あすも来るね!大みそかのこども食堂 どうぞどうぞ!宿題も持ってきていいからね
2025.12.31
前日、穏やかな天気だったことに加え、この季節には珍しいあたたかな光が朝から降り注ぎ、苫小牧市内の雪の多くは静かにその身を雫へと変えていました。

12月31日午前8時すぎ、こども食堂「木と風の香り」玄関先に一歩足をかけたところ、中からかすかな物音がしていました。
扉を開けると、すでに代表の辻川さんが支度をしていました。「ちょうどよかった。大変申し訳ないけど…」

辻川さんが私に頼んだことは、灯油の調達でした。築30年をとっくに超えた木造2階建ての建物。吹き付ける風が突き刺さる古い家屋の1階には2台、2階に1台のストーブが備え付けています。薄着で走り回る子供たちのためにこの時期はフル稼働です。

一時期より抑えられたとはいえ、1リットル120円を超える灯油代は無視できないランニングコストになります。北海道のこども食堂にとって宿命とは言え大きな重荷です。
〝金八先生〟のように駆け寄ってくれる子どもたち
灯油を運び、車を駐車場に停めたところ、食堂にやってこようとしていた子どもたちに遭遇。「あー!とし(筆者のスタッフネーム)!」と100m先から走ってきてTBSの名物教師ドラマの先生のように取り囲んでくれる笑顔。朝から熱烈な歓迎を受けて元気をもらえます。

苫小牧の「木と風の香り」は夏休みや冬休みなどの大型連休に毎日開催しているのが、全国でもめずらしい子ども食堂。筆者は数年前に取材したことをきっかけに、今年(2025年)からスタッフとして参加するようになりました。
そのうえで、子ども数十人を毎日受け入れる食堂を運営することは、とんでもなく大変なことだと実感しています。しかもスタッフはすべてボランティアなのです。
ごはんはたくさん食べてね いつも通りのたくさんのおかず
ゴリッ…ザクッと切っているのはかぼちゃ。近くの農家さんからいただいたかぼちゃを、きょうのこんだて「かぼちゃ」を作るために包丁でスライスしていきます。

お世辞にもう上手とは言えないかぼちゃが出来上がりますが、「としさん(筆者)の好きなように切っていいですよ」と優しく言われ、そのままいい気になって太めのスライスが山積みになっていきます。少し長めの時間、揚げる必要がありそうで申し訳ないです。

しかし、私が作った不揃いなおかずでも、子どもたちはおいしそうにたべていってくれます。
子供たちの中には「朝から何も食べていなかった」と話す子もいます。その理由を私たちが無理に聞くことはありません。ただ、「たくさん食べていいよ」と子どもたちに話すだけです。

学習支援の場になれば…いいな、と思う子ども食堂
食事の後は、宿題を教えてほしいという小学生の算数のドリルを一緒に進めました。

この数日前、分数の計算で通分に少し手こずっていた彼女。最後に連続して問題を解けるようになっていたのですが、数日経ってみてどうなったかな…ドリルをする前に前回と同じような問題を出してみたところ………解けました!
この瞬間は教えていた側からすると、大げさではなく、〝この上ない喜び〟です。
この日は多角形の面積の求め方、内角の和を使った計算の仕方などを一緒に勉強しましたが…これもまた強敵です。ぜひ次も復習からやりたいところです。

この日は近くの高校生など大勢のお兄さんお姉さんもやってきて、子どもたちと遊んでくれました。違う世代との交流は子どもたちにもとても良い刺激を与えてくれます。

おやつの時間も過ぎ、そろそろ子どもたちひとりふたりと、自宅へと帰っていきます。こども食堂に静けさがまたやってきました。
「また明日~!」冬休みはクリスマスも正月も毎日やっています!
子どもたちにはあす元日も、「木と風の香り」に来る子もいます。
ライフスタイルが多様化する中、それはとても自然で普通のことです。
どんな日であっても、食堂が開いている限り、子どもたちは全く構うことなく遠慮なく来てほしいというのが、スタッフ全員の思いです。

そして、にぎやかな時間が終わり、お掃除の時間。
スタッフみんなでほうきでお掃除。これもこれで、幸せな時間なのかも。たまにしか参加しない私だけなのかもしれませんが。
多くの人の力を求めている「こども食堂」
「木と風の香り」だけでなく、多くの子ども食堂はみなさんの支援を求めています。興味を持った方は是非、「こども食堂」で検索してみてください。
そして木と風の香りではスタッフも募集しています。気になった方はこちらから。
