梅宮アンナ「『私、大丈夫?』といい意味で疑うことが検診に繋がる」 HTB onちゃん6ちゃん秋まつりトークショーより
2026.11.04
「HTB onちゃん6ちゃん秋まつり」にお越しいただいたみなさま、ありがとうございました。サッポロファクトリーで行われた、はなさく生命プレゼンツ「梅宮アンナ『私は大丈夫』を疑ってみよう」の模様をお届けします。
2024年7月に乳がん(浸潤性小葉がんステージ3A)を公表した梅宮アンナさん。著書『フルコース がんと私と家族の日々』を出版し標準治療の大切さを発信するアンナさんが語る、病気との向き合い方とは。
「右胸が小さくなっていた」異変当日の受診予約と冷静な受け止め
乳がんを発見した当時の経緯と告知を受けたときの心境について、アンナさんは自身の体に生じた最初の異変について語り始めました。痛みの自覚などではなく、見た目の変化だったと言います。異変を感じたその日のうちに迷わず行動を起こしたことが、その後の迅速な確定診断や治療開始へとつながっていきました。

「まず私の場合は、体に異変があったというか、感じたというよりも見た目なんですけども、右胸が小さくなってたんですね。胸が小さくなったイコール乳がんという知識は当時なくて、まず『これは自分の体がどうなってるの?』っていうところを知ろうと思いまして、すぐ発見した時、感じた当日に病院に受診の予約をしたんですね」
約1ヶ月間の検査期間を経て乳がんの告知を受けたアンナさんですが、取り乱すことはなかったと振り返ります。父をはじめ家族や親戚にがん経験者が多く、身近な病気として予備知識を持っていたことが冷静な受け止めにつながったと語りました。
「結果発表の時に、『梅宮さん乳がんですよ、浸潤性小葉がんですよ』と言われた時に、そんなに驚かなかったんです。『あ、やっぱり来たのか』っていうところだったので、やっぱり予備知識とか知識を持っていると、元々もちろんパニックはしますけど、きっちりと情報を頭に置いといたり、心に置いておくと、やはり知らないよりはパニック起こさないので、いろいろとがんの知識というものは備えておいた方がいいのではないかなっていうふうに思います。」
「誰かに希望や勇気を与えたい」標準治療を発信する理由
病気を公表し、治療法を積極的に発信し続ける背景には、SNSが普及した現代だからこそ、正しい医療情報を世の中に届けたいという強い覚悟がありました。アンナさんは抗がん剤、手術、放射線という3大治療を「標準治療のフルコース」と表現し、その重要性を伝えています。
「これはちゃんときっちりと世の中に正しい情報と、今現在がんになった時にどういう治療をして、そういうものを皆さんに世の中に伝えていかないといけないな、っていうふうに思ったので公表をして、それ以来ずっと私目線ですがお伝えしている状態です。抗がん剤、手術、放射線、この3大治療を標準治療と言うんですけども、標準治療をやることの素晴らしさだったりとかを伝えていこうとかなり強い思いがありました。自分のためだけに病気と向き合っていくとなかなかモチベーションも上がらなくて、やはりこの情報を誰かのために、誰かに希望を与えたり勇気を与えたりっていう思いが今の時代は必要なんじゃないかなって思いまして、そうするとすごい頑張れるんですね。後に続く人たちのために、記録を残しておかなければいけないのではないかなっていう思いでした。」
がんという過酷な現実に直面した際、アンナさんは毎日の思いをノートに書き留めながら、気持ちを整理していったそうです。泣いて悲嘆に暮れるのではなく、未来に向かって何ができるのかを自らに問いかけ続けました。
「今日思うことをノートに書いて、自分はがんになりました、泣いて打ちひしがれたりとかっていうことよりも、これからどうやってこれを治して、未来に向かってやっていく自分を想像すると、やることがいっぱいあるんですね。なので、もしかするとこれは理由があってこういう病気に私はなってるのかなと思ったんです。泣いてどうして私が、っていう思いよりも、『多分これ意味があるのかな』と。こういう経験をして、世の中の人に伝えることだってできるでしょ、あなた、っていうふうに神様に言われたような気がしまして。そうやって思うようにすると、ただ単に泣いたり悲しんだりではなくて、意味があるなと思えたんです。」
「日頃から胸に意識を」ブレストアウェアネスの4つのポイント

トークショーでは、現在の治療状況についても明かされました。3大治療を終えた後、アンナさんは24ヶ月にわたる抗がん剤の内服治療を続けており、来年3月で24ヶ月を迎えます。その後も約8年間にわたり再発予防のためのホルモン剤治療を継続する予定とのことで、乳がん治療の期間の長さが語られました。早期発見によって体や経済的な負担を減らすためにも、乳房を意識する生活習慣「ブレストアウェアネス」が大切になります。共催であるはなさく生命の山崎美香さんから、その4つのポイントが解説されました。

「ブレストアウェアネスというのはあまりお耳にされたことがない方も多いかと思うんですけれども、日頃からご自身の乳房の状態に意識をする生活習慣のことを言います。まず1つ目に、日頃からお風呂に入っている時や上がった時に手で胸を触っていただいて、しこりなどはないのか。お風呂上がりに胸を鏡に映していただいて、胸の形や大きさ、いつもと違うところはないのかをチェックしていただきます。そして2つ目に、そこでいつもと何かが違うなと気づくということです。3つ目、『こんなことぐらいじゃ病院に行けないかな』という方がいらっしゃいますが、そうではなくて、いつもと違う、これちょっと気になると思ったら、すぐに病院に行ってください。そして4つ目に、40歳以上になったら2年に1度、定期的に乳がん検診を受ける。この4つをブレストアウェアネスというふうに言っています。」
「知らないことの方が怖い」北海道の検診受診率と早期受診の重要性
進行を務めるHTB社員で乳がんサバイバーの阿久津友紀さんからは、自身のマンモグラフィ画像をもとに「高濃度乳房」について説明がなされました。高濃度乳房は日本人女性の40代〜50代の約7割に見られる特徴であり、マンモグラフィでは全体が白く写るため、がんが隠れて見つけにくい場合があると言います。超音波(エコー)検査を組み合わせることで病変が見つかりやすくなること、そして自治体による通知の取り組みなども紹介されました。さらに提示されたデータでは、北海道のがん検診受診率が全国平均51.0%を下回り、ワースト1位となっている現状が示されました。

受診率の低さを受け、アンナさんは自分の体と向き合い、検診を先送りにしないことの大切さを訴えます。
「やはりがんを見つける時間というのがすごく重要になるんですけども、自分の体が『あれ?』って思った時に、すぐに病院に行くのと、仕事が忙しいとか怖いとか言って行かない方が結構いらっしゃるんですね。そうすると、がんという病気は非常に進行していく病気なので、何にもしないと勝手に治るわけではないんですね。なので、本当に知らないことの方が怖いです。今の体の状態が自分がどこも悪くないのか、悪いのかっていうのをまず知ることから始まりますので、ぜひ怖がらずに、検診、病院はぜひ行っていただきたいと思います。私の場合は『あれ?』と思ってすぐに行ったので、やはりそれが良かったのではないでしょうか。マンモグラフィも痛いですけど、機械を使って見つけることしかできませんので、知ることが大事です」
「病院の勧める治療法1本で」不確かな情報に惑わされない姿勢
情報が溢れるインターネットやSNSとの付き合い方について、アンナさんは実体験をもとに警鐘を鳴らしました。罹患を公表した際、善意からであっても「この水が効く」「このサプリが良い」「聞くとがんが治る歌を作った」といった根拠のない勧めが数多く届いたと言います。そうした民間療法に惑わされず、主治医と対話し、標準治療を信じ抜くことが何よりも大切だったと振り返りました。

「SNSは情報を得るには大変素晴らしいものであると同時に、ちょっと無責任な情報を流しているところもあるので、間違った情報を鵜呑みにしてどんどんネガティブな方向にいってしまうことは非常に問題の1つです。私自身もがんになった時に、まずは標準治療を選ぶというところは大事だと思ってます。多くの方がこの治療をやることで社会復帰をしてますし、私の父も標準治療をやってましたし、私自身も標準治療をやって、ちゃんとお仕事ができて生活ができているので、そこは本当に皆さんに強く伝えていきたいです。最初治療が始まる前に主治医の先生に『分からないことがあったら僕に聞いてください』と言われました。分からないことがあったら先生に聞くというところがまず一番のベースです。『このお水が効くよ』とか『このサプリがいいよ』とか勧められてきたことはたくさんありますけど、そういうことは私一切やらずに、もう病院の勧める治療法だけ1本でここまで来ているので。そうやって治療で自分の体をいい方に持っていっていました」
「『私、大丈夫?』といい意味で疑って」I'm OK?プロジェクトへの思い
アンナさんは現在、はなさく生命が推進する「I'm OK?プロジェクト」のアンバサダーを務めています。仕事や家庭、育児に追われて自分の健康を後回しにしがちな女性たちへ向け、立ち止まって自らの心と体に問いかけてほしいというメッセージを発信しています。

「このI'm OK?っていうのは、『私、大丈夫?』っていう問いなんですね。やはり『私、本当に大丈夫かな?』って、人生を進めていくときにポジティブな思いというものはすごく大事なものなんですけども、全部がいい方にいい方にって考えていくと、『私、大丈夫?』っていう問いかけもしなくなっちゃうんですね。なので、やはり少しこういい意味で疑うというところが検診にも繋がりますし、自分が『いや、大丈夫、大丈夫』っていい風に考えておくと、なかなか難しいかなとは思ってます。医療とお薬は日々進化していて、私が今飲んでる薬もちょっと前までは承認されていなかったものです。がん患者やお医者さん、メーカーさん、保険会社さんがみんな足並みを揃えて情報交換をして、明るくいられるような社会になっていけたらいいなと思っています」
「体が『あれ?』と思ったら無視しないで病院へ」
トークショーの締めくくりとして、アンナさんは会場とオンラインの参加者に向けて、改めて心からのメッセージを伝えました。
「皆さん、体が『ん?』『あれ?』って思ったら、ぜひ無視しないで、きっちりと検診にすぐ行ってください。病院に行ってください」
自分自身の体の違和感を見逃さず、「私、大丈夫?」と問いかける勇気を持つこと。自らの経験をありのままに語り、標準治療の現場から力強く発信を続けるアンナさんの飾らない言葉は、健康と向き合う多くの人々の背中を温かく押してくれることでしょう。
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