪)

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(左:辻川恵美さん)

それでも活動を通して少しずつ地域からの理解が深まり、協力してくれる人も増えてきた。支援する人が増えることで、おとなたちのなかにも交流が生まれ、子ども食堂は子どもだけの居場所ではなくなっていった。それは辻川さんが望んでいた形の一つでもあった。

長期の休み…子どもたちを子どもにさせないために

とはいえ、やっぱり「こども どまんなか」を実践するこの子ども食堂にとって、大切なのはこどもの居場所づくり。毎シーズン課題になるのが夏休みと冬休み、春休みといった長期休暇の期間だ。

「木と風の香り」では3年前から夏休み・冬休み、春休みの期間中、毎日子ども食堂を開いている。その理由について辻川さんは以前、取材にこう答えていた。

「新型コロナウイルスが感染拡大して学校が休校になって、朝6時半から近所を徘徊している子どもたちがいたんです。学校が長い休みになったら子どもたちはこうなるんだと気づいたんです。夏休みとかもこれまで子どもたちは大変な思いをしていたんじゃないのって」(2022年8月HTB「イチオシ!」)

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新型コロナウイルス感染拡大で続いた学校の長期休校。しかし、子どもたちの保護者は仕事を休むことはできない。

自宅に取り残された子どもたちはずっと家にいることでストレスをため、時に家を出て時間をつぶす…「ちゃんとごはんは食べているのか」「犯罪に巻き込まれるんじゃないか」そんな不安を抱えた辻川さんは一念発起し「夏休み(冬休み)毎日こども食堂」を決めた。お盆も大晦日も元日も、子どもたちが温かいご飯を食べて、みんなで遊べる場所を確保したのだ。

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そして今年(2025年)の冬休みも、「木と風の香り」は毎日こども食堂を開く。

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苫小牧市内の小学校が冬休みに入る12月25日(木)から翌年1月13日(火)まで年末年始も休まず開催されるこども食堂。この冬休みの運営を含め、子どもたちの居場所づくりを手伝ってくれるボランティアスタッフも募集している。

関心があるかたはこちらから↓

「木と風の香り」スタッフ応募フォーム

※守っていただきたいスタッフルールがあります。詳細は参加時にお伝えします。

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

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