サウナの国のエド!日本のサウナをガチ研究 北海道のサウナ野郎パンダ・リー「ととのえ道場」[292]
2026.04.15
“サウナ✖日本”をガチ研究!「サウナの国のエド」インタビュー
日本の大学で、日本のサウナをガチで研究しているフィンランド人男性がいる。
その名は「サウナの国のエド」。
北海道十勝・鳥取・大分豊後大野の3地域で働きながらフィールドワークを敢行。
今夏、「日本のサウナブーム」「サウナツーリズム」をテーマに博士論文をまとめるという。
なぜ日本のサウナが面白いのか?本場と日本のサウナの違いとは?パンダ・リーっす。

「日本のサウナの社会的意味を探ることに決めました」
サウナの国のエド
北海道大学の博士課程で日本のサウナ研究に取り組むフィンランド人 (32)。本名はEetu-Antti Hartikainen(エートゥ=アンッティ・ハルティカイネン)。ヘルシンキ大学での修士論文(日本文化専攻)では留学先の日本でサウナ愛好家67名にインタビュー。「プロサウナー」の定義や日本独自のサウナ観を探求。ヘルシンキでフィンランドのサウナ輸出会社に5年勤務後、2年半前に来日。サウナブームの持続可能性を博士論文で検証する予定。

(北海道アヴァント「AVANTO37」も体験)
日本のサウナをガチで研究!
―なぜYouは日本でサウナの研究を?
エド: 日本文化への強い興味が出発点です。日本文化専攻だった修士の論文では、日本についての興味が高じて日本人サウナ愛好家67名へのインタビューを通じた論文を書きました。サウナは、日本とフィンランド双方の文化的文脈で学べる対象として良かった。日本のサウナの社会的意味を探ることに決めました。
―準備中の北大の博士論文も「サウナと日本」がテーマだと?
エド: 日本の3か所で観察とインタビューを行いデータを集めています。「日本のサウナブームの持続可能性」を検証します。鳥取県琴浦町のネイチャーサウナ、十勝帯広エリア、豊後大野市の事例を比較。今年7月末を目標に、研究成果はサウナツーリズムの実務と学術の橋渡しとして提供する予定です。
去年の11月から12月まで鳥取県の琴浦町にいました。ネイチャーサウナ。サウナツーリズム、鳥取県との連携などを。

2月から3月末まではここ帯広で、北海道ホテルのフロントで働きながら十勝のサウナを調べています。次の夏には大分県のサウナの町、豊後大野市に行く。2ヶ月間仕事をしながら研究する予定です。大体今年の7月末までにデータを集めます。

(北海道ホテルではフロントを担当!)
日本のサウナブームを「発見」
―日本へはいつから?
エド:1回目はヘルシンキ大学在学中で、2018年から2019年まで東京に留学していました。ヘルシンキ大学での専門が「日本語」と「日本文化」だったので、日本に関する興味は元々ありました。サウナはもちろんフィンランド人なので入るのが好き。温泉も楽しい。初めて日本に留学した時にもかなり温泉に入っていましたが、日本にサウナルームがあるとか、サウナがかなりあるということはあまり知りませんでした。
で、修士課程をヘルシンキ大学で始めた時に、「フィンランドのサウナ輸出会社が日本語ができる子を探している」というメールリストが来ました。面白いと思い社長さんに直接電話して、仕事を得ました。入社して5年以上働いていました。1年半は輸出コーディネーター、3年半は輸出マネージャーの仕事です。フィンランドのいろいろなサウナメーカーと連絡を取ったり、日本のお客さんと連絡を取ってコーディネートしたり、輸出に関する書類を準備する。そういう仕事です。

(「Arctinar Oy」HPから)
「ととのう」は日本発祥
―母国フィンランドでサウナ関連の仕事をしていた!
エド:その仕事の中で、日本に関していろいろ日本語でネット上で調べたら、初めて「ととのう」という言葉を知りました。フィンランドでは「ととのう」という言葉は全く存在していないので「面白いな」と(笑)
―「ととのう」って一体なんだと(笑)

エド:さらに勉強したり知りたいなと思いまして。日本では、フィンランド人と全然違うとは言わないですが、「ルール」などがいろいろな形で、違う形として成り立っている。「サウナ→水風呂→外気浴」という形。
―いわゆる「サ法」(笑)

エド:さらにサウナグッズ、サウナハットなどをかなり使う文化があります。 フィンランドでもサウナハットをかぶってる人もいますが、そんなに日本ほど一般的ではないかなと思います。いろいろ面白い違いがどんどん出てきました。修士1年生の時にどんどん日本と日本のサウナについて興味が沸いてきた。「日本のサウナについて論文を書きたい」と思い、会社の社長さんとも色々話して、彼も色々と私のことを励ましてくれたり、支援してくれました。

(イメージ)
「プロサウナ―」って何?
エド:その関係で結局修士論文で日本人の愛好家67人、全国の方にインタビューしました。特に知りたかったのは、どのようにいわゆる「プロサウナー」になられたのか。フィンランド人なら大体サウナに入っていますから「

(「サウナのために汗をかく」のがプロサウナーだと提唱したととのえ親方)
空手、アニメ、漢字
―日本語を専攻して今はサウナを研究。そもそもなぜJAPANに関心を?
エド:フィンランドの東の田舎の方の、4000人ぐらいの人口の村の出身なんですが、小学校の時に空手の道場ができた。友達から一緒に空手をやろうと提案されて空手を始めました。「1、2、3」と数字の数え方、型の名前などを通して初めて日本語を学び、それを数年間やってました。
父の仕事でボスニア・ヘルツェゴビナ、ジョージア、ウクライナにも住んでました。4年生から5年生のときにまたヘルシンキに戻り「武神館体術」という武術を数年間やってました。日本ではあまり知られていませんが、ヘルシンキには2つの道場があります。ヨーロッパでは、忍者の忍術、柔術、体術を学ぶことが日本の伝統的な武術スタイルとして宣伝されています。
中学生時には日本のアニメ、漫画が有名になっていました。テレビで放送されていたのは「ポケモン」と「ドラゴンボール」、そして「鋼の錬金術師」。主人公はエドワード・エルリック。私の名前は英語で言えばエドワード。それで私のニックネームはエドになりました。

―日本語がベラベラ。大変だったはず
エド:漢字の勉強はかなり難しかったと思います。日本語能力試験の最上級を2年間ぐらい勉強して、2200個の漢字の習得は完了した。日常ではあまり活用する場面がなかったのですが。

(Instagram「saunanokuninoedo」から)
フィンランド人にとって、サウナとは?
―エドさんにとって「サウナ」は日本の「風呂」みたいな存在?
エド:日本の風呂のようにかなり身近な存在だと思います。平日の仕事が終わったら自宅のサウナに入るのが一番多いと思います。サウナを温めて、汗をかいて、シャワーを浴びて完成。風呂に入るのと大体同じ感覚だと思います。
―週に何回?
エド:私は週に2回から4回ですかね。平日一回と週末。できたらもっと入りたいです。
―シャワーだけ入るのとは別。
エド:だと思います。(身体を洗う時は)シャワーだけで終わります。

(北海道ホテルの露店風呂でビバノンノ)
北海道は「サウナの聖地」
―日本でのサウナ研究は3年?
エド:北海道に引っ越したのが2023年9月、2年半前です。
―なぜYOUは北海道に?
エド:偶然というところもあったんですけれども。ヘルシンキ大学と北海道大学はパートナー大学の関係です。修士課程を卒業したのは2023年の5月なんですが。その半年前に、北大が海外の修士学生を対象に、修士課程あるいは博士課程に進学するなら奨学金制度があると聞きました。2、3年は学費は全部カバーできますと。ラッキーなことにそういうオファーが出てきて、通りました。
修士論文の時に、日本のサウナを知るには「サ旅」がかなり大切だということが分かりました。特に「サウナツーリズム」に集中するには、北海道はサウナの聖地と呼ばれてますので、博士まで進学するなら北海道しかないと。
―ようこそ北海道へ(笑)。特に好きなサウナは?
エド:やはり「フィンランド式サウナに入りたい」というのはかなりあると思います。例えば今日も上士幌町しんむら牧場の『ミルクサウナ』に入りましたが、かなりフィンランドに似ていました。セルフロウリュができて、温度のベースは大体60度から70度ぐらい。セルフロウリュで湿度と体感温度を自分で上げて調整することができるところに、やはり親しみを感じます。

(Instagram「saunanokuninoedo」から)
―ロウリュがないサウナは?
エド:フィンランドと同じサウナにばかり入るのも少しつまらないじゃないですか。できれば日本のユニークな環境もサウナと一緒に楽しみたいと思っています。
―記憶に残ったサウナは?
エド:北海道なら岩見沢の『メープルロッジ』。フィンランドのサマーハウスのサウナ小屋の雰囲気がある。セルフロウリュができるところとか、感覚としてかなりフィンランドに似てるんです。窓から外を眺めたら、雪の中の鳥居を見ることができました。さらにやはり日本だということがわかるサウナでした。そういう特別な何か「日本のこだわり」みたいなのがあるサウナは、私にとって最強のサウナのあり方だと思います。

(「ホテル メープルロッジ」から)
―今働いている『森のスパリゾート 北海道ホテル』のサウナ。湿度が凄い!暑くない?
エド:暑いと思います(笑)。

(北海道ホテルの男性サ室)
「SENTO」の魅力
―SNSを見ると帯広の銭湯を細かく回っている。
エド:「銭湯サウナ」は日本独特な魅力があると思います。毎回サウナに行くと2,000円とか3,000円になり少し学生の私にとっては高い。できたら銭湯で500円の入場費を支払ってサウナを楽しむのがちょうどいいと思っています。
フィンランドの古くからのサウナと比べて、少しその雰囲気があります。お互いに話しかけるコミュニティになっている感じがかなり面白いと思っています。フィンランドの「公衆サウナ」に似てる点がある。でも銭湯の構造は、モザイクのタイルで富士山とかのイメージがあるし値段も違う。日本の方が安い。フィンランドの公衆サウナはかなり高いんです。日本円にすると1700円以上。多分2000円とか3000円もあります。

(X「サウナの国のエド」から)
サウナは体調に合わせて自由に!
―フィンランドと比べて、日本人のサウナの入り方はどう?
エド:うーん、なんというんですかね。ルールが多いというんですかね(笑)私はサウナには感覚的に入ることが多い。時間は気にせず、体調に合わせて入ります。日によってかなり入り方も違う。例えば本当に疲れているという時にはボーッとしてる感じになるかもしれない。2回入って帰るとか。他方、日本では5分とか何分かサウナに入って、そのあとで水風呂は1分から3分とか。かなりいろいろルールが決まっているところは、一番大きな違いかなと思います。
―フィンランドには決まった「サ法」はないと(笑)
エド:人それぞれに自分の好みの入り方があると思います。
「本場のサウナは暑くないのか」
―フィンランドのサウナは暑くないのが定説。でもヘルシンキの「コティハルユ」はめちゃくちゃ暑かった!
エド:家のサウナ、コテージのサウナはそんなに暑くないとは思います。ただ、昔からやっている公衆サウナでは、常連さんが多く、かなり強いロウリュが好きな人が多い。ヘルシンキでもタンペレでも。もしかしたらコティハルユはそういう例外かも(笑)

(撮影:アウフグースえもん師)
「水風呂はホントにないのか」
―サウナの後に水風呂に入るのは、日本独自だという説は?
エド:印象としてはかなり日本独特だと思います。フィンランドではあまり「水風呂」はないと思います。
―ヘルシンキの観覧車がある巨大な施設「アッラス・シー・プール」では、皆さんサウナ後にバルト海の真冬のプールに入っていた(笑)
エド:水泳プールみたいなところには水風呂があります。すごい冷たいです。そういうところにはあるかもしれないです。湖に潜る、海に潜る。近頃は冬、水泳が趣味としてかなり増えてます。
―フィンランドでは真冬の寒中水泳は結構珍しくない!
エド:だと思います(笑)

―ビックリしたのが「ウ―シ―サウナ」。大げさにフタをしたユニットバスがあって。名前が”avanto”。表示見たら「7℃」(笑)あの水風呂は珍しい?
エド:本当に珍しいと思います。いろいろ調べたらAvanto Poolというメーカーさん。多分サンプル版みたいな感じです。他の施設ではまだ見たことがない。かなり値段が高いということがわかりました。私は今まで見たことがないです。

―最後に、どのように研究をまとめる予定?
エド:知りたいのは、今、日本ではサウナブームの話が多いとは思いますけれども、その「サウナブームやムーブメントを持続可能的なサウナブームにできるのか」。「どういう要素が必要なのか」。そういう研究を行っています。サウナ施設の価値観を分析して、その価値観はどのように営業上の判断とか、実際の活動につながっているのか。少し観光学の、哲学っぽい要素がある論文になると思います。
サウナの本場フィンランドから日本にやってきたエド氏。日本のサウナがテーマの博士論文は一体どんな内容になるのか?ととのえ道場の読者と一緒に味わえる日が待ち遠しい♪

☆エドさんのHP https://hartikainen.pro/
☆エドさんのサウナイキタイ https://sauna-ikitai.com/saunners/54717
SAUNANEWS 5/5(火祝)十勝ととのうフェスIN藤丸パーク開催迫る
サ国十勝の真ん中で、初めてサウナイベントが開催されます。「十勝ととのうフェス IN 藤丸パーク」(主催:十勝ととのうフェスIN藤丸パーク実行委員会、共催:十勝サウナ協議会)。日時は2026年5月5日(火・祝)。

十勝最大級のサウナイベントを目指している「とかち ととのうフェス IN 藤丸パーク」。会場は、帯広街なか「藤丸パーク」。会場には、バレルサウナやテントサウナ、サウナカーなど計7つのサウナが集結。キンキンに冷えた水風呂プールや、珍しい「ワイン樽水風呂」も登場予定。開放感あふれる人工芝の上で外気浴が楽しめます。水着着用で男女共用。時間は、午後1時からと午後5時からの二部制。対象は18歳以上でサウナ初心者の方も大歓迎。
14時、18時にはレジェンド熱波師・エレガント渡会師とパンダ・リーのここでしか聴けないサウナトークショーも開催決定!
☆詳しくはサウナ野郎パンダ・リー「帯広街なかdeサウナフェス」で♪
https://sodane.hokkaido.jp/column/202604080500005759.html

(イメージ)
