宮田愛萌の影ナレ&松田好花復帰&新三期も躍動! 22人で再び約束の地への誓いを立てた日向坂46、聖夜を彩る

日向坂46は本日12月24日、クリスマスイヴにオンラインライヴ「ひなくり2020~おばけホテルと22人のサンタクロース~」を開催した。

HinaXmas_02373.jpg

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

メンバーにとって、夢の舞台であった東京ドームでの開催が予定されていた「ひなくり2020」。コロナ禍の影響、そしておひさま(日向坂46のファンの総称)と共に約束の地に辿り着きたいという想いからオンラインライヴとして届けられた今年のひなくりは、大規模なセットの中、ファンタジックなステージを披露した。
配信前には、現在活動を休止している宮田愛萌から開催に先立って注意事項のアナウンスがーーこの時点でタイトルに冠された「22人」という言葉に、期待に胸が膨らんだファンも多いだろう。待機画面の中、円陣の掛け声がかかるとチャット欄のおひさまの熱は既に最高潮。「ひなくり2020」が遂にスタートだ
1年前という表示と共に、丹生明里が受け取った空色の卵を大切そうに携えた映像が流れる。希望に満ち溢れた表情は、まるで東京ドーム公演という贈り物を得た昨年の記憶とリンクしているようだ。孵化した青い鳥の正体に想いを巡らせる中、「Overture」と共にメンバーの紹介VTRが流れ、サンタクロースの衣装に身を包んだメンバーが画面に登場。すると、2020年に日向坂46を先頭に立って引っ張ってきた佐々木美玲(以下美玲)の「ひなくりいくぞー!」という言葉から「NO WAR in the future 2020」に突入。新三期も加わったフォーメーションで、初っ端からハイテンションなライヴを見せつけた。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

その後、キャプテン佐々木久美(以下久美)を中心に、ライヴの世界観が紐解かれていく。サンタクロースであるメンバーたちの身の回りのものが消えていっているということを伝える中、新三期生山口陽世の「このピアノ、出ない音がある」という言葉で飛び込んだのは、「ドレミソラシド」。センターの小坂菜緒を中心に、メンバー自身が互いに目を合わせながら、無邪気な笑顔で代表曲を奏で上げる。
 そしてここで登場したのは、序盤で登場した青い鳥の“ポカ”。口を開くと、その声はまさかのオードリー若林正恭! いつものようにメンバーをいじりながら、しっかりと小坂菜緒を贔屓して一旦姿を消した。
 強力な援軍を得た彼女たちは、探検隊さながらの新たな衣装に身を包んで「ただがむしゃらに」を披露し、世界を元通りにするためおばけホテルへの旅を進めるのだが、序盤にしてこの日のハイライトが訪れる。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

道案内としてギターを携えた富田鈴花が登場したのだが、その横には空席ーーそして、富田が「旅に出てるあの子さえ帰ってきてくれたら……」と呟くと、「ただいま」と言って登場したのは活動休止中だった松田好花。松田と富田は、二人揃って花ちゃんズとして、「まさか 偶然…」を披露した。松田が涙を流しながらアコースティックギターの調べと共に届けた歌声、そして二人をぐるりと囲むメンバーの表情が胸を打つ、聖夜のハイライトの一つだった。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

道標を得たメンバーは会場全体に張り巡らされたステージとファンタジックなストーリーと共に、楽曲を披露してく。“ワニの船長”の協力を得て、船に乗る演出に合わせて披露されたのは「川は流れる」。美しいサウンドスケープの中で、流麗なダンスを披露した彼女たちはまた違った表情を見せる。そして、美玲、加藤史帆、齊藤京子という一期生のエース格は、“うそつきなオオカミ”を前にして「どうして雨だと言ったんだろう?」をキレのあるダンスと共に、圧巻のパフォーマンスを披露。メンバーはストーリーの中核をなす、おばけホテルへと辿り着く。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

メイド風の新たな衣装に身を包み、新三期生も合流して、おばけホテルのフロントではオリジナルのダンスに突入。 東村芽依のセリフと共に走り出した、日向坂46の楽曲の中でもフロアの熱狂を呼び込む「ソンナコトナイヨ」は、彼女たちのパフォーマンスレベルを見せつけるのには充分だった。フロントメンバー金村美玖と東村のエモーショナルなダンスと、ひなくり2020事前番組で美玲が話したように大合唱の<ソンナコトナイヨ〜!!>という言葉がさらにテンションを上げていく。そして「こんな整列を誰がさせるのか?」はアニメーションダンスの要素を含んだシリアスな表情で、ライヴのストーリーを描いていく。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

ここで、スポットライトは3期生の四人へ。コミカルなイントロと共に届けられた「この夏をジャムにしよう」は、<先輩、私たちに任せて>という言葉に違わず、上村ひなのはもちろんのこと、髙橋未来虹、森本茉莉、山口の頼もしさを感じるアクトだった。
 離れ離れになってしまった1期生と2期生に場面は転換。“パリピちゃん”富田によるラップが炸裂(?)するお馴染みの一幕を挟んで、“臆病なラクダ”との時間を過ごした彼女たちは「 窓を開けなくても」を披露。“ポカ”と共にトロッコに乗って移動するメンバーは、カメラの先のおひさまに語りかけるように、満面の笑顔を届けてくれた。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

再び、おばけホテルに戻ったメンバー。ここで金村と小坂による「See Through」が披露される。硬質なビートと共に、加入直後から比べるとグッと大人びた表情を見せたふたりは、怪しげな雰囲気のステージを強く彩っていた。その後出会ったのは、“ネコの名探偵”。そこで突入したライヴナンバー「キツネ」は、おばけに扮した上村ひなのを中心として、この日だけのオリジナルな演出たっぷり、見応えのあるパフォーマンスだった。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

そして、ひとりでおばけホテルの中を彷徨う上村は、小説を探すストーリーに擬えてソロ楽曲の「⼀番好きだとみんなに⾔っていた小説のタイトルを思い出せない」をおばけと共に堂々と披露。歌声の低音域の成分がさらに魅力を放ち、3期生の中で先んじてグループに加入した日々を感じさせる、一つのピークタイムを生んでいた。
次の場面は加藤の独壇場。完全にリミッター解除をして、冠番組でも見せるぶりっこ表情で“ネコの名探偵”に恋心を伝えたシーンは最早お家芸だ。加藤の「キュン!」という言葉で雪崩れ込んだ、日向坂46のデビュー楽曲「キュン」はメンバーの眩い笑顔とハッピーオーラで会場を包みこんだ。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

おばけホテルの先に進んだメンバーは火の海の中、一躍窮地に。美玲が<大事な時にいないじゃん、ポカ!! 大事な時にいないってポカをするっていう名前だったのかしら>と“ポカ”をいじるシーンを経て、届けられたのは「My fans」。<たとえ火の中 水の中 躊躇うことないって 誓ったでしょ>という歌詞と共に、ここまで出会ってきた仲間たちの力も借りて、ダイナミックなパフォーマンスをセンターの美玲を中心に披露した。
 遂にライヴは最高潮へ。おばけというテーマにちなんでマイケルジャクソンの「スリラー」のダンスを交えながら、初期からの代表曲「誰よりも⾼く跳べ!2020」を届けた。1期生と2期生・3期生に別れたメンバーは、ここでもオンラインライヴならではの演出で魅せる。最後には、久美の「ひなくり、跳べ!!」という言葉と共に大ジャンプ! メンバーがステージ上に合流し、全員で前のめりすぎるほどのハイテンションで駆け抜けた。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

最終局面である、“おばけのホテル王”の元に辿り着いたメンバーたち。そこには、先ほど美玲にいじられた“ポカ”が捕らえられていた。カワイイものが苦手な“おばけのホテル王”にメンバーが繰り出したのは、某番組のぶりっこ選手権さながらの妙技の数々だ。美玲、加藤、齊藤のアザトカワイイ姿の後には、すかさず「アザトカワイイ」を披露。ひなくり2020の事前番組で見せたポーズも含め、2020年の日向坂46を支えた楽曲と共に、ライヴのストーリーはハッピーエンドを迎えた。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

そして、虹色に包まれた世界で披露されたのは「JOYFUL LOVE」。通常だと客席でおひさまが架ける虹を懐かしむように、会場を練り歩くメンバー。途中客席に流れた<また みんなのにじが みれますように>という言葉と共に、再会の日を誓う姿は間違いなくこの日のハイライトだっただろう。最後に披露された「日向坂」は、<やっと空が広がり 僕たちにも火が当たる>というリリックが聖夜を彩って、オールキャストが参加してのカーテンコールで本編の終了を飾った。
興奮冷めやまぬままに突入したアンコールでは、まず「青春の馬」を披露。この日に披露されることはなかったが、「ハッピーオーラ」と共に、日向坂46というグループの核を描き切った同楽曲は、今の世の中にこそ必要な応援歌だ。

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

ここで初めて、メンバーはしっかりとMCを届けた。久美が「新三期生のみんなは、影(影山優佳)もだけど、ひなくりはじめてだもんね」と話すと、山口は「こんなに大きなステージでやったのがはじめてで、(中略)でも、やっぱり日向坂に加入できてほんとに幸せだなって」と素直な気持ちを吐露した。そして、大切な再会について触れる。メンバーが「このちゃーん!!!」と呼び込むと、松田は既に涙を流しながら登場、今の心境を語った。「しばらくの間お休みを頂いてたんですけど、少しずつ体調もよくなってきたので、今回このような形でステージに立たせていただくことができました。こうやって立てていることが、本当に幸せです」ーーメンバーに励まされながらも、現在の状況を話す松田はメンバーやおひさまへの感謝を伝え、これからの活動へ前向きな気持ちを語った。それを受けて、渡邉美穂は大号泣。「……全員揃ってステージに立てるってあたりまえじゃないんだなってーー離れてるけど、22人全員揃ってるなって感じて、本当に嬉しくて感動しました」と大切な1日を語った。そして最後はキャプテンの久美が2020年を振り返り、おひさまへの感謝を伝えると共に、来年への抱負を語る。「2021年はどういう状況になるかわからないですけど、やっぱりおひさまに会える1年になったらいいなと思います。そして、愛萌も元気に帰ってきてもらって、22人で『ひなくり2021』を迎えたいなと!思います!」

hinaXmas.jpg

[別タブで開く]

こうして最後に披露されたのは「約束の卵」。東京ドームという舞台を夢見て、駆け抜けてきた日向坂46。本来であれば今年その夢に届くはずであったが、叶わずとも彼女たちは前を向き続けていた。けやき坂46時代から、常に高い壁に阻まれながらも、その度に持ち前の雑草魂と共に乗り越えてきた彼女たちーー<一緒に歩いて 一緒に辿り着こう>という言葉と共に、再び約束を果たした22人の彼女たちとファンの絆はさらに強靭なものとなっただろう。太陽に照らされた孵化の日はきっと、もうすぐだ。(黒澤圭介)

ひなくり2020 ~おばけホテルと22⼈のサンタクロース~ セットリスト

OPENING
00 Overture
01 NO WAR in the future 2020
02 ドレミソラシド
03 ただがむしゃらに
04 まさか、偶然...
05 川は流れる
06 どうして雨だと言ったんだろう?
07 ソンナコトナイヨ
08 こんな整列を誰がさせるのか?
09 Dash&Rush
10 この夏をジャムにしよう
11 窓を開けなくても
12 See Through
13 キツネ
14
一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない
15 キュン
16 My fans
17 誰よりも高く跳べ! 2020
18 アザトカワイイ
19 JOYFUL LOVE
20 日向坂
ENCORE
21 青春の馬
22 約束の卵 2020

1

この記事を書いたのは

黒澤圭介

音専誌『MUSICA』/MASH A&Rなどを経て、現在は札幌在住。某メディアに所属しつつ、ライターも気ままに継続中。
音楽・映画(特にSF)・小説・珈琲・特定のラジオを好みます。
情報発信はこちらより。

合わせて読みたい