櫻坂46、2年目へーー卒業セレモニーで受け取ったバトンとステージに滲んだ旅路の強さ

 櫻坂46(以下櫻坂)は、12月9日、10日の2日間に渡り日本武道館にて『櫻坂46 1st YEAR ANNIVERSARY LIVE』を開催した。先日行われた、改名後初の全国ツアー『1st TOUR 2021』から1か月強しか間を置かずに、再びフルヴォリュームのセットリストを披露した彼女たち。1年間辿ってきた日々の重みだけではなく、改名後、初めて明示的に欅坂46時代からの日々がリンクした1日は、櫻坂というグループにとって歴史的な日になった。

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余裕と風格が漂うステージング

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 まずステージング全体を通して、つい先日の全国ツアーとはまた異なる印象が目立った。アニバーサリーライヴという祝祭であることも起因していたとは思うが、メンバーのリラックスした表情が非常に印象的だったのである。

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 特に、その象徴的な存在だったのが森田ひかるだ。1stシングル『Nobody's fault』でセンターを務め、その後も常に先頭に立ち続けた彼女。小柄な身体を目一杯駆使したダンス、楽曲の持つ世界観を宿した大きな瞳、そして透き通るような透明感をこれまでも発揮してきた彼女だが、この日目立ったのは無邪気な笑顔。櫻坂として過ごした1年間の月日、そして有観客での全国ツアーも経て間違いなく自らへの自信が芽生えたのだろう。周囲のメンバーとの時間も楽しむような余裕も見られた彼女の姿こそが、櫻坂が駆け抜けてきた1年間という時間の重みを感じることができる、この日のひとつのハイライトだった。

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 ライヴパフォーマンスという面では、やはり小林由依の復帰は非常に大きいだろう。以前からグループを随一の実力と存在感で支え続けてきた彼女。クールなパンツスタイルに身を包み、藤吉夏鈴、遠藤光莉と共に最新シングルから“ジャマイカビール”が初披露されたが、キレのあるダンスと表現力は健在。やはりグループに必要な存在であることを再確認する時間となった。

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 そして、遂に小林も参加して披露された“流れ弾”においては、益々センターとしての煌めきを放った田村保乃を中心に、今の彼女たちの最高到達点と言えるような、美しくも激しいパフォーマンスで魅せた。最新のリードトラックに漂った余裕と風格こそ、1年間の歩みを証明するものだったと言えるだろう。

バトンの渡し方

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 2日目には事前にアナウンスされていたように、1期生の守屋茜と渡辺梨加の卒業セレモニーが開催された。乃木坂46という先輩グループでは恒例のものではあるが、改名前からを含めても、ワンマンライヴと共にメンバーの卒業セレモニーを行うのは櫻坂にとっては初。美しくドレスアップされた両名によって卒業メッセージが伝えられると共に、まさかの楽曲が披露されることとなった。懐かしのユニット「青空とMARRY」として、守屋茜、渡辺に加えて同じく1期生のキャプテン菅井友香と渡邉理佐がステージに集まり、欅坂46・1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』収録の“ここにない足跡”、2ndシングル『世界には愛しかない』収録の“青空が違う”の2曲を続けて披露。欅坂時代には副キャプテンとしてグループを支えた守屋茜の「思い残すことなく終われます」という言葉の通り、涙のステージはノスタルジーと多幸感に包まれ、エポックな光景となった。

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 守屋茜、渡辺両名からのスピーチ、そして欅坂時代の楽曲も披露されたことでBuddies(櫻坂46ファンの総称)の感情も最高潮に昂る中、未来へのバトンを受けとったメンバーからも言葉が。中でも、守屋茜と姉妹のような関係性だった二期生・増本綺良の言葉が非常に印象的だった。「お二人と離れるのは本当に寂しいです。でもお別れは、今日やってきても、1年後だったとしても寂しいものに変わりはないので、今のお別れの辛さより、出逢えたことへの感謝に目を向けて、今はお二人の未来を思いっきり応援したいと思っています。沢山の素敵なことをこのグループに残してくれて、いつも笑顔を振りまくお二人のことが大好きでした。今まで本当にありがとうございました」ーー涙を浮かべながらも、虚飾のない自らの言葉で堂々と心境を語った彼女の姿は、卒業メンバーから最高のバトンを受け取った証と言えるものだったのではないだろうか。美しく、非常に感動的な時間だった。

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 そもそも、卒業セレモ二―をこのような形で実施したこと自体が一つのグループの到達点とも言える。ただがむしゃらに駆け抜ける刹那の美しさもアイドルの魅力ではあるが、いつかは訪れる終焉に花道を用意できるのもまた、グループとしての成長だろう。パフォーマンスを通して見えてきた櫻坂の魅力のみならず、欅坂からの日々も含めて、グループとしての大きな到達点までを描いた夜だった。2年目にはさらに華やぐに違いない、櫻の色に期待したい。
(撮影:上山陽介)(テキスト:黒澤圭介)

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櫻坂46 1st YEAR ANNIVERSARY LIVE 2021年12月10日 日本武道館 セットリスト

Overture
1. BAN
2. 美しきNervous
3. 半信半疑
4. それが愛なのね
5. 偶然の答え
6. ブルームーンキス
7. 思ったよりも寂しくない
8. Microscope
9. On my way
10. ソニア
11. 無言の宇宙
12. ジャマイカビール
13. Dead end
14. なぜ 恋をして来なかったんだろう?
15. Buddies
16. Nobody's fault
17. 流れ弾

EN1. ここにない足跡 / 青空とMARRY
EN2. 青空が違う / 青空とMARRY
EN3. 櫻坂の詩

櫻坂46 公演情報

櫻坂46「BACKS LIVE!!」

【日程・会場】
2022年1月8日(土) 開場 16:00 /開演 17:00
2022年1月9日(日) 開場 16:00 /開演 17:00
東京都・東京ガーデンシアター

【料金】
全席指定:4,600円(税込)

詳細な情報については 櫻坂46公式サイトよりご確認ください

櫻坂46 最新リリース情報

櫻坂46 3rdシングル『流れ弾』

櫻坂46 3rdシングル『流れ弾』
発売日:2021年10月13日(水)
商品形態:
【Blu-ray付き】
初回仕様限定盤TYPE-A / CD+BD / SRCL-11920〜11921 / ¥1,727+tax
初回仕様限定盤TYPE-B / CD+BD / SRCL-11922〜11923 / ¥1,727+tax
初回仕様限定盤TYPE-C / CD+BD / SRCL-11924〜11925 / ¥1,727+tax
初回仕様限定盤TYPE-D / CD+BD / SRCL-11926〜11927 / ¥1,727+tax  

通常盤 CD only / SRCL-11928 / ¥1,000+tax

初回仕様限定盤・封入特典
応募特典シリアルナンバー封入
メンバー生写真(各TYPE別25種より1枚ランダム封入)
櫻坂46 OFFICIAL WEBSITE: https://sakurazaka46.com/
櫻坂46 OFFICIAL Twitter: @sakurazaka46

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この記事を書いたのは

黒澤圭介

音専誌『MUSICA』/MASH A&Rなどを経て、現在は札幌在住。某メディアに所属しつつ、ライターも気ままに継続中。
音楽・映画(特にSF)・小説・珈琲・特定のラジオを好みます。
情報発信はこちらより。

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