梅宮アンナ「標準治療」を「最高治療」と呼ぶ理由 HTB創世ミモザマルシェより 【コラム:両側乳がんになりました】

気づきと決断。私が「標準治療」を「最高治療」と呼ぶ理由

HTB創世ミモザマルシェ、お越しいただいたみなさまありがとうございました。初日6日の夜に行われた「はなさく生命 I'm OK? NIGHT 梅宮アンナさんトークショー』を2回にわけてお届けします。

 2024年7月、乳がんであることを公表した梅宮アンナさん。右乳房の全摘手術や抗がん剤治療、放射線治療と向き合う中で、彼女は自らの言葉で包み隠さず現状を発信し続けています。そんな彼女が語る、発見のきっかけと治療への向き合い方とは。

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「しこり」はなかった。朝の鏡の前で感じた違和感

アンナさんの乳がんの発見は、毎朝のシャワー後のことでした。鏡に映る自分の体を見た時、左右の胸の大きさが全く違っていることに驚いたと言います。

アンナさんが公表した「浸潤性小葉(しょうよう)がん」は、乳がん全体の約10〜15%を占めるタイプです。一般的な乳がんはコロッとした分かりやすい「しこり」ができることが多いのに対し、母乳を作る組織(小葉)から発生するこのがんは、しこりを作らずに広がっていく特徴があります。

そのため、自分で触っても分かりにくく、通常のマンモグラフィ検診などでも見つかりにくいという側面があります。しこりが触れない代わりに、「胸の大きさや形が変わる」「皮膚が引きつれる」「なんとなく硬く感じる」といった症状で気が付く方も多いようです。

アンナさんも、触ってもしこりを感じず、最初は「年齢的にも更年期障害の現れなのか?」と考えたそうです。しかし、目で見て明らかな「胸の大きさの違い」という異常を放置しませんでした。すぐに病院を予約したことが発見、治療への大きな一歩となりました。

 その後、エコーやマンモグラフィ、4箇所の針生検を経て、3週間後に確定診断を受けます。

がんの告知よりショックだった「治療の長さ」と「脱毛」

「がんです」と告げられた時、アンナさんは決して驚かなかったといいます。

その背景には、アンナさんが満1歳のとき、父である梅宮辰夫さんが肺がんを患い、放射線と抗がん剤で寛解されていたという体験があったからです。

「自分もいつかがんになるかもしれない」と心の準備がありました。

アンナさん『心の準備といいますか、知識的にはやはりがんになるとどういう治療法があってどういう治療をして抗がん剤がどういうものなのか、放射線治療がどういうものなのかというものをうっすら、もうすでに分かってはいたので。

それはやはり自分ががんですよっていう風に言われた時には、決してびっくりすることがなかったんです。

ただ言われてびっくりはしないんですけど、すでに発見時がステージ3Aだったので脇のリンパ節にも転移してたので、通常でいうと大体1年未満の治療になりますよと言われたので、その長さに驚いたんですね。治療の長さに。

治療の長さとやはり脱毛が、ショックだったというか、がんというもの自体に対しては泣いたりとか、どうして私がっていうことは1回もなくて。治療期間中もですけど、そういう意味では泣かなかったんですね。』

標準治療はアベレージではない。私にとっての「最高治療」

自身の治療を発信する中で、世間からは「抗がん剤はやめなさい」といったネガティブな声も届いたと言います。しかし、彼女は標準治療という言葉をあえて使い、それを「最高治療」と表現します。

アンナさん『やはりですね、抗がん剤に対してネガティブなことっていうのはいっぱいネット上に出てきます。今すぐ抗がん剤をやめなさい。抗がん剤はダメですって、っていう声を聞くんですけども、やはり私自身が、周り、親戚、私の父親、お友達もですね、ほとんど全員が標準治療をやって、社会復帰をしてる人がたくさんいるのです。私の場合はステージ3Aで、なおかつ、このように治療してきます、この抗がん剤を使って治療してきますということを先生に言っていただいたので、もう感謝して治療を臨むしか、というか臨みたいというところでした。』

50年前の父の時代と比べ、今は吐き気止めがよく効き、仕事をしながら通院できるほど医療は進歩していることを実感しているといいます。

ないなら私が作る。使命感から生まれたウィッグと下着

 明るく話すアンナさん。しかし、モデルという仕事。外見の変化に様々な葛藤があったのではないでしょうか。

アンナさん『もう、私自身も決して若くなくてですね、51歳という年齢で、がんになるのと20歳でがんになるのでは多分違ったんではないかなっていう風に思うんですけど。

51歳でがんになると色々なことが冷静に受け止められていました。私の場合は全摘手術で全部取ります、脇のリンパ節も取ります、放射線が最後にあるので、同時再建はできませんという説明だったんですね。

私は胸の全体にできた癌だったので早く取って欲しいと思ったんです。体からもう早く自分の遠くに行かせようという思いが強かった。

全然悲しくない、何ともなかったですし。

でも乳がんなんだ、全摘なんだというと、ほとんどの人が私にかけてくれた言葉が”大丈夫”、今は再建があるから大丈夫だよ”って言うんですよね。

私はすごくこうポカンとしてしまったんですけど、そんなにおっぱいいるの?っていう風に思いまして。

外見的なものに例えば、お胸がなくなったイコール女じゃないとか全然悲しくなくなくて。外見的なものにあまり重みを置いてないんですね、正直なところ。

それよりも人生をどうやって胸がなくても楽しくいける、生きていけることは可能なので、そういう風に思いました。』

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一方で髪が抜けたことがやっぱりショックだったというお話はありました。

抗がん剤治療による脱毛に対し、アンナさんは髪のない姿を公開して「抗がん剤は嫌だ」と思わせるのではなく、「素敵なウィッグがあるよ」と伝える道を選びました。現在使っているのは、10万円以下の自然な人毛のウィッグだそうです。

さらに、右胸を全摘し、リンパ節を切除したことで腕がむくむようになり、これまでの下着が着られなくなった経験から、片胸用の下着開発にも携わっています。自分に足りないものを世の中に広め、後に続く人たちのために足跡を残す。その使命感がアンナさんからは感じられます。

アンナさん『よく強いですよねっていう風に言われるんですけど、強くないんですよ、本当に。悲しい出来事とか、重い出来事を物語に変えてしまう性格なんですよね。これは意味があるんだぞっていう風に思うと心が折れないというか。

うちの場合、母の方がまるで病気みたいな感じにオロオロ泣いてましたね。でも何か生きがいというか、足りないものがいっぱいあったんですね、世の中には。

例えば下着であったりとかウィッグであったり、誰も言ってる人がいない、であれば私がやろうっていう風に思いました。

一瞬で生きがいになって、世の中に広めていって、この後に続く人たちのためにやはり何か足跡を残そうという気持ちが強かった。だからこういうことになってるのかなと思います。』

次回は、よかれと思っての「大丈夫」が一番のプレッシャーに。アンナさん新婚9か月の結婚と新たな目標に迫ります。

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この記事を書いたのは

阿久津友紀

乳がん患者さんが治療中に被災したら? 『防災の心がまえ』をもとに『女性の病と防災』を考える おっぱい2つとってみた作者とHTB森アナウンサーが本音トーク 
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『おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える(北海道新聞社刊)10月6日発売

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「LINE特集 「失われる自分らしさ」。乳がんになった私たちの3年間。例え、心が折れそうでも…」
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第4弾の”がん患者さんとココロ” 北海道の斗南病院の精神科長で登録精神腫瘍医の上村先生に伺いました。アーカイブは
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これまでの動画は・・・
【乳がん】おっぱい2つとってみた

HTBノンフィクション おっぱい2つとってみた
【2020年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組優秀賞受賞】
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