櫻坂46、本当の再出発!『W-KEYAKI FES.』で遂に完成した「Buddies」が作る未来

 7月9日~11日、櫻坂46(以下櫻坂)は日向坂46(以下日向坂)と合同で『W-KEYAKI FES.2021』を富士急ハイランドコニファーフォレストにて開催。櫻坂は初日に単独ライヴを、3日目には日向坂と合同にてライヴを行った。

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W-KEYAKI FES.2021 DAY1 [撮影:上山陽介]

本当の意味での再出発

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W-KEYAKI FES.2021 DAY1 [撮影:上山陽介]

 彼女たちにとって改名後としては、初の富士急のステージ。そして、尾関梨香が初日のライヴを持って晴れて復帰となり、初めてメンバー25人が全員揃って挑む有観客ライヴに。新たなスタートを切ってからリリースした楽曲のすべてを、ダンストラックを交えながら披露した彼女たち。キャプテンである菅井友香をはじめ、「櫻坂」としてこの地に再び立った想いを多くのメンバーが語っていた。『W-KEYAKI FES.』は、その万感の感情が滲み出た、本当の意味での彼女たちの再出発のファンファーレが鳴らされた夜となったと言える。

「櫻坂46」のコアを雄弁に語る3人

 現在、彼女たちは櫻エイトと呼ばれる選抜メンバーを中心に、先日『BACKS LIVE!!』に出演していたメンバーがそれを支える形でフォーメーションを構成している。さらにその中心に立つのは、森田ひかる・藤吉夏鈴・山﨑天という3名だ。彼女たちはそれぞれまったく表情で櫻坂を彩っている。

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W-KEYAKI FES.2021 DAY1 [撮影:上山陽介]

 “Nobody's fault”、“BAN”といったリードトラックのセンターを務め、実質現在の櫻坂の顔となっているのは森田。一見小柄で可憐なルックスの彼女だが、大人と少女の狭間という刹那に宿る、彼女特有の儚い美しさがステージに立つと強く香り立つ。アッパーなトラックにおけるパワフルなダンスパフォーマンスから、“ブルームーンキス”などで見せる危い魅惑的な表情までを行き来する表現力の高さは、グループでも唯一無二の存在感だ。

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W-KEYAKI FES.2021 DAY1 [撮影:上山陽介]

 次に触れるのは、藤吉。普段見せる姿は決して表情豊かなタイプではないが、ステージに立つと完全にスイッチが入るタイプなのであろう。数奇な運命の揺らめきを描いた“偶然の答え”で描かれる人間像など、捉えどころが難しい世界観であっても、類まれな透明感と共に、自由で開放的な櫻坂らしい表情を描く。何色にでも染め上げることができる、グループを象徴する「白」というカラーを最も体現しているのは彼女なのかもしれない。

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W-KEYAKI FES.2021 DAY1 [撮影:上山陽介]

 そして最後は山﨑天だ。グループでも最年少、まだ高校生になったばかりの彼女。元々天真爛漫なパーソナリティとステージにおける存在感は際立っていたが、この日見せた彼女のライヴパフォーマンスは本当に素晴らしかった。一挙一動すべてに生命力が宿ったパフォーマンス、オーディエンスに語り掛ける堂々としたステージング。彼女がセンターに立つ“Buddies”という楽曲が披露された時間は、改名後、櫻坂というグループが一丸となって歩みを進めていることを象徴的に示す、完全にハイライトを生んだ。

オーディエンスがいて初めて完成した“Buddies”

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W-KEYAKI FES.2021 DAY3 [撮影:上山陽介]

 初日、雨が降る中で披露された“Buddies”。スタジアムロックとEDMの潮流を根底に壮大なピークラインを生む楽曲は、<We are buddies 仲間だ>と語りかけながら、オーディエンスと彼女たちが一体となっていくストーリーを描く。濃霧の中、白色に瞬くステージの幻想的な光景も相まって、ある一本の映画のエンディングのような感動的な時間を生んだ。「私は櫻坂46になって改めて、仲間の大切さに気付きました。辛い時には支え合い、嬉しい時には分かち合える――そんな存在が近くにいることは本当に幸せです! 今日から皆さんはBuddiesです!」……彼女が高らかに宣言したこの言葉こそ、本当の意味での櫻坂の新たなスタートを告げた瞬間であった。

共に生きるグループへ

 この日遂にオーディエンスと邂逅したメンバーと新たな楽曲たち。三者が互いにバディーを組んで歩む先、白の世界には何色の花が咲いていくのか。きっと櫻だけに留まらない、多くの美しい花が咲く未来を待っている。

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W-KEYAKI FES.2021 DAY3 [撮影:上山陽介]

W-KEYAKI FES.2021 Day1 at 富士急ハイランド・コニファーフォレスト セットリスト

1. Overture

2. Nobody’s fault

3. Microscope

4. 半信半疑

- MC -

5. 君と僕と洗濯物

6. 偶然の答え

7. 最終の地下鉄に乗って

- MC -

8. Plastic regret

9. 思ったよりも寂しくない

10. ブルームーンキス

- MC -

11. それが愛なのね

12. なぜ 恋をして来なかったんだろう?

13. Buddies

14. BAN

EN1. 櫻坂の詩

W-KEYAKI FES.2021 Day3 at 富士急ハイランド・コニファーフォレスト セットリスト

OPENING

1. それが愛なのね(櫻坂46)

2. なぜ 恋をして来なかったんだろう?(櫻坂46)

- MC -

3. ソンナコトナイヨ(日向坂46)

4. ドレミソラシド(日向坂46)

- MC -

5. 君と僕と洗濯物(櫻坂46)

6. Plastic regret(櫻坂46)

- MC -

7. キュン(日向坂46)

8. アザトカワイイ(日向坂46)

- MC -

9. 偶然の答え(櫻坂46)

10. 半信半疑(櫻坂46)

- MC -

11. 膨大な夢に押し潰されて(日向坂46)

12. 青春の馬(日向坂46)

- MC -

13. ブルームーンキス(櫻坂46)

14. 思ったよりも寂しくない(櫻坂46)

- MC -

15. JOYFUL LOVE(日向坂46)

16. 君しか勝たん(日向坂46)

- MC -

17. Nobody’s fault(櫻坂46)

18. キツネ(日向坂46)

19. Buddies(櫻坂46)

20. NO WAR in the future 2020(日向坂46)

21. BAN(櫻坂46)

22. 誰よりも高く跳べ!2020(日向坂46)

- MC -

23. W-KEYAKIZAKAの詩(櫻坂46・日向坂46)

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この記事を書いたのは

黒澤圭介

音専誌『MUSICA』/MASH A&Rなどを経て、現在は札幌在住。某メディアに所属しつつ、ライターも気ままに継続中。
音楽・映画(特にSF)・小説・珈琲・特定のラジオを好みます。
情報発信はこちらより。

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