大阪サウナの爆心地!大阪サウナDESSE 祝3周年 AI時代のリトリートサウナへ! 文城哲社長が激白 北海道のサウナ野郎パンダ・リー「ととのえ道場」[292]
2026.04.22
文社長が語る「DESSE」という実験場
サウナは、不思議なものだ。
熱いだけじゃ、人は集まらない。
風呂が冷たいだけでも、続かない。
その“間”にある何か――。
言葉にできない「気配」みたいなものに、人は惹かれる。
今回、話を聞いたのは2026年4月12日に3周年を迎えた『大阪サウナDESSE』の文城哲社長。
一見、穏やか。でもその奥に、妙な熱を隠している男だ。
「いや、全然まだまだですよ」
開口一番、そう笑う。
“大阪サウナの爆心地”の今をたっぷりと。
パンダ・リ―っす。
気がつけば、村上龍の「収録を終えて、こんなことを考えた」みたいな文体になった。
文社長の話が、熱すぎた。

☆聞き手・再編集・文責:パンダ・リー
やりながら考える
『大阪サウナDESSE(デッセ)』
2023年4月12日、心斎橋で開業。異なる特徴の「8つのサウナと4つの水風呂」を擁する都市型大型サウナ。「日常の延長」をコンセプトに、川をイメージした独創的な空間で多様なサウナ体験を楽しめる。川床のような「川サウナ」、畳の「茶室サウナ」、庭を眺める「庭サウナ」など、雰囲気や温度の異なるサウナが点在。熱波アイドル「ネパドルなみきんぐ」も在籍。感性を刺激するグルメやグッズも豊富。音楽・アート・お笑い・サウナを浴びる巨大サウナフェスも手掛ける“大阪サウナの爆心地”。

大阪有数の繁華街・心斎橋にある『大阪サウナDESSE』は、サウナイキタイ大阪府ランキングで既に首位。サ活投稿数も常にベスト5だ。代表の文城哲社長は人気施設のトップとは思えないほど、肩の力が抜けている。けれど、その言葉の端々には、確かな手応えが滲む。
「最初から“正解”を作ろうとはしてないんです」
DESSEは、完成された施設ではない。むしろ“未完成”であることを、意図的に残している。普通なら、オープンの段階で完璧を目指す。動線、温度、照明、サービス―すべてを整え切る。でも文社長は違った。
「やりながら考える、の方がリアルじゃないですか」
この一言に、DESSEの本質がある。サウナってのは、本来もっと“雑”でいい。日によって違うし、人によって感じ方も違う。その“揺らぎ”ごと受け入れる場所。それがDESSEなのかもしれない。

「茶室」をアップデート
4月で3周年を迎えるDESSE。昨年5月、二つのサウナに新たな価値を加えた。「茶室」サウナと「水面(ミナモ)」サウナの再定義だ。
「正直、完成してると思ってたんですよ。茶室サウナは」
そう言って文社長は少し笑う。だが、その直後に続く言葉は真逆だ。
「でもね、“完成したと思った瞬間に古くなる”のがサウナなんですよ」
この一言に、今回のリニューアルの本質が詰まっている気がした。DESSEの象徴とも言える“茶室サウナ”。あの静寂、あの没入感、あの“余白”。完成度はすでに高い。
だが文社長は、そこにあえて手を入れる。
「茶室って、ただ静かであればいいわけじゃないんです。“自分と向き合えるかどうか”。そこをもう一段、深くしたいと思ったんです」
具体的な改修内容についても、言葉を選びながら教えてくれた。
「温度の立ち上がり方、湿度の残り方、木の香りの出方…全部、微調整です。派手な変化じゃない。でも“違和感なく気持ちいい”ところまで追い込む」
畳を刷新し、内装をブラッシュアップ。居心地と没入感をアップデートした。
「サウナって、温度1℃、湿度1%で印象が変わる世界なんですよ。そこを詰めるのが、今は面白い」

「水面」は蒸気浴にリブート
そして、「水面(ミナモ)」サウナのリニューアル。こちらは茶室とは対照的に、“動”のサウナだ。豊かな蒸気に包まれる薬草スチームにリブート。水面の反射もより神秘的になり非日常感が際立っている。
「ミナモはね、もっと遊びたかったんですよ」
少し少年っぽい表情で、文社長はそう言った。
「水って、見てるだけで気持ちいいじゃないですか。でも、それだけじゃもったいない。“感じる水”にしたいなって」
“感じる水”とは何か。
「温度、音、光、その全部で水を表現する。入った瞬間に、“あ、違う世界だ”って思えるようにしたい」
演出の話になると、言葉の熱量が一段上がる。
「正直、やりすぎるとダサくなるんですよ(笑)。でも、やらなすぎると普通になる。そのギリギリを攻めてます」
この“ギリギリ”こそが、DESSEらしさだ。
「結局ね、サウナって“記憶に残るかどうか”なんですよ。気持ちよかった、だけじゃ弱い。“なんかすごかったな”って持って帰ってもらいたい」
なるほど、だから攻める。

(改装前の「水面」。自動ロウリュを改造し蒸気浴スチームに)
お客さんに合わせ直す
「あとね、リニューアルって“新しくすること”じゃないと思ってて。“今のお客さんに合わせ直すこと”だと思ってるんです」
この言葉、現場を知る人間のそれだ。
「お客さん、変わってるんですよ。確実に。求めるものも、過ごし方も。そこにちゃんと応え続けないと、置いていかれる」
だから手を入れる。完成していても、関係ない。
「むしろ、完成度が高いところほど怖いですよ。“これでいい”って思っちゃうから」
そして、こんなことも言っていた。
「今回のリニューアル、たぶん“言われないと気づかない”部分も多いと思います」
——え、それやる意味あるんですか?思わず聞き返したくなる。でも文社長は、即答だった。
「いいんです。それで。“なんか今日、やけに気持ちいいな”って思ってもらえれば勝ちなんで」
派手さじゃない。違和感のなさ。でも、その裏側では、恐ろしいほどチューニングが走っている。こういうアップデートが一番“効く”。気づかないのに、効いてる。それが一番、抜けられないやつだ。そしてDESSEは、また一歩“抜けられない施設”に近づいている。

最後は人
印象的だったのは、“人”の話だ。
「結局、最後は人なんですよね」
設備でも、ブランドでもない。誰がそこにいるか。どんな顔で、どんな距離感で客と向き合うか。
「スタッフが楽しんでないと、絶対バレるんで」
これ、当たり前のようで難しい。
サウナ業界は、ブームの波に乗って人が増えた。でも“好き”だけでは続かない現実もある。その中で、“楽しさ”を維持すること。それがどれだけ大変か。文社長は、そこから逃げていない。
「無理に広げようとも思ってないです。ちゃんと“今”を面白くしたいんで」
このスタンス。実にサウナ的だ。
未来のために“今”を犠牲にしない。むしろ、“今”の熱量を最大化する。その結果として、次が見える。サウナ室の中で考えることって、だいたい無意味だ。でも、その無意味の中に、本質が紛れている。文社長の話も、どこかそれに似ていた。理屈じゃない。でも、筋は通っている。

(大阪サウナDESSE所属の熱波アイドル「ネパドルなみきんぐ」師)
大阪 Dreaming Night
人気Vシネマのエンディング曲、俳優・竹内力の名曲『欲望の街』。大阪・ミナミのギラギラした雰囲気や、人間の金・愛・欲望が渦巻く夜の世界を力強く表現した、哀愁漂う大人の歌謡ロックだ。
大阪の夜 欲望の渦に 負け犬たちが はじき出され
ネオン砂漠の孤独や欲望を切り取った、歌い継ぎたいOSAKAの唄。DESSEはそんなミナミのど真ん中にある。夜営業では、ヤンチャな男たちもやってくるー。
文社長が客として大浴場でととのっていた時のこと。罵声が聞こえてきた。スタッフがイカツイ男に詰められていた。身体も髪も濡れたまま、急いで服に着替えて“現場”に急行した。
「コイツ、目障りや!見えへんところにやってくれや」
無理難題を突きつけられた。男は、ボクシングでゴングが鳴る前の対戦者状態で、文の顔を舐める距離まで詰めよってきた。
埒が明かないと判断した文は、男とラウンジで話し合いをした。ひたすら誤り、話を聴いた。その時間、1時間。
「金いりませんので、帰ってください」
「金なら払うわ!ぼけっ!」
男は捨て台詞を残して金を支払い退館。驚いたことに、その男。今や常連だそうだ。文社長の底しれぬ人間力と、OSAKAの街に根差したいというDESSEの寛容さを物語るエピソードである。

OSAKA SOUND BARTHE
去年9月に初開催、音楽✖アート✖お笑い✖サウナを浴びる一大イベント『OSAKA SOUND BARTHE』は1500万円の赤字だったそうだ。赤字でもやるのか。やるんです。
「正直に言うと、収支だけで見たら厳しいです」
文社長は、最初にそうはっきり言った。ごまかさない。濁さない。この時点で、もう話はクリアだった。
「でも、それでやめるかっていうと、違うんですよね。」







音楽フェスというのは、分かりやすくお金がかかる。設営、人件費、アーティスト、警備、天候リスク。やればやるほど、簡単ではない。それでも今年も実施する。
「続けることに意味があると思っていて」
文社長は、少しだけ言葉を選びながら続ける。
「1回やって終わると、それで途切れてしまう。でも続けていくと、“ああ今年もあるんだな”って思ってもらえる」
派手な言葉ではない。でも、この“続ける”という話は、やっている人間にしか出てこない重さがある。
「もちろん黒字が一番いいですけどね(笑)」
一度、少しだけ空気が緩む。
「ただ、数字だけを見て判断するものでもないかなと」
フェスに来た人が、どう感じたか。その場の空気、時間の流れ。それは決算書には載らない。
「来てくれた人が、よかったと思ってくれれば、それは価値があると思うんです」
この言葉は、かなりストレートだった。無理に大きくしようとはしていない。無理に儲けようともしていない。ただ、“なくさない”。
「やめてしまうと、ゼロになってしまうので」
ここは、ほぼ即答だった。

「続けていれば、少しずつでも積み上がっていくと思うんですよね」
だから、今年もやる。理由はシンプルだ。
「できる範囲で、ちゃんとやる」
文社長はそう締めた。赤字か黒字か、という話は確かにある。1500万円の巨額の赤字に、4カ月間は激しく落ち込んでいたそうだ。でもそれだけでは測れないものも、確実にある。少なくともこのフェスは、“やめない”という意思で続いている。
今年もまた、音が鳴る。

AI時代の休息の場へ
最後に、こんなことを聞いてみた。
「DESSEって、これからどうなるんですか?」
少しだけ間を置いて、こう返ってきた。
「どうなるんですかね(笑)」
いい答えだと思った。決めすぎない。でも、投げているわけでもない。その“余白”に、人が集まる。サウナってのは、完成しない。だから面白い。DESSEもきっと、そういう場所だ。今日より明日、少しだけ変わる。でも本質は、変わらない。ただ「飽きられるのが怖い」と危機意識を口にする文社長。変化には誰よりも敏感だ。
「AI時代が加速するほど、しっかり脳を休める休息の場がますます大切になる。DESSEはそこを目指します」
チラッとつぶやいていた話では、タナカカツキ先生プロデュースの高輪SAUNASインスパイアで関西初のラボを増設するとか。関西圏のリゾートに”第二のDESSE”の話もあるとかないとか。
さて、次はどんな“熱”を見せてくれるのか。大阪サウナの爆心地。またふらっと、覗きに行くとするか。

☆格納YouTube:【完全公開】「大阪の巨大サウナ「DESSE」の7つのサウナを全部紹介します」。リニューアルとDESSEの見どころを文社長が詳しく解説!必見!
☆[サウナ✖人]を掘り下げるおしゃべりシリーズ『トトノイ人 SESSION 017 文城哲』では文社長の知られざる人柄が満載! https://bccks.jp/store/totonoibito

SAUNA NEWS追加情報!2月25日公開の記事で紹介した『サウナヨーガン』誕生秘話が書籍に!
2月25日公開、「九州サ旅!福岡天神で屋上外気浴 福岡県福岡市「サウナヨーガン福岡天神」@平和台ホテル 北海道のサウナ野郎パンダ・リー「ととのえ道場」[285]」で紹介した福岡天神の人気サウナ『サウナヨ―ガン』。その知られざる誕生秘話が一冊の本に!

『約束のサウナ/著・川島匡晴』(パワー社 1650円)
40超の事業を創出した元銀行員の川島さんがなぜ、あえて「儲からない事業」だと語るサウナ事業を始めたのか。「知識ゼロ、経験ナシ、あるのは亡き友との『約束』だけ」。
「シャワーの水圧が弱すぎる」「水風呂が冷えない」「屋上外気浴に前例がない」。次々と襲いかかる実戦的なトラブルを、現場スタッフや顧客の「口コミ」を武器にどう突破したのか。川島オーナーが語るドキュメントです。
起業を目指す人、新規事業に悩むリーダーはもちろん、サウナを愛する全国の人に読んでもらいたい一冊になっています。川島匡晴著『約束のサウナ』は4月25日発売。全国有名書店でぜひ!

☆毎週ご愛読いただいてきたサウナ野郎パンダ・リー「ととのえ道場」。いよいよNPBプロ野球が開幕!北海道日本ハムファイターズの優勝が決まるまで不定期掲載となります。『サウナイキタイ』『X』での情報発信をチェケラッチョ♪
サウナイキタイ パンダ・リー https://sauna-ikitai.com/saunners/18755
X サウナ野郎パンダ・リー https://x.com/matsu08130896

